青海島 Part 3 古式捕鯨の歴史アリ!『長門市くじら資料館』(長門市)

山口県

かつて島で行われていた「古式捕鯨」について学ぶことができるミニミュージアム。展示室には当時の道具や映像などが置かれています。建物の横に寝そべる巨大なクジラのオブジェには、ちょっとしたヒミツがありました!

訪問日:2026/5/4(月) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

捕鯨の歴史を持つ島

古くから捕鯨が盛んであった青海島の通浦(かよいうら)。ここではかつて捕鯨が盛んにおこなわれていました。

その地に建つのが長門市くじら資料館。捕鯨に関する資料を保存、展示する資料館です。建物の上にはなんとクジラが乗っています!

こちらは捕鯨砲。手投げのモリにかわり登場した機械で、船首に搭載していたそうです。

建物のそばには巨大な鯨のオブジェ「くじら丸」。タイヤが付いているので動かすこともありそうな予感。これがいったい何なのかは、後ほど。

■お得な4館共通券
長門市の4つの文化施設「金子みすゞ記念館(500円)」「くじら資料館(200円)」「村田清風記念館(200円)」「香月泰男美術館(500円)」は共通券があります。料金は700円で30日間有効。2館めぐれば元がとれる、とってもお得なチケットです!

コンパクトな展示室

展示室は一部屋だけの小規模なミュージアムです。ブルーのライトが、まるで海の中のを表しているかのよう。

青海島は、冬になると南の海で出産・育児するために南下するクジラの通り道。昔から弱ったり命を落としたクジラが沿岸に座礁、「寄り鯨」と呼ばれ天の贈り物とされていました。

江戸時代には「鯨組」がつくられて組織的な捕鯨がスタート。明治に入り近代捕鯨がはじまるまでの234年間、島の産業として盛んに繰り広げられていました。

ここで行われていたのは「古式捕鯨」と呼ばれるスタイル。いったいどのような漁法だったのでしょうか。

古式捕鯨の方法

海を見渡せるところに「山見」という見張り番を置き、クジラを発見したら狼煙を上げます。それを見た人々は、浜から舟を漕ぎ出し、船でクジラを囲みます。

クジラの行く手に網を張り包囲する「双海船」、音を鳴らして網に追い込みながら、網に絡まったクジラに銛を打ち込み弱らせていく「勢子船」、2艘の間に棒を差しそれにクジラを縛り付けて仕留めたクジラを岸に持ち帰る「持双船」と、船はそれぞれ様々な役割があります。

銛をはじめ、それぞれの船にて使用される道具も展示されています。

鯨組の人々が大漁を祝ったり、祈ったりする時に歌ったのが鯨唄。長老が歌わない限り、他の者が歌うことはないほど格式の高い歌であったそう。そのときに使用されたという太鼓も展示されていました。

陸に揚げられたクジラはその場で解体されていきます。肉はもちろん、皮下脂肪は油に、ヒゲや歯は工芸品の材料にと、捨てるところがないほど利用されていたそう。

捕ったクジラの肉は、各家におよそ2kgほど無償で配られます。これを「町内赤身」というそう。島に住んでる人はめっちゃラッキーですね!

気になるのはどれほどの経済効果があるなかということ。現代の価格だとセミクジラは900万円、ナガスクジラで1,375万円ほど。これはすごい価値で、まさに一攫千金に値しますね。

再現された古式捕鯨

館内には古式捕鯨の写真も展示されています。あれ、江戸時代なのに写真があるの!?

写真をよく見ると、クジラに見えるのは、さっき外で見たオブジェ「くじら丸」。この写真は、平成4年、「鯨墓建立300年鯨祭り」にて再現された古式捕鯨の様子とのことです。

展示室のDVD上映コーナーでは、その様子を映像で見ることができます。

海に浮かんだくじら丸を取り囲み、銛が投げつけられます。くじら丸は背中から潮を吹くというアクションも。

高台に立つ青海島鯨墓

資料館のすぐ裏手を登った先にあるのが青海島鯨墓。鯨を供養するための場所です。

クジラに感謝する塚のような場所かと思いきや、もともとは捕獲したクジラのお腹にいた胎児を哀れんで供養したことが始まりであるそう。70数体のクジラの胎児が埋葬されている墓地であり、後に迷い込んで命を落としたクジラもあわせて埋葬されるようになります。

さきほど見た「古式捕鯨の再現映像」においても、胎内からくじら丸の子どもが出てきて、それを鯨墓にて供養するという行程は再現されていました。

この鯨墓があるのは高台。ここからは、さきほど見かけた資料館の上のクジラをちょうど真横から見ることができます。瓦屋根がまるで波のように見えますね!

これにて青海島はおしまい!お次は、共通券を使って「金子みすゞ記念館」へと向かいます。誰でも知っている方ですが、その人生は波乱に満ちていました・・・・。

アクセスと営業情報

開館時間 9:00~17:00
休館日 毎週火曜日(祝日の場合は開館、翌平日休館)
料金 200円
公式サイト https://kujira-nagato.com/

※掲載の情報は2026年5月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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