ピカソセラミックスが集まる美術館『ヨックモックミュージアム』(港区・南青山)

東京都(23区)

ヨックモックが運営する、ピカソ作品を多数展示した美術館。ここで見ることができるピカソ作品は、一般的に知られる絵画作品ではなく陶器作品。他の美術館ではあまり見かけないピカソセラミックスをたっぷり堪能できるミュージアムです。

訪問日:2024/3/2(土) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

ヨックモックの美術館

ヨックモックミュージアム、その名を聞くと洋菓子のシガールやラングドシャがずらりと並び、その製造過程や歴史を学べる施設が頭に浮かびますが、ここはそういった企業の商品PRミュージアムではありません。

ここは、ヨックモックが30年以上かけて収集したピカソの陶器作品を中心に展示する美術館。2020年10月25日の開館から、コレクションを様々な展覧会として展示しています。

1階がカフェとミュージアムの受付。コインロッカーもあります。階段を降りた地下が展示室。間接照明に照らされた階段はわくわくしますね。

充実のピカソコレクション

コレクションのメインとなるのがピカソ作品。ピカソといっても絵画ではなく、ここで見ることができるのはセラミック(陶芸作品)。ピカソ本人が仕上げた「オリジナル作品」と、ピカソ監修のもとマドゥーラ陶房の職人が仕上げた「エディション作品」など、様々な作品が展示されています。美術館の開館日もピカソの139回目の誕生日に合わせているというこだわりぶり。

地下の展示室は控えめな照明の中で作品が並ぶ落ち着いた雰囲気。

順路に進むとエレベーター2階の展示室へ。こちらは大きな窓で開放的な雰囲気。20分ほどの映像作品も見ることができます。

イスに座って記念撮影ができるフォトスポットもあります。館内は映像作品以外はほとんど全て撮影OKというのも嬉しいです。

生き物がテーマの作品

2023年10月24日(火)~2024年9月23日(月)の期間は「ピカソ いのちの讃歌」という展覧会を開催。「ピカソと闘牛」「ラ・パロマ ー鳩への思いー」「フクロウ ー豊かな瞳ー」など、5つのセクションに分かれた展示が広がります。

生き物をテーマにした作品が多く、親しみやすい雰囲気。こちらは、幼い頃からモチーフとして描いてきた闘牛を描いた《牡牛を槍で突く闘牛士》(1953年)。中央に描かれた闘牛士と牡牛、周囲には観客が描かれており、器そのものが闘牛場を表していることがわかります。

一方、こちらはフクロウそのものを立体化したような作品《梟》(1953年)。独特なカラーリングと文様は、エスニックな雰囲気も纏います。

《鳥と魚》(1955年)は、2色に絞られたカラーリングがシンボリック。上半分は鳥、下半分はサカナが描かれておりますが、いずれのモチーフもデザイン化されています。

こちらは何をモチーフにしているかわかりますでしょうか?

正解は《ウニ》(1955年)。バフンウニタイプのウニであり、釉薬によって表された海のような青緑色も美しさを引き立てます。

インパクトのある顔

ピカソらしいインパクトのある作品が、《グリッドのある顔》(1956年)と、奥の《四角い顔》(1956年)。ぎょろっとした目つきは、こちらを見られているような気分になります。目や口など顔のパーツはラフな感じですが、グリッドはきっちりと正確。その対比もまたユニークです。

一方、こちらの《黒い顔》(1948年)は、どこかコミカルな雰囲気。まるでマスコットマークのような親しみやすさがあります。

ギリシャ神話に登場する羊飼いと羊の群れを監視する神様「牧神パン」を描いた《牧神パンの頭部》(1947年)。2本のツノと尖った耳が特徴の半人半獣の神様で、これ以外にも多数の作品に登場します。

陶器ときくと少々渋いイメージがありましたが、ピカソ作品はやはり目を引く魅力があります。ピカソやアートにそれほど造詣が深くないという方でも、刺激的な作品群を鑑賞していると、得る物があるのではないでしょうか。

アクセスと営業情報

東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線「表参道駅」のB1出口から徒歩9分。

開館時間 10:00~17:00
休館日 月曜(祝日の場合は開館)、年末年始、展示替期間
料金 1,200円
公式サイト https://yokumokumuseum.com/

※掲載の情報は2024年3月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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