有珠山噴火の凄まじさを体感できるミュージアム『火山科学館』(洞爺湖町)

道南

これまで幾度となく噴火を繰り返してきた有珠山(うすさん)。被災した車の実物や、シアターを通して、その噴火の凄まじさや地形を変えてしまうエネルギーを体感することができます。恐ろしさだけでなく、火山活動によってもたらされる恵みについても知ることができるスポットです。

訪問日:2026/7/16(木) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

幾度となく噴火してきた有珠山

標高733mの有珠山は、これまで幾度となく噴火を繰り返してきた活火山。近代に入ってからも「1910年」「1943年」「1977年」「2000年」と4回も噴火しております。特に2000年の噴火は記憶に新しく、きっと当時のニュースを見ていたなんて方もいらっしゃるのでは。

この有珠山、噴火のたびに地面が隆起し、溶岩ドームが表れて新しい山ができています。そのため、ひとことで有珠山といっても、大有珠・小有珠・有珠新山・昭和新山・明治新山・金比羅山など、たくさんの山が集まった姿をしているのです。

そんな火山活動のエネルギーの凄まじさを体感できるのが洞爺湖ビジターセンターに併設された火山科学館。今回は洞爺湖の遊覧船に乗った後に訪問しました!

1977年噴火の体験装置

館内では、「1977年噴火」と「2000年噴火」について、特に詳しく展示されています。

まずは1977年噴火から。8月6日未明、32年ぶりの火山活動を告げる前兆地震が発生します。翌日には真っ白な噴煙が発生、「昭和新山火まつり」の準備を行う人々に避難命令が発令されます。翌日の7日〜14日にかけて大小17回も噴火を繰り返します。

こちらは1977年の噴火体感装置。シェルター状の装置に入りスイッチを押すと、CG映像とともに振動が鳴り響きます。人々の悲鳴とともに流れ出すのが泥流。山麓に積もった大量の火山灰が雨によって流れ出したもので、住宅地や道路に大きな被害をもたらしました。この泥流により、3名が命を落とすことに。

なお、この噴火によってできたのが有珠新山。地底のマグマによって押し上げられた地面によってできた標高669mの山です。

2000年噴火の被害

続いて「2000年噴火」。3月27日より、地震計が有珠山の異変を捉えはじめます。通常1日1回あるかないかの火山性地震が、数十回も観測されたそうです。

翌日の28日より自主避難が開始。29日には、避難指示および避難勧告が出され、最終的には16,000人もの人が避難。3月31日に23年ぶりの噴火が発生します。

こちらの軽トラックは2000年噴火による被災車両。金毘羅山の火口から300mほど離れた場所にあり、飛び散った噴石によって窓ガラスは損壊しています。

床下に展示されているのは、このときの地殻変動によって被害を受けた、JR室蘭本線のレール。鉄でできたレールが、ぐにゃりと曲がってしまっています。

この2000年噴火による死者数はなんとゼロ人。住民の中には1977年噴火の経験者も多く、皆が冷静な判断と行動をとることができたのが大きな理由です。

避難所の暮らし

館内には2000年噴火の際の避難所の再現も。畳1枚半ほどのスペースに、布団、段ボールの靴箱、おにぎりが置かれています。

こちらは現在の避難所。ワンタッチパーテーションでプライバシー保護されたスタイル。内部に置かれているのは段ボールベッド。ベッド内は収納スペースにもなっており、機能性も高いベッドです。

傍にあるのは防災リュックと、そこに入れる防災グッズ。アルミ非常用寝袋、保存水、スマホ用蓄光防水ケースなども。

臨場感あるシアタールーム

大きなシアタールームもあります。上映スケジュールはネット上では見つかりませんでしたが、現地情報によると9:30〜16:30の30分毎のようです。上映時間は約13分。

スクリーンは正面だけでなく、左上と右上にも設置されたマルチスクリーン仕様。映像はもちろん、臨場感のあるサウンド、そして振動が鳴り響きます。低く鳴り響く音は、子供だったらけっこうコワイと思います!!

流れるのは「1977年噴火」「2000年噴火」それぞれの当時の映像。住民の避難の様子や、「噴火後に道路が隆起して山になってしまう」そんなシーンも見ることができるので、火山活動の凄まじさを否が応でも感じます。

火山活動の恵み

火山活動がもたらすのは被害ばかりではありません。長い目で見ると、噴火は地域にさまざまな恵みをもたらしてきているのです。

1910年の有珠山噴火では温泉が湧き出し、現在の洞爺湖温泉へと発展。火山が生み出した温泉は、今では人気の観光資源となっています。また、有珠山周辺は噴火の痕跡を間近に観察できることから、地球の営みを学ぶ修学旅行のスポットとしても活用されています。

さらに、火山灰などからできた土壌は水はけがよく、農業にも適しています。そして海にも目を向けると、火山活動によって生まれた複雑な海底地形が魚介類の生息環境となり、豊かな水産資源を育んでいるのです。

時に大きな被害をもたらす一方で、温泉、観光、農業、水産業、そして地球を学ぶ機会まで、長い年月をかけて地域の恵みへと変わっていく側面もあるのです。


ビジターセンターの2階から外を見ると、なにやら被災建造物らしき姿が。近づけるようなので、行ってみることにしました!つづく。

アクセスと営業情報

開館時間 9:00〜17:00(4月~9月) / 10:00~16:00(10月~3月)
休館日 12月29日~1月3日、毎週月曜日(月曜日が祝日の場合、次の平日)
料金 800円
公式サイト http://www.toyako-vc.jp/volcano/

※掲載の情報は2026年7月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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