東京国立博物館① 重厚な建築に広がる日本ギャラリー『本館』(台東区)

東京都(23区)

東京国立博物館、略して東博(トーハク)。本館・東洋館・表慶館・法隆寺宝物館・平成館と5つの博物館が集まったてんこ盛りなミュージアム。今回の記事では日本の『本館』を中心にご紹介させていただきます!

訪問日:2023/1/8(日) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

日本最古の博物館

トーハク(東博)こと東京国立博物館は1872年(明治5年)に開催された博覧会をルーツにもつ、日本最古の博物館。最初に造られた「本館」を中心に、「東洋館」「表慶館」「法隆寺宝物館」「平成館」と5つの博物館が集まるてんこ盛りなミュージアムです。

<ざっくり展示内容>
本館:日本国内の美術品・工芸品
東洋館:中国、インド、エジプトなどアジア諸国を中心とした美術品
平成館:ハニワや土偶などの考古品、企画展示
表慶館:企画展示
法隆寺宝物館:仏像など法隆寺に伝わる古美術

入館料は総合文化展観覧料1,000円。チケットにはランダムで美術作品が映し出されるため、何が出るかで楽しめます。

このチケットで、先ほどの5つの博物館は全館入ることができます。どれだけ見ても同じ料金なので、時間がたっぷりあるときに訪れるのがおすすめ。ということで、まずは「本館」のご紹介からスタートしますね!

※東洋館のミュージアムシアターは別途600円、さらに企画展示によっては別料金が必要な場合もあります。
※以前は金曜と土曜は20:00まで開館延長しておりたっぷり過ごせましたが、2023年1月現在、夜間会館は中止となっております。

重厚な建築の本館

1937年竣工の本館。洋風建築に東洋風の瓦屋根をのせた重厚な外観で、このような建築様式を「帝冠様式」と呼ぶそうです。

もともとはイギリス人建築家ジョサイア・コンドルの設計した建物でしたが、関東大震災の影響で使用不能に。コンペ形式で新たな建設が行われ、建築家・渡辺仁による案が採用されました。

入館者を出迎えるのは大階段。『半沢直樹』をはじめとしたドラマやCMなどでの撮影でもおなじみの人気ポイントです。

大階段の上部には、まるで装飾の一部であるかのような大時計が。大理石を浮き彫りにした華麗なデザインで時を刻み続けています。

日本美術の流れが掴める展示

2階に10部屋ある展示室は「日本美術の流れ」という大きなテーマのもとで並んでおります。美術の知識が無くても、歴史博物館のような感覚で楽しめるので、まずはここから見てみるのがおすすめ。

最初は縄文、弥生、古墳時代といった古代から。縄文土器や埴輪といった古代の出土品が並びます。

飛鳥時代に入り、仏教が本格的に日本に伝わると、美術へも大きな影響を及ぼします。仏像や仏具の制作、経典の書写が行われ、仏教美術が発展していきます。平安時代にはそれまで大きく影響を受けていた唐から脱した日本独自の美意識が。

鎌倉時代に栄えた「禅と水墨画」、戦国時代の「茶の美術」、さらには甲冑や刀を集めた「武士の装い」など、武家政権ならではの美意識が強い影響をもたらします。そして、太平の世が訪れた江戸時代へ進むと、より華やかな作品が多数生まれていきます。・・・といった具合に各時代ごとの美術が並んでおり、順番にめぐっていくと日本美術の流れをざっくりと把握することができます。

続く1階の展示室は、彫刻・漆工・刀剣などジャンルごとに分かれた展示。流れを掴んだ後は、興味の赴くままに見て行くのが良さそうです。

惹きつけられる作品群

ここからは私が気になった作品を一部ご紹介させていただきます!

源頼光一行が大江山に潜む鬼「酒呑童子」を退治するストーリーが描かれた『酒呑童子図扇面』。36面に及ぶ中で、12面ほどが展示されています。各場面の解説もあるので、読みながらストーリーが楽しめる展示です。

放射状に伸びた後立がインパクト抜群な『一の谷馬藺兜』。ヒノキでできたこの板は、あやめの一種である馬藺(ばりん)を模しているそう。なんと、豊臣秀吉の兜として伝わっているものだそうです。

俵屋宗達の後継者である俵屋宗雪の『龍虎図屏風』。左に虎、右に龍が描かれた迫力ある屏風絵です。龍が荒波を舞うよな躍動感あふれる姿で表現されているのに対して、虎は川辺で毛づくろいというオフショット風な姿。この対比は、何かを意味しているのでしょうか。

たくさん並んだ『根付』は、印籠や烟草入れに付けるもので、江戸時代に流行しました。七福神や亀などの縁起物が多く、験担ぎのストラップみたいなイメージのものです。

フタのある扇形の織部焼『織部扇形蓋物』。緑釉と鉄絵具の色合いが渋く落ち着いた雰囲気で、ずっと眺めていられそうです。こちらは江戸時代に作られたものだそう。

江戸時代、京焼の大成者といわれる野々村仁清によって造られた『色絵牡丹図水指』。4分割された周りにはそれぞれ趣の異なる牡丹が描かれているため、見る角度によって雰囲気が変わります。

日本の近代彫刻の父として知られる荻原守衛の作品『北条虎吉胸像』。強い眼力を放ちますが、どこか悲しそうにも見えてきます。この虎吉という人物は、守衛の兄の友人であるそう。

見学所要時間と感想

2回目の訪問であったため、閉館間際の1時間ほどで見学しましたが、全然時間が足りませんでした。さらっと見るだけでも1時間、じっくり派は2時間以上は見ておいた方が良いです。

もし他の棟も見る予定の方は、時間配分に注意が必要です。私の体感ですが、本館2時間、東洋館2時間、平成館30分、表慶館30分、法隆寺宝物館30分くらいが最低ラインかな、といった感じです。

また、本館のミュージアムショップはラインナップが豊富なので、ここでも時間が必要になるかもしれません・・・!

膨大な展示作品、多数の国宝など展示内容についてはとにかく圧巻。そして、何より凄いのは展示品の写真撮影が可能というところ。

一部例外もありますが、基本的に自由に写真に撮ることができるのです。貴重な文化財をパシャパシャ撮るのは少し躊躇われますが、記憶に残すために写真を撮っておきたい私みたいな人にとってはとても魅力的なポイントです。

アクセスと営業情報

JR上野駅公園口、または鶯谷駅南口より徒歩10分。東京メトロ銀座線・日比谷線の上野駅からは徒歩15分。

開館時間 9:30~17:00 ※金土に行われていた夜間開館は2023年1月時点では中止となっています
休館日 月曜 ※祝日の場合は翌日
料金 1,000円
公式サイト https://www.tnm.jp/

※掲載の情報は2023年1月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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