圧巻の建築美とYBAの展覧会『国立新美術館』(港区・六本木)

東京都(23区)

広大な床面積の国立新美術館は、コレクションを持たない美術館。常設展はありませんが、常に人気の企画展を開催しています。今回はイギリスの90年代を中心としたモダンアート展「テート美術館展」を見にいきました!

訪問日:2026/3/14(土) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

巨大なアートギャラリー

六本木駅から少し離れたところに立つ国立新美術館は、2007年に日本で5館目の国立美術館としてオープンしたアートミュージアム。

波打つようなガラスがインパクトある外観です。この建築を担当したのは黒川紀章。「中銀カプセルタワービル」や「福井県立恐竜博物館」、「広島市現代美術館」など、数多くのミュージアムを手掛けてきた建築家です。

そして、シンボルマークのデザインは佐藤可士和。「ユニクロ」のロゴや「カップヌードルミュージアム」のトータルデザイン、そして「ケボ&モッチ」でおなじみです。ケボ&モッチ、みなさん知ってますか・・・?

圧倒的なスケール感

館内に入ると飛び込んでくるのは巨大な吹き抜けの大空間!床面積は日本最大級の美術館なのです。

この大空間には逆円錐の形をした印象的な構造体が浮かんでいます。未来都市を想起させる2つの構造体は、それぞれカフェとレストラン。この雰囲気、京都駅を彷彿とさせる仕上がりですね。

もうこれだけで満足感を得られるほどであり、巨大なインスタレーションと呼んでも受け入れられそう。まさに建築そのものを楽しめる美術館です。

この美術館、通常の開館時間は18:00までですが、金・土曜日に限り20:00まで開館しております。土曜の18:00過ぎに訪問したところ、とっても静かな館内でした。

コレクションを持たない美術館

通常の美術館は収蔵品があり、常設展示やコレクション展を行っていますが、国立新美術館はコレクションを持たない美術館。時期によって異なる企画展のみが開催されています。そのため、英語表記でも『ミュージアム』は名乗らず、『アートセンター』としているそうです。

今回開催されていたのはこちらの展覧会。

テート美術館 - YBA&BEYOND 世界を変えた90s 英国アート
2026年2月11日(水・祝) ~ 2026年5月11日(月)

YBAというのは、1980年代後半に既存の美術の枠組みを刷新しようとした「ヤング・ブリティッシュ・アーティスト」のこと。この企画展は、1980年代後半から2000年代初頭にかけて制作されたモダンアートに焦点を当てた企画展なのです。

あ!blurだ!!!

このデザインを見て、きっと同じことを思った人も多いはず!イギリスのロックバンド「blur(ブラー)」のベストアルバムのジャケットにそっくりな作品。考えてみれば、90年代のイギリスといえばブリットポップ全盛期。音楽に関わる作品もあるハズ、そんな期待を込めて見に行くことを決意しました。

そんなわけで、ここからは私が気になった作品の一部を勝手にご紹介させていただきますね!

イギリスの現代アート作品

強いリーダーシップでイギリスの経済と社会を大きく作り替えた「サッチャー政権時代」(1979-90年)を経て、既存の美術の枠組みから外れて実験的な試みをする作家たちが数多く登場します。

来館者を出迎えるのはフランシス・ベーコン《1944年のトリプティク(三幅対)の第2ヴァージョン》。濃い赤を基準とした絵画、描かれるモチーフはインテリアのように見えて人体と同じパーツを持っています。1990年代半ばからはじまるロックムーブメント「ブリットポップ」へも強い影響を与えたそうです。

ダミアン・ハースト《後天的な回避不能》は、ガラスで囲まれた部屋に長テーブルと回転イス、テーブルには灰皿とタバコとライターが置かれた不思議な作品。人間がサイクルの中でしか生きられないことを暗示しているそうですが、スペース的にイス座ることができないのです。イスと反対側にはスペースがあるのに・・・これも何かを意味しているのでしょうか。

イギリスの国旗ユニオンジャックを改変したクリス・オフィリ《ユニオン・ブラック》。白青赤のカラーリングを緑赤黒に置き換えた大胆な作品です。この色合いは、レゲエに深く関わるラスタファリズムを感じます。

ディノス・チャップマン、ジェイク・チャップマン《戦争の惨禍》はフィギュアがずらりと並ぶ立体的な作品。ファンタジックに見えて、描かれるのは戦争の残虐なシーン。戦争を遠くから俯瞰する、メディアの発展も意味しているように感じます。

太字で書かれているのは「ACID HOUSE」と「BRASS BANDS」。それをつなぐように様々なテキストが記されています。「Electro」「Techno」から音楽ジャンルの派生を書いたかと思いきや、「KLF」や「808 state」などグループ名も。

この作品はジェレミー・デラー《世界の歴史》。炭鉱労働者の連帯を強化した「ブラスバンド」、若者の一体感を育んだ「アシッドハウス」、2つの音楽を結びつけるというもの。デラーは、実際に2つの音楽を組み合わせたアシッドブラスというプロジェクトも行っているそうです。

例のblurが登場しました!こちらはジュリアン・オピー《ゲイリー、ポップスター》。ロック好きはもうピンとくる、ブリットポップのバンドblurのジャケットも手掛けるアーティスト、こちらは架空のポップスターを描いたものです。

コーネリア・パーカー《コールド・ダーク・マター:爆発の分解イメージ》は、木材や日用品など、様々なものが吊るされた大きなインスタレーション。タイトルから察するに、小屋が爆発した瞬間を再現しているのでしょうか?

撮影禁止でしたが、多数の映像作品も展示されていました。

クラブカルチャーを映した映像作品マーク・レッキー《フィオルッチは私をハードコアにした》、二人の男性が全裸で絡み合うスティーヴ・マックイーン《熊》、そして10代の頃の苦しみを語る女性を描いたトレイシー・エミン《なぜ私はダンサーにならなかったのか》。シルヴェスターのヒット曲「ユーメイクミーフィール」で踊る姿を観てから、この曲が私のなかで特別なものになりました。

さてさて、最後の1枚はこちらの作品。

壁に貼られたのはレシート!しかもファミリーマート地下鉄六本木駅店!

こちらはシール・フロイヤー《モノクロームのレシート(白)》という作品。レシートに記載されているのは、「カルピスウォーター」「雪見だいふく」「伯方の塩」「片栗粉」…。これらの項目にはシンプルな共通項があるのですが、わかったでしょうか?正解は、作品タイトルを見れば一目瞭然です!

アクセスと営業情報

– 東京メトロ千代田線「乃木坂駅」青山霊園方面改札6出口(美術館直結)
– 東京メトロ日比谷線「六本木駅」4a出口から徒歩約5分
– 都営地下鉄大江戸線「六本木駅」7出口から徒歩約4分

開館時間 10:00~18:00 ※金土は20:00まで
休館日 火曜
料金 展覧会によって異なる
公式サイト https://www.nact.jp/

※掲載の情報は2026年2月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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