本村港から宇津港へ徒歩で向かいつつ、島の名所を寄り道。「ジーコンボ古墳群」「八町八反」「見島ダム」「見島牛放牧場」と、いずれも見島ならではのレアな景色を楽しみつつ、島の歴史や自然を感じていきます!
史跡・ジーコンボ古墳群
「見島神社」や「おしあいの館」など、本村集落内の見どころをめぐったのが前回までのお話。集落を出て最初に向かうのはジーコンボ古墳群。この辺りに古墳群があるみたいなのですが、一面ハマダイコン。5月はちょうど花期であったようで、ふんわりとした花がたっぷり咲いています。

この古墳群の総数は約200基。石室を残しているものでなんと160基もあるそう。さすが離島、開発などで遺跡が壊されることなく長い間保たれてきたのですね。
スペシャルな古墳群ですが、実際は古墳群というよりハマダイコン畑。そんな風景の中で最も古墳を感じさせてくれるのが137号墳。天井石が残っているため、古墳の石室を実感することができます。

この古墳群は7世紀後半から10世紀後半に築造されたもの。奈良時代から平安時代という、古墳時代を過ぎてからのものになります。中国(唐)や朝鮮(新羅)に対する防衛のために駐在していた防人の墓とも考えられています。

副葬品として、和同開珎や貞観永宝などの貨幣、勾玉、銅製帯金などが出土しているそうです。いったいどこに保管されているのでしょうか?案内板に記された「資料提供:山口大学埋蔵文化財資料館」があやしいです。

もうひとつ気になるのは「ジーコンボ」という、日本語らしからぬ響きの名前。アルファベットで表記したら”Z-Combo”かな?古墳の名称は時折不思議な響きを持つことがありますが、その中でも圧倒的なかっこよさ。
いったいどんな意味ががあるのでしょうか。さらっと調べてみたところ、土地の言葉で「爺」 のことを「じいこう」というところからきている説、台湾語で共同墓地を意味する「地公墓(ジコウボ)」からきているという説などがあるそう。いずれも音だけが残り、カタカナ表記されるようになったのでしょうかね。
生き物たっぷりな八町八反
お次の目的地は見島ダム!ジーコンボ古墳群から見島ダムへ向かうには、田んぼのなかの道が近道。

この田んぼ、八町八反と呼ばれており古代から中世にかけてしかれた条里制の水田がそのままのかたちで残っているというもの。言うなれば「1000年モノの田んぼ」なのです。戦災や開発を免れた原風景、これぞ離島ならではです。
田んぼのあぜ道を歩いている黄色い鳥を発見!ツメナガセキレイぽいです。

すらっと立っている鳥は、たぶんムナグロ。チドリ科の鳥で、実は全国的に見られる種類です。

バードウォッチングの名所としても知られる見島。ヤツガシラ、ヤマショウビン、アカガシラサギ、タゲリなどが見られることもあるそう。
鳥以外にも、シマヘビやウシガエルも見かけました。この田んぼゾーン、生き物好きにはたまらないエリアです。
圧倒的な存在感の見島ダム
てくてく歩いていると、近くまでやってきました見島ダム。離島を歩いていて、こんな立派なダムに出会うというのは非常にレアケース。

見ての通りの重力式コンクリートダムで、堤高31m、堤頂長300mという大きさ。洪水被害の軽減および、上水道用水の確保を目的に、平成14年3月に完成しました。

天端は道路になっており、車も通行可能。柵の部分には、島の小学校の子どもたちの手形が将来の夢とともに飾られていました。
ここからは、先ほど歩いた八町八反の田んぼを見渡せます。遠くには本村港もちらっと見えます。

見下ろすとモザイクで描かれた鬼の顔。前回紹介した、鬼の柄の凧の名前、みなさん覚えていますか?

そう、鬼ヨーズです!ここは「おにようず広場」と名付けられています。
おにようず広場と反対側は、たっぷり水を蓄えたダム湖。見島ゆりや湖という湖で、125,000㎥もの水を蓄えています。このダムがあれば、島あるあるな水不足とは無縁なのではないでしょうか。

なお、この見島ダムは公衆トイレがあります。島内では超貴重なトイレスポットなのです。

見島牛に会える放牧場
見島といえば見島牛。トカラ列島の口之島牛とともに、たった2種しか現存しない日本在来の和牛です。
そんな見島牛を飼育しているのが見島牛放牧場。正確な場所がわかりにくかったのですが、見島ダムの北の道を南東へ向かって進んでいたところ、入り口を見つけました。

放牧場わきの道を進んでいくと、黒い牛が放牧されています。草を食み、のびのびと過ごしている様子に心が和みます。

かつては数百頭も飼育されていた見島牛ですが、昭和30年頃から農業の機械化がはじまると、減少の一途をたどります。昭和34年に保護増殖事業がスタート、昭和42年に見島牛保存会が発足し、種を守るための活動が続けられているそうです。
脱走するウシたち
さて、宇津(うつ)港へ向かうぞ!見島放牧場から宇津港までは、約3km。40分ほどの道のりです。てくてく歩いていると、正面からウシが歩いてきました!!

「こんな普通の道路でも放牧しているなんて、さすが離島!」そう思っていたところ、ウシとともに歩いているお兄さんが笑いながら「あ、これ脱走です」と教えてくれました。
放牧ではなくて脱走でした!!
文字通り道草を食いながら歩くウシ。お兄さんが「ほら、来いよー!」というと、一応ついていってます。イレギュラーイベントですが、ほんわかした雰囲気にほっこり。

見島牛という牛の牧場がある見島。路上を放牧された牛が歩いてる!!と思いきや、脱走してしまったらしい!お兄さんが頑張って誘導してた🤣 pic.twitter.com/8eLrzn433J
— ちひろいろ (@Eri_ashi) May 2, 2026
さぁ、宇津港見えてきました。海がめっちゃ綺麗!!

つづく。


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