トンボロで渡れる岩礁の神社『衣毘須神社』(益田市)

島根県

海に浮かぶ岩の上に建てられた、絵になりすぎる神社。潮が満ちていない限りは、砂浜を歩いて渡ることができます。今回向かったのは干潮の2時間後。はたして、渡ることができるでしょうか?

訪問日:2026/5/5(火) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

海に浮かぶ神社

小浜海岸の岩礁「宮ヶ島」に鎮座する衣毘須神社(えびすじんじゃ)は、まるで海に浮かんでいるかのような神社。その姿から、「山陰のモンサンミッシェル」とも称されています。

干潮時に砂州が表れて歩いて渡れるそう。このような地形をトンボロ(陸繋砂州)と呼びます。ここ以外でも、小豆島の「エンジェルロード」、鹿児島県の「知林ヶ島」、周防大島の「真宮島」など日本各地で見ることができる風景です。

少し離れた駐車場

駐車場は少し離れた場所に10台ほどのスペースがあります。ある程度埋まっていると転回スペースがほとんどなくなるため、バック入庫となる可能性が高いです。

駐車場からは300mほど歩きます。舗装された道は、海風がとっても心地よい。真夏は日差し対策をお忘れなく。

多数飛び交っていたのは、淡いブルーとレッドの鳥。こちらは海辺でよく見かけるイソヒヨドリ。何かくわえてます。

潮位の確認は重要

干潮は1日2回ほど訪れますが、ここで気になるのは干潮の前後どれくらいまでが通行可能なのかということ。

小豆島のエンジェルロードは、干潮の前後3時間とけっこう広めの幅がありましたが、ここはどうなのでしょう。調べてもそれに関する情報が全く見当たりません。

今回訪ねた5月5日は「干潮:05:39/21:19」「満潮:01:30/12:59」。午前中に萩大島へ渡ってから向かったため、到着は満潮の2時間後となる15:00。果たして渡れるでしょうか?

どきどきしなが向かったところ、全然渡れそうな雰囲気。砂州の幅はけっこう広いので、ちょっとの満ち潮では水没する気がしません。

と思いきや、鳥居の前だけが細いため、かなり狭まってきています。左右から打ち寄せる波が、道全体に被る瞬間も。ここだけタイミングをみてダッシュ!

石州瓦の社殿

上陸した衣毘須神社 。階段を登った先に広場があり、ベンチも置かれています。木々が風を防いでくれるので、ゆっくりできそうな雰囲気

その先はちょっとした展望台。海は透明度が高くてとってもキレイ!

そびえ立つのは白木造りの社殿。主祭神は事代主之命(ことしろぬしのみこと)。漁業の神様として、えびす様の総本宮である美保神社から分霊されているそう。小野村誌によると、「宝永6年(1709年)に海龍山に小さな祠を建てた」という記述があり、その後、慶応3年(1867年)にこの場所へと遷されたそうです。

写真ではわかりにくいのですが、屋根は赤い瓦葺き。島根県西部の石見地方の名産である「石州瓦」が使用されています。

参拝も済ませて帰り道。この数分の間に、鳥居手前の最狭ポイントは、さらに狭まってきています。波がかかりはじめているため、タイミングを見計らってダッシュ!満潮2時間後はぎりぎりだったのかもしれません。

東山魁夷との関わり

この付近の海岸は、昭和を代表する日本画家・東山魁夷が、代表作である皇居壁画《朝明けの潮》を描く際のヒントを得た場所ともいわれています。

宮内庁から依頼を受けた魁夷は、山陰地方の海岸を2度にわたって取材。2度ともこの小浜海岸を訪れたそう。自身の著である「唐招提寺への道」にて、引く波の状態が今後の壁画にも参考になると記しているそうです。

一般的には”海上アルプス”こと「青海島」の海と岩をモチーフにしているとされていますが、この辺りも作品に影響を与えていたのですね。

この後は、同じく益田市の「グラントワ」へと向かいます!

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