限定公開!昭和初期の和風迎賓館『津雲邸』の内部へ(青梅市)

東京都(市町村部・多摩地区)

昭和初期に建てられた貴賓を招くための和風建築。落ち着いた雰囲気の館内は、天井、床、窓枠など細部にまでこだわりが詰まっています。公開日は非常に限定的なので事前確認は必須です!

訪問日:2026/3/7(土) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

限定公開の文化財

青梅駅から徒歩5分ほどのところに立つ津雲邸(つくもてい)。立派な石垣が組まれた和風建築は、かつて衆議院議員を務めた津雲國利が接客のために建てた迎賓館。

京都の宮大工を招き、昭和9年に完成。入母屋造で数寄屋風木造2階建ての建築で、国の登録有形文化財にもして指定されています。

このスポット、通常は公開しておりません!!

年に数回、特定のイベントが開催されるときのみの限定公開なのです。昭和レトロ商品博物館のおばちゃんに「開いてるのは珍しいのよ!」とおすすめしてもらったので行ってみることにしました!

細部に感じる美しさ

靴を脱いで入る館内では、「茶室」「応接間」「大広間」「煤竹の間」と4つの部屋を見学することができます。

基本的に撮影はNGですが、訪ねてみると「展示品はだめだけど、建築部分は大丈夫ですよ」と許可をいただけました!ということで、一部写真を掲載させていただきます。独特なアングルの写真がありますが、そこは察してください…!

応接間の床は寄木細工が美しい仕上がり。複雑に組み合わさった木材に、高い技術を感じます。

2階の大広間の欄間は美しい透し彫り。長い尾をなびかせた優雅な鳳凰が描かれています。

他にも屋久杉の天井板や回転する木の雨戸など、随所に見どころがたくさん。派手さはありませんが、センスと工夫を感じます。

日当たりの良い縁側もあります。少しだけ歪んだガラスに情緒を感じますね。

渋く光る竹材の魅力

茶室の入り口は「トクサ」の天井。びっしりと詰まっています。

茶室の障子の組子は、「胡麻竹」を薄くして張り合わせています。これは、上から見ても下から見ても竹の表側が見えるようにとの意味があるそうです。

床柱の四角い木材、よく見ると四角い竹!枠に嵌めて成形し、溶液で模様をつけた「図面角竹」が採用されています。

天井は囲炉裏の煤で黒くなった「煤竹(すすたけ)」。ここに囲炉裏は無いため自然に黒くなったわけではなく、古民家から移築したそうです。

そういえば、「図面角竹」と「煤竹」はいずれも京都市洛西竹林公園で見かけましたね!旅先で覚えた知識が、全然違う旅先で登場、この瞬間がたまらないです!!!

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竹を専門とした珍しい植物園。素人目に見てもその違いがはっきりわかるくらい個性的な竹が大集合!園内の資料館では、竹材としての竹や、不思議な生態についても学ぶことができます。車が無いとアクセスしづらいですが、非常に満足できるスポットでした!

不思議な源氏香之図

欄間に透し彫りされた不思議な幾何学模様。これが何か分かる方はきっと雅な御方。

こちらは源氏香之図と呼ばれる文様。平安貴族の「香合わせ」という遊びから生まれた、5本の縦線と横線を組み合わせた幾何学模様です。

全部で52パターンありますが、これは『源氏物語』54帖のうち、最初の「桐壺」と最後の「夢浮橋」を除く52帖を表現しているとのこと。このような模様をさりげなく建築に仕込むことで、雅な世界を演出したそうです。

これまでの旅において、源氏物語に関連する作品やスポットをめぐっていた中で、どこかで出会っていたのかな。次どこかでみかけたら「あ!源氏香ですね!」とドヤりたいです。

企画展・仏像と彫刻の美

前述の通り、通常は非公開な津雲邸。毎年3月は「ひな祭り展」が開催されていますが、2026年はこちらの特別展が開催されていました。

仏像と彫刻の美
2026年2月20日(金)〜3月8日(日)

蒐集家であった津雲國利のコレクションを、50年ぶりに公開するというレアイベント。江戸時代作と伝わる不動尊明王坐像・虚空蔵菩薩坐像といった仏像や、神楽面・伎楽面などが多数展示されています。

津雲國利は、戦後の混乱期に貴重な文化財が海外へ流出するのを防ぐため、私財を投げうって買い集めていたそうです。

基本的に撮影不可ですが、特別に撮影許可をもらえたのが江戸時代の涅槃像。こちらは企画展の展示品ではなく、津雲邸が所蔵する作品です。

同じく津雲邸所蔵の役小角の像も撮影許可をもらいました!山岳信仰である修験道の開祖・役小角(えんのおづの)、関東で見かけるのはけっこうレアです。


歴史を感じる木造建築はとっても落ち着く雰囲気。派手さはないためある程度知識がないと楽しみにくいスポットですが、常駐しているおじさんがあちこちで解説してくれます。

おじさんたちの話はとってもわかりやすい!最後はわざわざ丁寧にお辞儀までしてくれました。

そんなわけで最後の1枚はこちら。

縁側に突然現れるのはネコ!

ホンモノのネコかと思いましたが、よく見ると作り物でした。「猫の街」として歩み出した青梅、ここもまた猫要素を感じられるスポットでした。

アクセスと営業情報

JR青梅線の「青梅駅」より徒歩約6分。「昭和レトロ商品博物館」や「昭和幻燈館」のすぐ近くにありますので併せての訪問がおすすめです。

開館日 企画展開催期間の土~日、祝日
開館時間 10:00~16:00
料金 企画展により異なる
公式サイト http://www.tukumo-tei.com/

※掲載の情報は2026年2月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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