車でめぐる南阿蘇鉄道 「日本一名前の長い駅〜白川水源〜午後の紅茶駅〜高森湧水トンネル公園」(南阿蘇村〜高森町)

熊本県

長閑な雰囲気のローカル線・南阿蘇鉄道。現在運休しているため、車で沿線の観光スポットをまわってみました。クリアブルーの絶景や幻想的なトンネル、そして午後の紅茶専用の駅など、他にはない楽しさが詰まっています。

訪問日:2019/10/8(火)

のどかな南阿蘇鉄道


阿蘇山の南側に広がる南阿蘇エリア。そこを走る南阿蘇鉄道は、立野駅から高森駅まで10駅をつなぐ短い路線。1時間あたり1本、折り返しのワンマン運転という、これぞローカル線といった雰囲気。雄大な阿蘇山をバックに走るその情景と相まって、わざわざ乗りに行きたくなる、観光目的としても充分な魅力のある鉄道です。

そんな南阿蘇鉄道ですが、2016年4月に発生した熊本地震の影響で運行停止に。中松駅から終点・高森駅の5駅間は復旧したものの、立野駅から中松駅は今も運休状態が続いております。

今回は、そんな鉄道各駅を車でまわってみました。

日本一長い名前の駅『南阿蘇水の生まれる里白水高原駅』


まず最初に向かったのは日本一名前の長い駅。その名も南阿蘇水の生まれる里白水高原駅。平仮名にすると「みなみあそみずのうまれるさとはくすいこうげんえき」となり、なんと24文字もあります。こんなに名前が長いと、何かと不便なことも多いのではないでしょうか。

私もめげずに記事内では略さずフルネームを使用していくことにしました。

2001年4月、島根県松江市に「ルイス・C. ティファニー庭園美術館前駅」が開設されたため、南阿蘇水の生まれる里白水高原駅は、駅名長さ2番目になりました。しかし、2007年5月にルイス・C. ティファニー庭園美術館が閉館。「松江イングリッシュガーデン前駅」に改名されたので、南阿蘇水の生まれる里白水高原駅は再び日本一長い駅名に返り咲きました。
なお、鹿島臨海鉄道の「長者ヶ浜潮騒はまなす公園前駅」も24文字なので同率1位です。

南阿蘇水の生まれる里白水高原駅の駅舎は屋根は12角形、内部は8角形という変わったデザインをしています。この12という数字は、建設当時の阿蘇郡の市町村の数とのことを表しています。

南阿蘇水の生まれる里白水高原駅の駅舎内には本がたくさん。「ひなた文庫」と題された古本屋で、週末限定11:00〜16:00でオープンするそう。

ハートのついたベンチ「ラブチェアー」も発見。真ん中が凹んでいるため、座ると必然的に距離が縮まる設計となっている。「復興には愛が必要だ」との考えから、南阿蘇エリア各地に設置されています。

駅前に売店などはありませんが、唯一営業しているのは「いなかごはんきしゃぽっぽ」という飲食店。ちゃんぽんや定食メニューなどを扱うごはん屋さんです。

営業時間:11:30〜14:00.17:00〜22:00(夜は予約制)
定休日:火曜

古本屋でたまたま出会った本を買って、ラブチェアーに腰かけて読む。お腹が空いたらきしゃぽっぽでお昼ごはん。大自然の中の駅で過ごす、贅沢な時間の使い方が頭に浮かびます。

堂々と構える巨木『一心行の大桜』


南阿蘇水の生まれる里白水高原駅から1.5km程のところには、一心行の大桜という九州を代表する桜の木があります。

見事な一本桜で、周囲には柵と見学用のウッドデッキが敷かれています。この桜は島津氏との戦いで命を落とした伯耆守惟冬(ほうきのかみこれふゆ)の菩提樹。惟冬の嫡男は、魂を鎮めるため一心に行をおさめたので、一心行という名がついています。

よく見ると石塔や墓碑のようなものが幹のまわりに並んでいます。

春先の開花時期にはライトアップも行っており、幻想的な姿に早変わり。周囲には大きな木がほとんど無いため、夜の闇に浮かび上がるように咲いていることでしょう。

夏も終わりの時期、今はサクラのまわりで咲くヒマワリが主役です。

クリアな水が湧き出る場所『白川水源』

南阿蘇村の中央を流れる白川。阿蘇山より流れるこの水は、熊本市の中心部を東西に横切り、遠く有明海まで流れます。今回訪問した白川水源は、この川のはじまりとなる水源の1つ。
明治初期に熊本県は白川県という県名だった時期もあります。白川は、それくらい地域を代表する河川なのではないでしょうか。

水源があるのは南阿蘇白川水源駅というそこそこ名前が長い駅から徒歩5分ほどのところ。鳥居をくぐって水源へ向かいます。水源ときくと「山の中の静かな小川」くらいかと考えていたのですが、けっこうにぎわっている観光スポット。周辺にはソフトクリームやお土産販売の物産館、名水仕立てのコーヒー屋さんなどが軒を連ねています。

水源に到着。もっと小規模なものをイメージしていましたが、思っていたよりも大きな池が広がります。水の中を覗くと、底からこんこんと水が湧き出している様子が見えます。毎分60トン、つまり1秒1トンという凄いボリュームで湧き出し続ける水は、キレイなだけではない自然の力強さも感じます。

