都内最古の本殿を擁する古社『豊鹿嶋神社』(東大和市)

東京都(市町村部・多摩地区)

飛鳥時代末にルーツを持つ古社。本殿は室町時代の建築であり、東京都内に残る神社建築としては最古級。「東大和市郷土博物館」に模型展示があるので、併せての訪問がおすすめです。

訪問日:2026/6/13(土) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

長い歴史を持つ神社

狭山丘陵の一角に建つ豊鹿嶋神社。芋窪という地域に立ち、古くから「鹿島様」として親しまれてきた神社です。

その歴史は古く、創建は文武天皇の時代である慶雲4年(707年)。1300年以上の歴史を持つ都内屈指の古社。かつて武蔵国に現れたという鬼神を常陸峯に鎮めて、天智天皇の第四の姫宮と蘇我山田石川麿が建立したことに始まるそう。

気になるのは「鹿島」or「鹿嶋」どちらの表記が正しいのか。境内ではどちらの表記も見かけましたが、どうやら正式社号は「豊鹿嶋神社」、文化財名では「豊鹿島神社」が採用されているようです。

鳥居の先には、穢れを祓う茅の輪くぐりも置かれています。左、右、左の順に抜けて、合計4回の輪くぐり。初夏になるとあちこちの神社で見かけるため、経験したことがある方も多いのでは。

祀られる多数の神様

御祭紳は武御加豆智命。見たことない神様かと思いきや、読み方は「たけみかづちのみこと」。鹿島神宮の御祭神「武甕槌命」の漢字違いでした。ご存知、武神として信仰されている神様です。

灯籠の台座に刻まれているのは鹿。鹿島神宮の神使といえば鹿でしたね。

社殿の裏には御嶽神社、稲荷神社、日吉神社、白山神社、愛宕神社など摂末社がたくさん。木々が生い茂る斜面に祠が並んでいるのはミステリアスな雰囲気。

かと思いきや、摂末社に紛れてカンガルーやハクチョウもいます。この神社、公園が併設されており、子どもたちの声でとってもにぎやか。社殿の周りを走り抜けて鬼ごっこしてたりもしました。幼い頃に神社で遊ぶのって、ちょっと憧れます!

都内最古の本殿

この神社の本殿、非常に歴史のある建築であることがわかっています。

本殿内に保管された棟札により天文19年(1550年)の建立とされていましたが、平成4年の解体修理の際に発見された棟札によると、文正元年(1466年)の建立であることが明らかになります。都内に現存する唯一の室町時代の神社本殿であり、都内最古の神社建築であるそう。

そんな本殿を見てみようと拝殿の裏手に回ってみたのですが、立派な覆殿に覆われているため残念ながら見ることはできませんでした。

「東大和市立郷土博物館」には1/10の模型が展示されており、建築に対する解説も添えられていました。

屋根の下に敷かれた「垂木」に反りがあること、虹梁の部分が直線的であることなど、いずれも江戸時代以降は見られない中世の特徴が見られるそうです。

木製の狛犬

さらにこの神社、狛犬もまたちょっと特殊!通常神社に置かれる狛犬は石製ですが、ここの狛犬はなんと木製。本殿と同時期に作られた可能性が高いとされており、東大和市指定文化財にも登録されています。

公開されていないため見ることはできませんが、こちらもまた「東大和市立郷土博物館」に複製(一部推定復元)の展示があります。材質が木というだけで、一気に狛犬っぽく見えなくなるから不思議ですね!

不思議な信仰が残る要石

1kmほど南には要石もあるそう。鹿島神宮にもあった要石。あちらは地震をおこす大ナマズを抑えていましたが、ここではかつてこの地域が海だった頃に、御祭神の武御加豆智命が舟をつないだ石であったという伝承があるそう。

訪問時は見逃してしまったのですが、後日再訪してきました!白い鳥居の奥、フェンスに囲われています。

フェンスが開いており、間近で拝観可能。案内板などは見当たらないため、知らないと何も分からないという難易度高めな仕様。

先ほどの舟を繋いだ伝承以外にも、石の傍らを掘り、出てきた虫の数で授かる子どもの数を占う「虫占い」が行われていたそう。もし死んだ虫が出てしまうと大凶であり、子どもを失うとも伝えられています。

ちなみに私が訪問した際はおびただしい数のアリの群が石の上や周りに集まっていました。もし虫占いをしたら、とんでもない子沢山に恵まれたかもしれませんね!

アクセスと営業情報

多摩モノレール「上北台駅」より徒歩15分ほど。今回はシェアサイクル「ハローサイクリング」で他のスポットと合わせて巡りました。

開門時間 境内自由
料金 無料
公式サイト http://www.tokyo-jinjacho.or.jp/kitatama/higashiyamato/5762

※掲載の情報は2026年6月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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