江戸時代から続く歴史とヒグマの恐ろしさ『苫前町郷土資料館』(苫前町)

道北

江戸時代より倭人によって支配されてきた苫前(とままえ)の歴史を知ることができる資料館。館内にはヒグマの剥製がたくさん!あの「三毛別羆事件」に関する展示もあります。みなさまこの事件、ご存じでしょうか?

訪問日:2026/7/19(日) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

旧庁舎を活用した資料館

焼尻島・天売島をめぐり、海鳥センターと郷土資料館にも立ち寄り、羽幌炭鉱までめぐってと思いっきり楽しんだ羽幌町。今日の宿は富良野で予約しているので、少しずつ南下していきます!

途中、苫前町(とままえちょう)にて立ち寄ったのが苫前町郷土資料館。ここは苫前村役場の旧庁舎を活用した施設です。

昭和3年に建てられた洋風建築は、木造モルタル平屋建。昭和56年に新庁舎が完成すると、旧庁舎は保存されて郷土資料館に生まれ変わりました。

入館料は310円。靴を脱いでスリッパで入るタイプの資料館です。開館時間10:00~17:00、そして開館期間が5月1日~10月31日と定められているので、冬に訪れる際はご注意ください。

江戸時代から続く苫前の歴史

郷土資料館で学べるのは苫前町の歴史。

もともとアイヌ語でトママイと呼ばれていた土地であり、記録に現れるのは江戸時代から。江戸時代の初頭に松前藩が成立すると、工藤家の支配地となり、アイヌとの交易が行われていました。

幕末になると、幕府領となります。当初は秋田藩が警備にあたっておりましたが、後に庄内藩の領地へ。明治に入り蝦夷地が北海道となると、苫前郡に改称し水戸藩の支配へ。明治4年に水戸藩の支配が終わると、次は開拓使の管轄地へ。明治5年には開拓使留萌庁の苫前出張場が置かれていました。

そんな苫前町に発展をもたらしたのが、明治20年代頃に始まったニシン漁。多数の入植者が訪れ人口も増加、農地開拓も本格的に進められます。

歴史を感じる様々な展示物

農具や漁具など、多数の民具もたっぷりと展示されています。簡単な解説が添えられているもの多く、知識が無くても楽しめる雰囲気。

古丹別消防組と記された消防具。赤色にゴールドの装飾デザインがかっこいいです!ところで、これって何か名称あるのでしょうか?気になって調べて見たところ、このような手押しの消防ポンプを「腕用(わんよう)ポンプ」と呼ぶそうです。

ニシン漁場を再現した模型では、「背負モッコ」を担いだ人々がたくさん!陸地部分にも乾場が設けられています。

ずらりと並ぶのは様々な樹木の断面。シラカバ、トドマツ、イタヤ、ハルニレなど、北海道らしい樹種がそろっています。

旧町長室も建設当時のままの姿で保存されています。シャンデリアが下がる、当時では珍しい洋風建築のモダンな雰囲気。

ずらりと並ぶヒグマの剥製

展示を見ていて気になるのはヒグマの剥製。あちこちに置かれた剥製は、全部でおよそ13頭ほど。

入口で来館者を出迎えるのは「渓谷の次郎」と名付けられたヒグマ。昭和60年にハンター2名によって射止められた、体重350kgの大きなヒグマです。

「北海太郎」は昭和55年に射止められた大きなオスのヒグマ。体重500kg、体長は2.43mにも及びます。

ヒグマの生態や習性に関する展示もあります。お皿にのったヒグマのフン、どこかで見かけたときに警戒できるように覚えておきたいですね。

そんなヒグマに混じっているのがトド!1989年に海岸に打ち上げられたものです。隣でズッコケているマネキンからも、その大きさを体感できます。

恐ろしいヒグマの事件

三毛別羆事件、この名を知っている方はどれくらいいるでしょうか。

大正4年12月9日〜10日に発生した、日本史上屈指の被害が出た獣害事件。町内の三毛別という場所で冬ごもり前の一頭のヒグマが空腹から凶暴性を発揮し、3人が重傷、7人の命が奪われました。

Wikipediaに非常に詳細に書かれているため、「Wikipedia文学」のひとつにも数えられています。

ここでは、ヒグマ事件の経過、襲撃の経路、当時の新聞などが展示されています。

圧巻は、事件現場の再現。藁の壁を突き破って現れるヒグマと恐れる人々。こんなに大きなヒグマがいきなり家に突入してきたと考えると、その恐怖は計り知れません。

先ほどの旧町長室に置かれたテレビでは、三毛別ヒグマ事件を題材にして東映が製作したテレビ映画「羆嵐」を上映しており、希望者はゆっくりと観ることができます。

なお、この事件現場は、資料館から車で40分ほど。現在は三毛別羆事件復元地として、再現された小屋と巨大なヒグマが設置されています。気になる方はぜひ訪ねてみてください!私は数年前に訪ねたことがあるのですが、人の気配がなくて本当にヒグマが現れそうな空気の場所でした。

アクセスと営業情報

開館時間 10:00~17:00
開館期間 5月1日~10月31日
休館日 月曜
料金 310円
公式サイト http://www.town.tomamae.lg.jp/section/kyoiku/shakaikyoiku/lg6iib0000000lu6.html

※掲載の情報は2026年7月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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