国内の近現代作品を集めた静かな美術館『目黒区美術館』(目黒区)

東京都(23区)

小規模ながらもユニークな企画展を開催している、目黒区の美術館。混雑はほとんどなく、静かな環境でアート作品の世界に浸ることができます。今回は「ユーゲニズム」と称される岡田謙三展を見に行ってきました!

訪問日:2026/3/20(金) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

目黒の区立美術館

今日は多摩川沿いの古墳をめぐろうと思っていましたが、あいにくの雨模様。ということで、屋内型のスポットにシフトチェンジ!

そういえば目黒区美術館はまだ未訪問。もう少ししたら目黒川周辺は桜が咲き大混雑になってしまうので、今のうちに行っておこう!ということで、目黒駅から15分ほど歩いてやってきました!

ここは1987年11月に開館した、日本の近代から現代にかけての作家の作品を収集・展示している区の美術館。1階がエントランスとカフェ、階段を上った2階が展示室となっています。

岡田謙三の展覧会

時期によって様々な展覧会を開催している目黒区美術館。今回、私が訪問した際に開催されていたのはこちらの展覧会。

岡田謙三 パリ・目黒・ニューヨーク
会期:2026年2月21日(土)から2026年5月10日(日) 

まずは岡田謙三がいかなる人物かさらっとまとめてみます!

岡田謙三は1902年に横浜に生まれます。1922年に東京美術学校(現・東京藝術大学)へ入学、1924年にパリへ。既にパリで才能を開花させていた藤田嗣治と出会い、親交を深めます。1927年に帰国、1928年に日本橋三越で初の個展を開催。1935年に目黒区自由ヶ丘にアトリエを築きます。1950年にアメリカへ渡り、ニューヨークの抽象表現主義の芸術家と交流を持つように。

展覧会のタイトル通り、パリ・目黒・ニューヨークと渡り歩き、作風を変化させていったのです。

初期の具象絵画

《群像習作》

華やかさのないダークな作品。ぱっと見では何が描かれているか分かりにくいですが、目が慣れてくると無数の人々が折り重なった様子が見えてきます。1943年という戦時中であるからこそ生まれた絵画なのでしょう。

《シルク》

戦争が終結したのち、1947年の作品。色鮮やかな油絵具で描かれているのは、曲芸師の楽屋のような風景。リラックスしている人や、訓練している人など、それぞれの人物を追っていくと面白いです。

《アトリエ》

作風に変化が現れ、一気に抽象的になってきました。色彩も淡く、人物も簡略化された姿に変わっています。1949年とのことなので、渡米直前に仕上げた作品でしょうかね。

《五人》

同じく抽象化が進んだ作品。シンプルなラインで描かれていますが、顔はしっかりと表情を感じ取ることができる表現力が凄いです。

花開いたユーゲニズム

岡田謙三は、アメリカで活動する上で自分の方向性を「幽玄」と打ち出します。そこから生まれたのが「ユーゲニズム」という造語。情緒的で詩的な要素の強い抽象表現、そして独特な静寂を説明する言葉です。

《ダブルランドスケープ》

日本画らしい彩色で描かれた大きな絵画。近づいてみると絵の具の「塗り方」で様々な模様が描かれています。抽象表現に見えますが、手前の植物や遠くの山など、リアリティのある表現も多数見ることができる不思議な作品です。

《流れ》

淡いグレーとブルーに染まる作品。わずかな白い曲線で動きを表し、水の流れを感じさせます。塗りつぶされた右側1/3をどう捉えるかが難しいです。窓枠、それとも意味のないスペースなのでしょうか。

《春風》

竹林と小鳥、そして水辺のようなモチーフが描かれた爽やかな作品。中央付近をよく見ると、白い絵の具がまるで歪むように塗られています。風、もしくは音を表現しているのかな。


展示室は2部屋とそれほど大きくないため、さらっとなら30分程度で見終わるボリューム。今回は1時間ほど滞在してじっくりと作品を楽しませてもらいました。

帰り際、1階のエントランスにつながる吹き抜け空間に、鉄骨が吊るされているのを発見しました。

こちらは原口典之《構造への興味》というアート作品。あまりにも馴染んでいるため、最初作品だと気づかなかったです!

アクセスと営業情報

「目黒駅」より徒歩約10分、「中目黒駅」より徒歩約20分。

開館時間 10:00~18:00
休館日 年末年始
料金 800円
公式サイト https://www.mmat.jp/

※掲載の情報は2026年3月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました