地下に広がる密教空間『玉川大師』(世田谷区・二子玉川)

東京都(23区)

大正時代に建立された真言宗智山派の寺院。本殿の地下に広がる大規模な地下仏殿で知られています。暗闇の中を進むと、多数の仏像や三鈷杵が安置された霊場が続いていました。

訪問日:2024/3/20(水) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

真言宗の寺院

世田谷区にある玉川大師は、京都の智積院を総本山とする真言宗智山派の寺院。1925年という大正時代に創建されたお寺で、正式名称は、寶泉山 玉眞院(ほうせんざん ぎょくしんいん)といいます。

訪問時は、ちょうど「春彼岸会」を行っている最中。係の人から「お時間ありましたらぜひご参加ください」と薦めていただいたので、途中から参加させていただきました。

燃え上がる護摩の炎や、お彼岸のお話も聞け、さらに塗香で身を清めてからの内陣参拝まで体験させてもらいました。係の人も凄く丁寧で、温かい雰囲気のお寺です。

多数の仏像

境内には多数の像が安置されています。最もインパクトがあるのが、そびえ立つのは巨大な弘法大師像。その高さは2m20cm、御影石でできているそうです。

ぼけ封じ観世音菩薩像は、足元にはすがるようなおじいさんとおばあさんの姿が描かれています。

この玉川大師は、「関東三十三観音霊場」の第十番札所であるそう。「坂東三十三観音」のことかと思いましたが、これは「ぼけ封じ関東三十三観音霊場」のこと。平成元年に開創された霊場であり、神奈川を除く関東6県に札所が置かれています。

不思議な動物の像も見つけました。一対で置かれているヒツジのような姿は、弘法大師の教えにある由来があるそうです。顔が人のように作られているので、半人半牛の妖怪「件(くだん)」のようでもあります。

長寿の銅鑼も置かれています。手を合わせ、願い事をして一突きするとご利益があるそう。

圧巻の地下仏殿

さて、そんな玉川大師には地下仏殿と呼ばれる空間が広がっています。本堂の地下5mほどの深さに、長さ100mもの霊場が広がっているそう。

本堂内に受付があり、拝観料は800円。最初に案内を見せてもらうのですが、けっこう重要なことも書かれています。しっかりと読んでから挑むのがおすすめです。

案内を読み終えたら、サンダルを履いて階段を下り地下世界へ。

最初はいきなり真っ暗闇の世界。何も見えないほどの暗さなので、壁伝いに少しずつしか進めません。現代社会ではなかなか経験することの無い真っ暗闇、どきどきわくわくの空間です。

※本殿内、および地下仏殿は撮影禁止でした。

内部で見たもの

※イメージ写真

途中には照明付きのポイントもあり、壁に描かれたお経や多数の仏像を拝観することができます。

恐ろしい表情の奪衣婆、神秘的な圓満地蔵尊など様々なものを見ることができます。奥へ進むと大日如来像、薬師如来像、涅槃の釋尊、秘仏の大日如来像、烏枢沙摩明王像など次々と現れる石仏、その数なんと300体。「四国八十八箇所」と「西国三十三所」を巡ったのと同様の御利益を得られるそうです。

中盤の暗闇は、くねくねとうねる道。壁から手を離さずに進んでいくと、壁のくぼみに鎖で繋がれた何かを触りました。これは「三鈷杵(さんこしょ)」という仏具。本殿に安置された大日如来像の丁度真下であるそうです。

暗闇と仏像空間が交互に訪れ、さながら地獄と極楽を往復しているような感覚でした。ゆっくり進んでも15分ほどで参拝は終了。地上の世界に帰ってきました。

あ!暗闇を進むことに気を取られて、最初の案内に書かれていた「自分の数え年の仏像を探す」というミッションをすっかり忘れていました。

アクセスと営業情報

東急大井町線・田園都市線の「二子玉川駅」より、徒歩15分。

参拝時間 9:00~16:30 ※地下参拝は16:00まで
料金 無料 ※地下参拝は800円
公式サイト https://tamagawadaishi.com/index.html

※掲載の情報は2024年3月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました