プラネタリウムと貯水池の歴史『東大和市立郷土博物館』(東大和市)

東京都(市町村部・多摩地区)

東大和の自然・歴史・民俗について展示しているミュージアム。狭山丘陵の成り立ちや村山貯水池の建設、郷土の画家・吉岡堅二など、バリエーション豊かな展示がそろっており、小規模ながらも内容は充実。シルバーに輝くプラネタリウムも備えています!

訪問日:2026/6/13(土) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

東大和市の博物館

多摩モノレールの終点、上北台駅から2kmほどのところに建つ東大和市立郷土博物館。住宅街の中に突然あらわれるこちらの施設は、東大和市の自然や歴史について学ぶことができるミュージアム。

広々としたエントランスホール。自販機とちょっとした椅子のスペースもあったりします。

階段を登った2階が展示室。入館料は無料!そして誰もいません!!静かすぎてドキドキしてきました。

緑の孤島・狭山丘陵

東大和市の北部に広がる狭山丘陵は、青梅より流れる川による侵食と隆起によってできあがった丘陵地帯。ジオラマで見ると、まるで「緑の孤島」のような姿をしています。

狭山丘陵の成り立ちを紹介する映像コンテンツもあります。フクロウが案内してくれる内容、レトロなCGに目が釘付けです。

発掘された遺跡の分布により、この地には二万年前くらいから人類が住み始めていたことがわかっています。館内には遺跡の発掘現場の再現もあります。

八幡谷戸遺跡や多摩湖遺跡群など、周辺の遺跡の出土品もずらり。ナイフ型石器や打製石器、矢に付ける石鏃、さらには縄文式土器などが展示されていました。

中世の展示もあります。豊鹿島神社本殿の「木製狛犬」の複製や、都内最古とされる「本殿」の1/10模型なども。この神社については明後日の記事で書きますね!

村山貯水池の建設

明治時代に江戸が東京になると大事件がおきます。人口増加した東京の人々の生活をささえる「貯水池」建設の計画が立ち上がるのです。いくつかの候補地が調査・検討される中、狭山丘陵への建設が決定。都心から近く、谷を持つ地形が貯水池に適していたなどの理由がありました。

これにより、160戸の家が立ち退きに。移転補償額の低さからほとんどの村人は不満を抱き、最後まで立ち退きに応じなかった人々が住んでいた場所は「強情島」と呼ばれていたそう。補償額の引き上げを求め、東京市にあてた上申書も展示されています。(※Wikipediaには「買収価格は当時の村民の収入からすれば高額だったため、反対者は少なかった」という記載があり、ちょっと食い違ってます)

こちらはタコという村山貯水池工事の際に地固めに使った道具。周りにくくられた紐を複数人で引くことで持ち上げて使用し、その姿が生き物のタコに似ていたことからこのような名前に。サイズは様々、こちらは12人用の75kg。

タコを使用している現場写真も掲示されていました。なるほど、こうやって持ち上げっては打ち付けていたのですね。でもこのサイズであれだけの規模の工事を行うのは、相当な回数が必要だったのではないでしょうか。改めて人力による工事の大変さを実感します。

完成した貯水池に設置されている取水塔の模型も展示されています。レトロな姿が撮影スポットとして人気な風景。こちらは飾りではなく貯水池から水を引くための施設。水質や水温の安定した水深から水を採取しています。断面図になっているため、わかりやすい!

食にまつわる道具たち

ユニークなのが、食事に関連する古道具の展示。食事という身近なテーマであるため、イメージしやすい内容です。

こちらの大きなカプセルはムシカマド。フタを開けると、中には御釜が入っています。熱効率が良く、保温性も高いそう。

この地域は水田が少ないことから麦を作っていました。特にうどんはハレの日に好まれていたメニュー。麺を打つためのメンボウノシイタセイメンキが並んでいます。

ずらりと並んでいるのは黒漆や朱塗りのお椀。かつては近隣の家々が「組」や「講」といったグループを組み、冠婚葬祭の食器などを共同で管理していたそう。隣近所との濃厚なコミュニケーション、現代ではなかなかイメージしづらいですね!

郷土の画家・吉岡堅二

展示室の一角、靴を脱ぐポイントがあります。ここは郷土の画家、吉岡堅二のコーナー。明治39年に東京市の本郷に生まれた堅二は、《奈良の鹿》で、わずか24歳にして帝展特選となります。

昭和19年に大和村(現在の東大和市)に転居、東京藝術大学で教鞭を取りつつ創作活動を続けていきます。西洋と東洋を融合させた日本画を追求し続け「伝統日本画の亡霊と闘う画家」と評され、昭和の前衛日本画に大きな足跡を残しました。

こちらは《カッパドキアの壁画模写ー栄光のキリスト》という作品。東京藝術大学中世オリエント遺跡学術調査団としてトルコのカッパドキアへもわたっております。

馬を題材とした作品も多数制作しております。シンプルながらも馬の美しさと力強さを感じることができる作品です。

銀色に輝くプラネタリウム

この郷土博物館はプラネタリウムを備えています。シルバーに輝くドームは存在感抜群!

入館料は無料の博物館ですが、こちらは別途300円が必要。座席は肘置きのレバーでリクライニングするタイプ。中央に配置された投影機は「MEGASTAR-2B」。

上映プログラム、訪問時(2026年6月)は「すみっコぐらし」と「台風」の2択。初めて見かけた台風が気になったので、13:00の回で見ていくとこにしました。

最初は自動音声による季節の星空の解説から。うしかい座の「アルクトゥルス」からはじまり、夏の大三角形、天の川と織姫&彦星など、夏の星座が次々と紹介されていきます。

後半が台風について。ギリシャ神話の怪物テュホーンが由来という話からはじまり、発生のメカニズムや天体の運動との関連などが語られていきます。ちょっとしたトリビアもあり、誰かに話したくなる内容でした!

お次は、博物館のすぐ裏にある「奈良橋八幡神社」へと向かいます!つづく。

アクセスと営業情報

開館時間 9:00~17:00
休館日 月曜、翌祝、年末年始
料金 無料 ※プラネタリウムは300円
公式サイト https://www.city.higashiyamato.lg.jp/bunkasports/museum/index.html

※掲載の情報は2026年6月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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