毎年恒例!トーハクの名物企画展『博物館に初もうで 〜兎にも角にもうさぎ年〜』(台東区)

東京都(23区)

毎年1月に東京国立博物館にて開催される企画展。その年の干支をテーマにした作品がずらりと並びます。2023年は卯年にちなみ、ウサギをモチーフにした絵画や焼き物、武具など様々な作品が大集合。ウサギと人間の関わりや、ウサギに対してどのような思いが込められているかなど、今年の干支に対して理解が深まる展示です。

訪問日:2023/1/8(日) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

お正月はトーハクへ

正月休みも明けて、年始に行くのにおすすめなのが「トーハク」こと東京国立博物館。毎年1月には「博物館に初もうで」という、年明けにぴったりな企画を開催しています。

博物館に初もうで、どういうことかといいますと、その年の干支にちなんだ作品を多数展示した正月ならではの企画展。今回で20年目を迎える毎年恒例のイベントなのです。

2023年は卯年なので、ウサギにちなんだ様々な作品を展示。

この企画展、毎年動物にちなんだ粋なキャッチコピーが付けられています。2021年の丑年では「ウシにひかれてトーハクまいり」、2022年の寅年では「今年はトーハク150周年!めでタイガー!!」、とユーモアあふれる内容。本年のキャッチコピーは「兎にも角にもうさぎ年」。このキャッチコピーに込められたメッセージは展示室入口の概要、もしくは現地でもらえるパンフレットをご覧ください~。

■開催概要
「博物館に初もうで 兎にも角にもうさぎ年」
開催期間:2023年1月2日(月)~1月29日(日)
公式サイト:https://www.tnm.jp/modules/r_event/index.php?controller=dtl&cid=5&id=10799

今年の会場は平成館

東京国立博物館は、本館、平成館、東洋館、表慶館、黒田記念館、法隆寺宝物館という6館が集まる大きな博物館。

2023年の「博物館に初もうで」の開催場所となるのは、このうちの一つ、平成館。去年までは本館で開催されていましたが、場所が変更となっているのでご注意ください。

1階の企画展示室が会場。展示室は一部屋であるためボリュームはそれほど多くはありません。

なお、見学にあたり別途観覧料などは必要なく、東京国立博物館全体の入館料1,000円だけ。平成館の考古展示室はもちろん、本館や東洋館の膨大な常設展示も合わせて見ることができるので、時間をたっぷりとって訪問したいところです。特に平成館と本館は連絡通路で繋がっていますので、企画展示を見た流れで見学しやすいです。

かわいいウサギ作品

ウサギにはかわいいイメージがありますが、それは昔も同じ。展示されたウサギ作品の多くは、かわいらしい雰囲気で和やかな気持ちになってきます。

『染付水葵に兎図大皿』
幕末に焼かれたという伊万里焼で、直径60cmは超える大皿。描かれた2羽のウサギは仲睦まじく、かわいらしい雰囲気の作品です。

『海士玉採図石菖鉢』
石菖鉢というのは、園芸植物である石菖(セキショウ)を植えるための鉢。いわゆるプランターですね。横に刻まれた舟に目が行ってしまいますが、よく見ると脚が全てウサギのデザイン。みんなで支えているようで健気に見えてきました。

『黒釉兎唐草文双耳大壺』
こちらは中国、元にて造られた大きな壺。唐草文とともに、かわいらしいウサギが描かれています。

波とウサギの関係

「月とウサギ」をモチーフにした作品もいくつかあり、現代でもすんなりと馴染む組み合わせ。しかし、気になったのは「波とウサギ」という組み合わせも多いということ。

『兎水滴』
水滴というのは、硯で墨を擦る際に使用する道具。手前のウサギは耳が長く、耳を使って波の上を飛んだという「波乗り兎」のイメージに基づいているそう。

この波乗り兎は、能の謡曲「竹生島」にて、月のウサギが湖面に映り、波に乗っているよう、といった表現があったことがルーツともいわれています。室町時代以降は好まれる組み合わせであったそうです。

『金茶糸素懸威波頭形兜』
こちらは波とウサギをデザインした兜、ウサミミ兜です。動きが早いこと、そして多産であることが戦国武将にも好まれたそうです。

『火事装束 紺麻地波兎雨龍模様』
火事の際に着用していた装束であるため、火から身を守るための水に関連するモチーフが描かれています。白波とともに描かれているのは、赤いウサギ。こちらも波乗りウサギに関連しており、火伏せの象徴であると好まれていました。


今回ご紹介した作品はほんの一部。中にはじっくり観察しないとウサギが見つからない作品もあり、「ウサギ探し」が楽しめます。

干支と人間の関わりを通して、理解が深まる企画展示。来年は辰年。龍は非常に多いモチーフなので、選出は困難を極めそうです。

コメント

  1. […] 毎年恒例!トーハクの名物企画展『博物館に初もうで 〜兎にも角にもうさ… […]

  2. […] 門をくぐり天井を見上げると、波と戯れるウサギの間に三日月の彫刻が。(ちなみに、この波とウサギはきっと「波乗りウサギ」を表しているのでしょうね。) […]

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