江戸時代から変わらぬ土地の姿『津和野町日本遺産センター』(津和野町)

島根県

江戸時代の津和野を描いた「津和野百景図」に描かれた景色が、今も残されている津和野。日本遺産に登録されたその絵図を中心に、「鷺舞」や「石見神楽」などの伝統文化についても知ることができるスポットです。

訪問日:2026/5/1(金) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

立ち寄りやすいミュージアム

情緒あふれる津和野の町並みに並んでいる瓦屋根の建築。こちらは津和野町日本遺産センター。日本遺産に認定された津和野のストーリーを紹介する場所です。

ここは展示施設というだけでなく、観光案内所・無料休憩所を兼ねています。雨が降る肌寒い日に訪ねたところ、「あったかいお茶もどうぞ」と案内してくれました。

館内は1階と2階が展示室。博物館ほどのボリュームはありませんが、読み物も多くなかなか見応えがあります。

必見の津和野百景図

目を引くのは津和野百景図。津和野藩主を務めてきた亀井家の14代当主の亀井 茲常(これつね)の指示のもと、栗本里治(格齋)が描いた絵図です。

描かれているのは津和野の名所、自然、伝統芸能、風俗、人情など様々。その数は文字通り100枚にも及びます。

ぱっと見、江戸時代の浮世絵かと思いきや、制作が開始されたのは明治43年(1910年)と近代に入ってから。4年の歳月をかけて描かれ、完成したのは大正6年(1917年)であったそう。

日本遺産というのは、その地域の文化や伝統を語るストーリーが対象となっています。この津和野百景図に描かれた風景が今も残されているというのがポイントとなり、「津和野今昔 〜百景図を歩く〜」として日本遺産に登録されたのです。

こちらは同じく栗本里治が描いた津和野市街絵図。江戸時代の終わりに変わりゆく街を憂い、当時の様子を残したいという思いで城下町全体を描いた作品です。天守のない津和野城、今も残る神社やお寺も多数見ることができます。この頃の風景が今も残っているというのは、きっと地域の人々が大切にしてしたという証なのでしょう。

受け継がれる鷺舞神事

こちらの鳥のような不思議な衣装は、弥栄神社の祇園祭で行われる鷺舞神事の衣装

鷺舞のはじまりは天文11年(1542年)。津和野で流行した疫病を鎮めるため、山口の祇園会から移し入れられました。もともとは京都が発祥であり、かつては各地の八坂神社で行われていましたが、近世から現代まで継続されているのはこの津和野町のみ。日本に残るただひとつの鷺舞として国指定重要無形文化財にも指定されています。

羽根の部分は39枚のヒノキの板で構成されており、頭の部分は桐と竹。そのため、頭で3kg・羽根は12kgとけっこうな重量があります。

傍に置かれたモニターでは、映像でその様子を見ることができます。羽根の開閉時に「ビシャッ」と大きな音が鳴るため、迫力のある舞。重量のある木材は、ここで活きるのですね。

■他の地域の鷺舞神事
津和野のルーツとされる山口でも山口祇園祭にて「鷺の舞」が行われていますが、江戸時代中期に一度途絶えた後、津和野から逆輸入したそうです。また、東京の浅草寺などでも開催されているようですが、その多くは一度途絶えた後に、復興されたものであるようです。

大蛇が蠢く石見神楽

島根県の西部を中心に受け継がれている石見神楽。石見地方であるここ津和野にも残されています。展示室の2階には、登場人物である神様を模した多数の面が飾られていました。

こちらは大蛇の面と蛇胴。石見神楽公演の最後の演目「八岐大蛇退治」に使用されます。長さは17mにも及びますが、重さはわずか12kgしかないそう。鷺舞とは異なり、軽量化がなされています。

映像も見ることができます。1人で1匹を操るという大蛇、うねうねと動く様子は、本当に生きているかのようです。

そういえば、2025年の大阪・関西万博では、石見神楽の特別公演が行われていましたね!そのときはなんと55頭もの大蛇が登場し、舞台を埋め尽くしていたそう。数頭でも凄い迫力なのに、それが55頭というのは想像を絶します。今さらながら見ておきたかったです!


百景図に描かれた景色が今もそのまま残されていたり、鷺舞や石見神楽といった伝統が受け継がれていたりと、津和野の奥深さをたっぷりと感じることができました。展示ボリュームはそれほど多くないので、さらっと見ならば20分程度、じっくり見ても1時間はかからないかなというくらいです。

 

今日は「津和野城跡」に行こうと思っていたのですが、あいにくの雨天。津和野城跡は山城であるためリフトで向かい、なおかつちょっと山道を歩くタイプの城跡。この天候だと厳しいかな?そう思っていたのですが、日本遺産センターのおじさん曰く「雨でも全然大丈夫だよ。リフトも動いてると思うよ。」「もしリフト動いてなくても、人が来ればおじさんが動かしてくれるはず」と後押ししてくれたので向かってみることに!諦めかけてた場所がやっぱり行ける、となったときの気持ちの高まりは言葉にできない嬉しさ。

ということで津和野城跡に向かいます!でもその前に、「津和野町郷土館」にも立ち寄りますね。

アクセスと営業情報

開館時間 9:00~17:00
休館日 月曜
料金 無料
公式サイト https://japan-heritage-tsuwano.jp/

※掲載の情報は2026年5月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました