細い山道をこえてたどりついた先は、まるで楽園のようなコミュニティ。個性的な人々が集まる、ゆるーい空気の村です。今回はゲストハウスに1泊してちょっとだけ村の仲間入りさせてもらいました。
現世と隔離された世界
熊本から天草へ旅行するにあたり、天草への玄関口である宇城(うき)市三角(みすみ)町あたりで宿泊できると次の日朝から動きやすい。
そう考えてエリアをしぼって宿探し!Google mapで宿を検索していたら、なんだか面白そうなところを見つけました。その名もエコビレッジサイハテ村。どうやらゲストハウスもあり、リーズナブルに宿泊することができるらしい。
電話で予約したところ『近くにある「JA熊本うき三角支所」に来たら電話してね』とのこと。道に迷う人がとても多いらしいです。
Googleマップもカーナビもあるから迷わないで行けそうな気もしますが、念のため電話することに。
そもそも夜来たのでJAを見つけるのもちょっと苦戦しました。そこから電話でナビゲーションしてもらったのですが、これは案内無いと来れない!だってGoogleマップにすら無い道を進むのです。もちろんカーナビもついてこれません。
道の大部分は舗装されていますが、幅は狭く傾斜も多いため神経を使います。軽自動車のレンタカーなので、パンクしたり脱輪しないようにおそるおそる進みます。
途中から「サイハテ村」の案内板が出てきたのですが、暗い山道で見るとちょっとびっくり。これ、何も知らずに夜中に見た人はびっくりしてしまうのではないでしょうか。
なお、山道はそれほど長くありません。実はコンビニまで車で5分ほどと、利便性も高いのです。
たどり着いたパラダイス
暗い山道を抜けると、急に明かりが灯り、人の声や音楽が聴こえてくるにぎやかな場所に。まるで違う世界に来たような気持ちです。
先程電話で道案内してくれた、気さくで柔らかい雰囲気の管理人の方が出迎えてくれました。すぐに友達の距離感で接してくれて、暖かい雰囲気。良い場所を見つけたなーって気がしてきました。
こちらが今回宿泊する、1泊2,500円のドミトリー。2段ベッドがたくさん並ぶ、想像以上にきれいな空間です。
ベッドがあるのはキッチンやリビングと同じ大部屋。各ベッドには薄いカーテンがついているだけなので、けっこうオープンです。プライベート空間にシビアな人はご注意、と言いたいところですがドミトリーを選択している時点でそれはきっとクリアしているはず。
エコビレッジならではの決まり
洗面所やお風呂もとってもキレイで快適。ドライヤーや洗面台もあります。トイレもぼっとんタイプかと思いきや、水洗でしかもウォシュレット付きです。
ただし、1つ気をつけなくてはいけないことが!
『おふろからの排水はミカン畑に流れています。備え付けの洗剤以外は使用しないで下さい』との注意書きがあります。
浴室からの排水に下水処理は無いよう。髪が長い私はマイシャンプーやトリートメントを常に持参しているのですが、郷に入っては郷に従え。今日は使うのをやめておこう!
浴室に置いてあるのは『Shampoo、hair conditioner、bodysoap、facial wash』と書かれた1つのボトル。これ1本で全役こなすのですか!リンスインシャンプーだってニガテなので、髪の毛ゴワゴワになったらどうしよう・・・。
何も無いよりはマシ!そんな感じでえいやっと洗って見たところ、ゴワゴワどころか意外なほどツヤツヤに。顔を洗ってもサッパリするし、体を洗ってもしっとり。これは魔法のソープでしょうか。日頃、洗顔フォームやシャンプーなど色々買っている意味を見失ってしまいました。
なお、洗濯洗剤も、「名も無き洗剤」と「セスキ炭酸ソーダ」。洗濯はしなかったので、こちらは未使用。でも、きっと衣類に優しくて汚れをしっかり落としてくれそうな気がします。
ラボで過ごすナイトタイム
夜はビレッジ内にある「ラボ」にてみんなが集まり飲んだり話したりして過ごします。この感じはゲストハウスに近いのですが、ちょっとだけ違う雰囲気。
普通のゲストハウスだと、マスター1人とゲスト複数といった構図になることが多いのですが、ここでは村民の方がたくさんの中に数人のゲストが混ざるといった感じ。
リーダーもなく「お好きにどうぞ」の精神でどんどんできあがっているというエコビレッジ。このラボにはドラム、ベース、ギターといった楽器があります!流れてくるチルホップにひたすらベースを弾かせてもらいました。
ここは創作活動がはかどる空気。もしここで作曲したら、ほいほい名曲ができそう。
ラボの前は海!遠くに街の灯りが見える幻想的な雰囲気。日が登ってから見たら、さぞかし素晴らしいオーシャンビューなのでしょう。あした晴れると良いな!
まだ旅は始まったばかりなので、ほどほどに切り上げて早めの就寝。
朝のサイハテ村
さあ、晴れた!!目の前に広がる海!!
海を眺めていると、あちこちから集まってくる村人たち。みなさんとってもフレンドリーで、少しだけおしゃべり。この村にはなんと子供もたくさんいます。
サイハテ村に暮らす人々は、アーティストが多い。そんな村は、まさにアートビレッジといった雰囲気で、あちこちに作品が並んでいます。
この不思議なオブジェは、「アースドーム」。気になったのでまわりをぐるぐるしていると、『中も入れるよ〜』と声かけてもらいました。
内部はかなりきれいな宿泊設備が整っています。もう少ししたら宿泊可能になるそう!これは泊まってみたいです!!!
ゆっくり何泊かしていきたい気持ちになってきましたが、今回の目的である天草へ向かわねば!
『え、もう行っちゃうのー?』
名残惜しいですが、またいつの日にか・・・!最後になぜかヤーガン族の話で盛り上がったところで村をあとにしました。
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