森の中にひっそりと咲くヒガンバナ『高幡不動』(日野市)

東京都(市町村部・多摩地区)

東京でヒガンバナを見るなら高幡不動がおすすめ。都心からのアクセスも良く、木々に囲まれて咲き誇る花の姿を見ることができます。ちょっとした山道を歩くことになるので、動きやすい服装がおすすめです。

拝観料:無料

※ヒガンバナを見に行く予定の方は歩きやすい靴&飲物&タオル&虫除けを忘れずに!

訪問日:2019/09/08(土) ※掲載内容は当時のものです

高幡不動へのアクセス

最寄り駅は京王線の高幡不動駅。調布の先というと都心からかなり遠く感じますが、新宿駅から特急に乗れば所要時間は30分ほど。IC運賃は319円とかなりアクセスしやすいところにあります。

高幡不動駅
高幡不動駅に到着。特急停車駅ということもあり、駅前はお店も多くにぎわっている印象。先ほどまで降っていた雨も止み、少し日が射してきました。

高幡不動は駅の南口から徒歩3分ほど。駅前には参道のゲートがあるので、迷うのは困難です。高幡不動参道

多くの伽藍が並ぶ寺院

高幡不動の正式名称は金剛寺。空海を開祖とし、京都市東山区にある智積院を総本山とする真言宗智山派の寺院。成田山新勝寺とともに関東3大不動に数えられています。

ちなみに3大不動の3つ目は埼玉県の不動ヶ岡不動尊や、神奈川県の大山不動尊など諸説あり、正確には定まっていないそう。3大〇〇が3つではないのはよくあることです。

出迎えるのは金剛寺仁王門。立派な木製の楼門で、室町時代後期に造られたと考えられています。

金剛寺仁王門

続いて目に入るのは不動堂。この高幡不動は、平安時代に山中に不動堂を建立し、そこに不動明王を安置したことにはじまります。この不動堂はもともと山上にあったのですが、建武2年(1335年)の台風で倒壊。康長元年(1342年)に楼門をくぐってすぐのこの位置に移築されました。

不動堂

五重塔もあります。高さ39.8mと、かなり立派な塔です。中に入ることはできませんが、存在感は抜群です。夜にはライトアップもされているらしいです。

五重塔

日野といえば「土方歳三」

こちらの人物をご存知でしょうか。

土方歳三

この方は新撰組の副長である土方歳三。幕末ファンはもとより、近年では歴史を舞台にしたゲームやアニメにも登場することが多く、幅広い世代から知名度を得ている歴史上の人物です。

そんな土方歳三は、ここ東京都日野市出身。この高幡不動は土方歳三の菩提寺でもあるそう。境内にある売店では、それにあやかった「土方歳三まんじゅう」や「歳三うどん」などを販売しています。

境内にある売店

高幡不動駅から延びる参道には池田屋というお店が。池田屋といえば、京都の旅館池田屋に潜伏していた尊王攘夷派の志士を新選組が襲撃した事件「池田谷事件」が頭に浮かびます。

池田屋
看板には「池田屋へ向かえ 三階だ!!」の文字。どうやら新撰組グッズのお店らしいです。

余談ですが「新選組」「新撰組」と2つの漢字表記がありますが、どちらも正しいそう。実際の隊士も両方の表記を使っていたそうです。

意外とハードな「山内八十八ヶ所巡り」コース

五重塔の裏手にある高幡山には、山内八十八ヶ所巡りコースがあります。四国八十八ヶ所を模した参拝の道で、コース上には八十七体の弘法大師像が並びます。なお、最後の1体となる八十八体目は五重塔の後ろにあります。

山内八十八ヶ所巡りコース

このルートは山アジサイ園となっており、6月には様々な種類のアジサイの花を楽しむことができるそう。

山アジサイ園
アジサイもすっかり終わってしまったこの季節に高幡不動に来た理由は、ヒガンバナ。近年、高幡不動ではヒガンバナを植えており、9月になると真っ赤に染まる光景を見ることができるのです。

コースの序盤にも数株の花を見ることができますが、もっと奥地に進むと、広がる花畑が待っています!

ヒガンバナ

山の中にひっそりと咲くヒガンバナ

徐々に山道はハードに。足元はサンダル、飲物もナシという軽装で来てしまったのでかなりキツい。さらに、今日は台風が接近しているため、物凄い湿気で汗が全然乾きません。
もしヒガンバナを見に行く予定の方は、歩きやすい靴、タオル、飲み物、虫除けスプレーの持参をおすすめします。9月はまだまだ暑いです。

途中には見晴台も。広がる町並みを眺めると、そこそこな高さまで登ってきたなーと実感してきます。登山しているような気分になってきました。

見晴台

見晴台から少し下ったところ、ついにヒガンバナ植栽地を見つけました!

ヒガンバナ
山の中、ぽっかりと森が開けた場所に、真っ赤なヒガンバナたちがひっそりと集まっています。この広場は馬場跡。このあたりはかつて高幡城があった城跡らしいです。

ヒガンバナ2
ヒガンバナって真っ赤な配色と繊細な花のカタチが恐ろしいほど美しい。

彼岸花という名前も幻想的で素敵なのに、別の呼び名である曼珠沙華(まんじゅしゃげ)リコリスといった名称もそれぞれ印象的。ヘクソカズラやクソニンジン、イヌノフグリといったかわいそうな名前が付けられてしまうこともある植物界において、すでに勝ち組感が漂います。古来より、人々にとって魅力を感じる植物だったのでしょうね。

見た目や名前もさることながら、その生態はさらに特徴的。多くの植物が葉を広げ、花を咲かせる春~夏は地表には姿を見せません。秋になると花だけが突然咲き、そして花の枯れる晩秋から冬に緑色の葉っぱが姿を現します。

大日堂の裏手
広場からそのまま下って行くと、墓地にたどりつきました。そのまま墓地を抜けて道沿いに進んでいくと、大日堂の裏手につながります。山道を避けたい方は、このルートで向かうと比較的歩きやすい道でアクセスできます。ただし、境内入口からはそこそこ距離があるので、歩く距離は大差ないかもしれません。


ヒガンバナの株は、これからも増やす予定だそう。まだヒガンバナの名所としては知名度が低いですが、いずれ有名な場所になっていくのではないでしょうか。

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