狛犬ならぬ狛牛!?牛と関わりの深い古社『牛嶋神社』(墨田区)

東京都(23区)

その名の通り牛と関わりの深い神社。境内には「撫牛」をはじめとした牛の像が置かれており、牛に対する信仰を今も伝えています。神社と牛、いったいどのような関わりがあったのでしょうか?

訪問日:2026/3/15(日) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

公園内にある神社

牛嶋神社は貞観年間(859年 – 879年)に創建された歴史のある神社。慈覚大師こと円仁がこの地に訪れた際に、須佐之男命の化身の老翁から神託を受けて建立しました。

明治以前は「牛御前社」と呼ばれており、本所の総鎮守であったそうです。元々は現在の位置より500mほど北、現在の桜橋付近に位置していましたが、大正12年(1923年)の関東大震災で罹災。墨田堤の拡張工事に伴い、昭和7年(1932年)に現在地に遷座されました。

芝生広場や瓢箪ひょうたん池のある墨田区立隅田公園に隣接しております。周辺にはのんびりしている人も多く、のどかな雰囲気です。

三ツ鳥居と立派な社殿

本殿前の鳥居は、明神鳥居の両脇に、2つの鳥居が組み合わさる珍しい形態。三ツ鳥居(三輪鳥居)と呼ばれる形式で、奈良県桜井市にある大神神社に代表される鳥居です。

立派な社殿は、本殿・弊殿・拝殿からなる権現造りスタイル。横から見ると、かなり大きな建築です。

この社殿は地元の棟梁・石川梅吉によって建築され、昭和7年(1932年)に竣工しました。銅板瓦葺きの屋根は、鮮やかな緑青色に輝きます。

境内で見つけた牛

境内には「撫牛」と呼ばれる牛の像があります。くるんとした角は、少しだけ羊みたいにも見える姿。文政8年(1825年)頃に奉納されたもので、自分の体の悪い所と同じ部分を撫でると病気が治ると言い伝えられています。

撫牛から少し離れた場所にも、また別の牛の姿が。この牛が置かれているのは包丁塚。食肉・料理関連団体によって建立されたようです。

拝殿に向かって左側にも牛の像。狛犬のように、鋭い目つきをしています。

神楽殿はなんと大型ディスプレイを搭載しています。そこに映されているのは映画『黒の牛』。監督:蔦哲一朗、主演:リー・カンション、音楽:坂本龍一という、2026年1月23日に公開された作品です。

ここでは約15分のアート版として上映。2025年11月7日~2026年2月28日の期間限定とのことですが、3月15日でもまだ見ることができました。

牛との深いかかわり

名前に牛と付き、境内には牛の像がたくさん。牛といったいどのような関わりがあるのでしょうか?

今でこそ面影はありませんが、かつて墨田区の南部は湿地帯でした。人が住むには適さない土地であったため、文武天皇の時代(701年〜704年)、この地には国営の牧場が設置されていたそう。

大宝元年(701年)の大宝律令にて「厩牧令(くもくりょう)」が出されると、官牧の「浮嶋牛牧」が設置されます。ときは進み明治時代には牛乳の需要増加により乳牛が多数飼育されていました。

そんなわけで、古代〜近代にかけてずっと牧場があった、牛と関わりの深い土地だったのです。

現在ではまったく牧場のイメージがありませんが、近代化に加えて、この辺りは幾度となく災禍に見舞われていることもその要因として考えられます。そんな墨田区の歴史については次回の記事にて!

なお、境内を散策していると、「建長3年(1251年)に牛鬼が社中を走り回り、落とした牛玉を神宝とした」という伝説も見つけました!牛鬼という妖怪は、「頭が牛で身体が蜘蛛」であったり、「頭が牛で身体が鬼」であったりといろいろなタイプが伝わっています。西日本に多く伝承が残っていますが、その多くは水辺に関わるものが多いです。

鳥取県境港市「水木しげるロード」にて

かつて湿地帯であったこの地でも、水辺の恐怖を伝えるために生まれたのかもしれませんね・・・といいたいところですが、社中を走り回っただけだとあまり恐怖が無いような気もします。

アクセスと営業情報

都営浅草線の「本所吾妻橋駅」より徒歩10分、または東武スカイツリーラインの「とうきょうスカイツリー駅」より徒歩10分。

開門時間 24時間(たぶん)
料金 無料
公式サイト http://www.tokyo-jinjacho.or.jp/sumida/5692

※掲載の情報は2026年2月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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