受け継がれるアイヌと倭人の伝説『義経神社』(平取町)

道南

有名な神社が少なめな北海道。そんな中でも観光名所となっているのが平取町(びらとりちょう)にある義経神社。そこには、北海道に渡っていたという源義経の伝説が残されていました。

2017/4/29(土)

平取町の義経神社

北海道の観光では珍しい神社。神社の数は決して少なくはないのですが、あまり観光スポットとしてでてきません。しかも義経?気になったので行ってみることにしました!

駐車場からは石段を登り境内へ。

とてもシンプルな木製の拝殿。この神社は、源義経を祭神としており、1799年に建立されました。義経ゆかりの地といえば京都や平泉などが有名ですが、北海道と何か関りがあったのでしょうか?

義経の伝説

さて、ちょっとだけ源義経という人物について触れてみます。

弁慶との対決でもおなじみ、牛若丸こと源義経。源平の合戦で大活躍したにも関わらず、朝敵と見なされて命を狙われることに。奥州藤原氏のもと平泉(岩手県)へ身を潜めたのですが、夜襲をかけられ自害したとされています。

そんな悲劇のヒーロー感ただよう義経には様々な伝説が残っています。ここ平取町に伝わる伝説は、「義経は生きており、海を渡って北海道へ来た」というもの。一般的には北行伝説と呼ばれるものです。

アイヌ民族を愛し、様々な技術を伝えた源義経はオキクルミ(天より降臨したアイヌの文化神)の再来といわれハンガンカムイ(ホンカンカムイ)と呼ばれたそう。

併設の義経資料館

境内には義経資料館があり、そこでは義経伝説をより詳しく知ることができます。書物や武具などの現物史料に加えて、解説パネルが設置されており、きちんと読んでいくといろいろと勉強になります。

義経のゆかりの地は、東北から北海道へと続いています。そして、平取町には義経洞窟と呼ばれる洞窟もあり、そこからは鎌倉時代の刀や武具が見つかったりもしているそう。こういう物的証拠があると、急に信憑性が高くなった気がします。

 

北行伝説には続きがあった?

北海道へ渡ってきたという源義経。この話にはまだ続きがあります。

義経は北海道の若者たちに武術を教えた後、彼らを引き連れて大陸へ渡ったとされています。

その際、武運を祈願し高台に武具を祭りました。その高台は「武装した崖=ハヨピラ」と呼ばれ、聖地となったのです。

平取町にはハヨピラ公園という場所があるのですが、そこで知ったのは「ハヨピラ=武装した」という意味。てっきり砦を想像していましたが、武具をおさめたという意味での武装だったようです。

なお、大陸に渡った義経は、チンギスハンと名乗り大活躍したといいます。チンギスハンといえばモンゴル帝国の皇帝。そんなバカな、と言いたくなるような話ですが、謎が多いチンギスハンの前半生と義経活躍の時代が一致していたり、同様の白旗を使用していたりと、その根拠となる要素はいくつか挙げられています。さらに、それを主張したのも新井白石シーボルトといった学者というのもポイントです。

アクセスと営業情報

新千歳空港から車で約1時間ほど。JR日高線の富川駅からバスに乗れば15分ほどですが、本数が少ないのでご注意ください。

参拝時間:境内自由 ※資料館は9:00~17:00
料金:無料 ※資料館は¥200
見学所要時間:資料館含めても20分くらい

様々な英雄伝説、どこまでが本当なのかはわかりません。しかし、どれも妙に良い話なのです。多くの人に愛されていた英雄だったのは確実なのではないでしょうか。

そして2次元化されるともれなくイケメンです。

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