アグリカルチャー展示が魅力の大学博物館『「食と農」の博物館』(世田谷区・用賀)

東京都(23区)

東京農業大学による博物館。農業や醸造、ニワトリ、さらには熱帯植物など、コンパクトながらも見どころはたっぷり。生きているケヅメリクガメやワオキツネザルにも会うことができます。

訪問日:2024/3/20(水) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

東京農大の博物館

世田谷区上用賀にある東京農業大学の世田谷キャンパスのそばには「食と農」の博物館が建てられています。2004年にオープンした施設で、誰でも自由に見学することができます。

入口には巨大なニワトリのモニュメント。タイの王様にちなんだ「ナレースワン大王鶏」という種類であるそう。力強く立つ姿は、まるで恐竜みたいです。このサイズのニワトリに襲われたら勝てる気がしません。

館内は1階が企画展示室、2階がニワトリやお酒・古農機具などが並ぶ常設展示室、さらにバイオリウムという温室も見学可能です。

無料で見学できますが、注意点は【休館日:日曜、月曜、祝日】ということ。ただし、訪問した3/20(水)は祝日でしたが開館していましたので、正確な開館日は公式サイトの「開館カレンダー」をご確認ください。

農業に関わる展示

入館者を出迎えるのはKOMATSU WD30。1961年より生産された、いすゞDL200型ディーゼルエンジン搭載の国産トラクター最初期のモデルであるそうです。「いすゞ」というワードを目にすると「い~つ~ま~でも~」という例のCMソングが頭に流れてしまうので、このCMを考えた人は改めてスゴイなと思います。

再現された民家とともに農機具が展示されています。馬に曳かせて畑を耕す「馬鍬(まぐわ)」、「足踏み脱穀機」など、モータリーゼーションがはじまる以前の古農具がずらり。展示は一部であり、実際のところ約3,600点もの子農具を収蔵しているそうです。

1点だけショーケースで特別扱いな「のくろ」。収穫した綿花から種を取り除くための道具です。NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」にも登場、劇中では綿の栽培で領地の財政を立て直しを図るというシーンで出演したそうです。みなさん、見覚えありますか・・・?

珍しいお酒と醸造展示

東京農業大学は、非常に珍しい学科「醸造科」を有する大学。そのため、お酒にまつわる展示もたっぷりとそろっています。

ショーケースにずらりと並ぶのはお酒の瓶。「越乃寒梅」「久保田」「八海山」など、非常に有名なお酒も並んでいます。実はこちら、東京農業大学卒業生の蔵元の銘酒紹介コーナー。あの有名なお酒も、東京農大出身者が手掛けているのですね。

天井から吊るされているのは杉玉。酒屋の軒先に吊るして新種の販売を知らせる装飾物です。ここでは、その中身がどうなっているかも見ることができます。

今回訪問した2023年10月12日(木)~4月6日(土)は、企画展示である醸造科学科展「JOZOO -醸造と発酵のせかい-」を開催中。「くさや」「スクガラス」などインパクトあるものから、「タバスコ」「メンマ」「かつお節」など日常的なものまで、様々な発酵食品がずらりと並んでいました。

圧巻のニワトリコレクション

2階の展示室に広がるのはニワトリの剥製標本コレクション。「烏骨鶏(ウコッケイ)」「矮鶏(チャボ)」「軍鶏(シャモ)」といった有名な種類から、「薩摩鶏」「比内鶏」などの地鶏、「東天紅」「唐丸」などの長鳴鶏など、様々な種類を見ることができます。

尾羽が伸び続け、長い尾を持つ「尾長鶏」。この剥製は6mもあり、さらに長いものは13mを越えることもあるそう。「土佐のオナガドリ」として天然記念物にも指定されています。(尾長ニワトリについてはコチラの記事もあります!)

日本だけでなく世界のニワトリも。こちらのアオエリヤケイは、インドネシアのジャワ島からフロレス島にかけて生息している種類。パステルカラーのトサカが華やかです。

熱帯温室バイオリウム

併設されたバイオリウムという温室も見学することができます。サボテンや熱帯植物が栽培方法された空間は、コンパクトながらも見応え抜群。バオバブといったレア植物も観察することができます。

見学していると、なんとラフレシアを見つけました!!さすがに実物ではなく模型ですが、リアル植物の中で見るとリアリティたっぷり。あらためてその大きさに驚かされます。

温室内には大きなケヅメリクガメも。餌をはむはむしながらのっそりと歩く姿がたまりません。

檻の中にはワオレムールクロレムールといった動物も。レムールという名前にピンとこなかったのですが、キツネザルのことでした!ちなみにレムールはラテン語で「おばけ」を意味するそう。あまり怖い要素は無いように感じますが、アイアイみたいに縁起が悪い生き物とされてたりするのでしょうかね。

他にも、ナギナタナマズ(ナイフフィッシュ)、桂矮鶏(カツラチャボ)、スナネズミなどの生き物も飼育しています。ちょっとした動物園感覚での訪問もおすすめです。

とりあえず、無料とは思えないクオリティの博物館でした!お隣の「馬事公苑」とともに、人と動物の関わりを感じてみてはいかがでしょうか。

アクセスと営業情報

小田急線「経堂駅」または「千歳船橋駅」から徒歩20分。「JRA馬事公苑」の隣なので、合わせての訪問もおすすめです。

開館時間 9:30~16:30
休館日 日曜、月曜、祝日
料金 無料
公式サイト https://www.nodai.ac.jp/campus/facilities/syokutonou/

※掲載の情報は2024年3月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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