縄でグルグルに巻かれたお地蔵様の謎『しばられ地蔵尊』(文京区・茗荷谷)

東京都(23区)

茗荷谷にある林泉寺というお寺に安置されたお地蔵様は、縄で巻かれた姿をしております。異様とも思えるこの状態には、いったいどのような意味があるのでしょうか。

訪問日:2024/1/14(日) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

モダンな寺院・林泉寺

今回訪問する文京区のしばられ地蔵は、茗荷谷駅のすぐ近くにある林泉寺というお寺に安置されています。いわゆる寺院建築とは異なる、現代的な建築が特徴的です。

お地蔵様ということで路肩に面しているかと思いきや、全く見当たらず。試しに屋外階段を登ってみたところ、すぐにその姿が見えてきました!

薄暗い中で、独特の存在感を放つしばられ地蔵にさっそくお参り・・・と思ったのですが、「まずは本堂からお参りください」とのこと。ということで、外階段をさらに登って本堂へ。内部もとってもモダンな建築です。

異様な姿のお地蔵様

さて、改めましてしばられ地蔵へ。ぐるぐると縄で巻かれた姿は、まるで封印されているかのような姿。

「呪縛」といった単語が脳裏を過りますが、こちらは決して呪いのようなものではありません。願いをかける際に縄でしばり、願いが叶うと縄をほどくという信仰であるため、このような姿となっているようです。

年末になると「お縄ほどき供養」が行われており、全ての縄が解かれて焚き上げられるとのこと。

2023年は12月24日に行われたそう。今回訪問したのが2024年1月14日、ということはたった20日でこんなにも縄が巻かれたのでしょうか。縄がMAXの状態を見たい方は縄ほどき供養の直前、縄が無い状態を見たい方は供養の直後を狙うと良さそうです。

江戸から続く信仰

しばられ地蔵の傍には、もう一躰のお地蔵さまが置かれています。こちらにも縄が巻かれていますが、わずか数本であり、なおかつ非常に年季が入っています。

こちらのお地蔵様は「初代しばられ地蔵」。なんと、400年前のものであるそうです。

この林泉寺のしばられ地蔵の信仰は江戸時代から続いており、江戸時代中期に書かれた江戸の地誌「江戸砂子」にも「小日向林泉寺の、しばり地蔵は大変有名である」と記されているそうです。

大岡裁きとの関係は?

しばられ地蔵について調べると必ず出てくるのが、江戸時代の奉行である大岡越前守忠相による「大岡裁き」のエピソード。

昔、呉服屋がお地蔵様の前で居眠りをしているうちに反物を盗まれてしまいました。奉行は地蔵が怪しいと言い荒縄で縛り上げ、奉行所へと運んでいきました。地蔵相手にいったいどのようなお裁きがはじまるのかと、多数の見物人が一緒に奉行所内に入ってしまいました。奉行は、許しもなく入った見物人に罰として3日以内に反物を持参させることに。すると、その中に盗まれた反物があり、ここから犯人を検挙することができました。

そういった経緯でお地蔵さまは縛られたのですね!と納得しかけたのですが、ここで気になるポイントが。

しばられ地蔵はここだけではありません!!

この大岡裁きのエピソードのしばられ地蔵は葛飾区にある南蔵院というお寺のお地蔵様のもの。ここ林泉寺のしばられ地蔵の直接の話ではないようです。今回訪問した林泉寺には、上記の大岡裁きのエピソードも掲載されており、最後にこのようなひとことが添えられていました。

この話しの地蔵尊は現在の葛飾区東水元(南蔵院)にあるが、「縛られ地蔵」として有名になったのもこの頃からと思われる。

少々解釈がわかれそうですが、南蔵院のエピソードの影響で、ここ林泉寺の縛られ地蔵も脚光を浴びた、ということでしょうか。それとも、その影響で縛られるようになったのでしょうか。

少し謎が残りましたが、江戸時代のユニークな信仰が都内で残っているケースはなかなかレア。近くを訪問される際は、ぜひ見学に足を運んでみてくださいね。

アクセスと営業情報

東京メトロ丸の内線の茗荷谷駅から徒歩2分。

公式サイト https://rinsenji.or.jp/

※掲載の情報は2024年1月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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