太古の昔より残る古墳。この猿楽塚古墳は、都心のど真ん中にひっそりとたたずんでいます。にぎやかでキラキラしたストリートから一歩足を踏み入れると、そこだけ時が止まったかのような錯覚に陥ります。
貴重な都心に残る古墳
古代の埋葬施設「古墳」。大阪や奈良には大型の古墳が、今なお数多く残されています。実は都内にも古墳がいくつか残っているのをご存じでしょうか。
今回ご紹介する猿楽塚古墳は、そんな都内古墳の中でもとびっきりの一等地。なんと代官山の駅チカに残されているのです。
代官山駅から向かっても徒歩5分ほどですが、今回はこれまた貴重な大正時代の建築「旧朝倉家住宅」の裏側の出口から。
出口とほぼ直結なのは、集合住宅、店舗、オフィスなどから成る複合施設「代官山ヒルサイドテラス」。歴史ある大正時代の建築からいきなりモダンな世界が広がります。

よく見ると、壁に猿楽塚の案内があります。ヒルサイドテラスの中を指していますが、本当にこの先にあるの・・・?
クリスマスショップやアパレルショップを抜けた先に、その姿が見えてきました!

もちろん、旧山手通りからでも入れます。古墳から見ると、すぐそばには人通りの多いストリート。「都市型動物園」「都市型水族館」みたいなワードがありますが、ここは貴重な「都市型古墳」(※造語)です。

古墳時代末期の円墳
さてさて、そんな猿楽塚は、6〜7世紀の古墳時代末期の円墳。2基あり、そのうち大きな方を猿楽塚と呼んでいたと江戸時代の文献にも記載されているそう。我苦を去るという意味で「去我苦塚」とも呼ばれていたこともあるようです。

墳丘の直径は20m、高さは5mほど。渋谷区に残る貴重な古墳であり、渋谷区の指定文化財にも指定されています。

墳丘にそびえ立つのは立派なケヤキ。こちらは渋谷区保存樹木。古墳とともにしっかりと保存されています。
この姿だと、古墳というよりただの植え込みにしか見えませんね!きっと近くを通っても、古墳と認識していない人も多いのではないでしょうか。
神社が立つ古墳
この古墳、鳥居が見えることから分かるように、墳丘に神社が築かれた神社古墳(※造語)。さらに墳丘を登ることができるクライミング古墳(※造語)でもあります。

登った先にあるのが猿楽神社。立派な木造の社殿が建立されています。

この猿楽塚に神社を建立したのは、さきほどの旧朝倉家住宅の朝倉家。大正年間に天照皇大神・素盞嗚命・猿楽大明神・水神・笠森稲荷を祀ったのがはじまりであるそう。朝倉家は渋谷にある「金王八幡宮」や「渋谷氷川神社」の参拝を常としていた信心深い家柄であったそうです。
絵馬も奉納されていますが、いったいどこで扱っているのでしょうか?案内板によると、御札、御守、絵馬はヒルサイドテラスE棟1階管理事務室にて授与いただけるそうです。
南墳は何処に?
猿楽塚古墳について調べていると、気になるのは「北墳」「南墳」というワード。あれ、2つあるのですか…?
そういえば冒頭に「もともと2基あり、そのうち大きな方を猿楽塚と呼んでいた」と書きましたね。どうやら今まで見ていたのは北墳であり、南墳もひっそりと残されているそうです。
調べてみると、ヒルサイドテラスの敷地内にあるため近づくことはできないそう。
先ほど旧朝倉家住宅の出口から逆へ行けば見れるという情報があったので、戻ってみたけど立ち入り禁止。

周辺をもう少し調べてみようかなと思ったのですが、もう日没で真っ暗。街頭がない場所もあるため視界は悪く、何よりそんな中で妙な動きをしていたら通報されてしまう可能性があります。
ということで、今回は諦めます!
また近くに来た時に、南墳探ししてみようと思います。
アクセスと見学情報
東急東横線「代官山駅」より徒歩5分。おそらく24時間見学可能です。


コメント