まるで水彩画のような美しい風景。水中にはメダカが泳ぎ、周辺には黄色いツワブキや紅白のミズヒキソウが咲きます。

この水は直接飲むことが可能。不老長寿、諸病退散のご利益があり、近くで販売している空のペットボトルを使って持ち帰る人の姿も。

水源の隣には白川吉見神社。阿蘇神社の末社で、水源を守護する神社です。

そんな神社の片隅には特徴的なベンチが。先ほどの南阿蘇水の生まれる里白水高原駅でも見かけたラブチェアーだ!ここのラブチェアーは魚が描かれています。どうやら、場所によって少しずつデザインが変わるみたい。

レトロ民俗資料館『昭和おもいで博物館』


白川水源のすぐ近くにある小さな博物館。ブリキ看板が並ぶ外観は、既に昭和の雰囲気を漂わせています。

ここはスタッフ不在の無人博物館。館内はレトロな家電やおもちゃがびっしりと並んでいます。農作業の道具なども並んでおり、民俗資料館のような雰囲気も。

並べられた黒電話や、壁にかかるシカの剥製、アイドルのポスターやブラウン管のテレビ・・・。独特のセンスで雑多な感じに並べられた展示品の数々は、どこか現代アート作品にも見えてきました。

なぜか現れる都営バス(東京都のバス)。現在はみんくるというキャラクターが描かれている上部両サイドのシンボルマーク。この車両では、今は見かけなくなった低公害バスの証であるかたつむりのシンボルマーク「エコツムリ」の姿が!

もはやレトロ枠に入ってしまっているペットロボット・アイボの姿も。この子はまだ生きているのでしょうか。

午後の紅茶駅『見晴台駅』


続いて立ち寄ったのは見晴台(みはらしだい)駅。かつては駅舎の屋上が展望所となっていたそうですが、現在は平屋スタイル。

この見晴台駅、キリン午後の紅茶のCMロケ地として有名となりました。熊本復興支援の一環として作成され、2016〜2018年と3年連続の長期シリーズとなっていました。

そんな見晴台駅に置かれた自販機は午後の紅茶オンリー!「おすすめ!」のシールが貼られていますが、紅茶以外の選択肢ないです。

「CMにちなんだにしてもやり過ぎじゃないかな?」そう思ったのですが、この自販機はもともと撮影用のセットとして置かれたもの。TVCM用でしたら、午後の紅茶オンリーというのも納得。本来なら撮影終了後に撤去される予定でしたが、継続を望む声が多かったため、そのまま現在も設置されているそうです。

時間が逆流!?『高森湧水トンネル公園』

お次は高森駅から1km弱のところにある高森湧水トンネル公園へ。噴水と柳でとても雰囲気の良い遊歩道を進むと、奥にトンネルの入口があります。入場料は300円です。

トンネル内部に広がるのはキラキラ輝くイルミネーション。アンビエントな音楽が流れ、神秘的な雰囲気。ひんやりとした内部は年間17度と一定のため、夏は涼しく冬は温かく感じるそう。

光を反射しながらゆっくりと回転するミラーボールも。この光のアートワークは、ちょっとだけチームラボに来たような感覚です。

ひたすら続く七夕まつり飾り。小学校や企業など、熊本県内の各団体が作成したものが飾られています。個性的な作品ばかりなので、眺めているだけで楽しい。この七夕飾りの装飾は、11月中旬頃にはクリスマスツリーへと変化するそうです。

一番の見どころはトンネル奥地にあるウォーターパール普通の噴水に特殊な音波を加えることで球体に変化させている不思議な装置。眺めていると、空中で水の粒が停止したり、また逆戻りしたりしているように見える不思議な作品。特殊なストロボライトの点滅数によっ残像現象を起こしているそうですが、世界が逆周りに動いているようなちょっとしたトリップ感を味わうことができます。

 

 

最奥部には、岩肌からどばどばと湧き出る水が。

もともとこのトンネルは、日清戦争後に熊本〜延岡(宮城県)間をつなぐ予定のあった軍事産業路線の一環で作られたもの。しかし、計画は廃止となり工事は中断となっていしまいます。その主な原因がこちらの湧き水。工事中に大量の出水に見舞われ、続行することができなかったそうです。
その後、長いことトンネルは閉鎖されていましたが、現在はこうやって親水公園として開放されることとなりました。

南阿蘇鉄道の終着地『高森駅』


時計台のようなかわいい駅舎の高森駅は、南阿蘇鉄道の駅の中で唯一となる有人駅。駐車場も60台とかなり広いです。

ここは南阿蘇鉄道の終着駅。線路は車庫へと続きます。写真右はじに映っている赤いベンチは、もう皆さんご存じのラブチェアー

駅前に展示されているのは生き物のような神様のような不思議な作品。

高森では毎年夏に風鎮祭(ふうちんさい)という祭りが開催されています。五穀豊穣や風しずめを願ったお祭りで、250年続く歴史あるイベントです。そのときに使用されるのがこちらの「造り物」。
豪華絢爛に見えるのですが、よく見ると日用品で作られているのです。黒光りした表面は並べて括り付けられたお椀、黄色いヒゲはモップと、随所にアイディアが光る個性的な作品です。なお、龍のように見えますが「カサゴ」らしい。

 

 


帰りの飛行機の時間が近づいてきたので、4日間の熊本・天草の旅もそろそろおしまい。最後にあと1ヶ所だけ!

この記事を書いた人
chihiro

国内旅行が大好き!車中泊やLCCを駆使して、離島と水族館は100以上・神社仏閣は300以上訪問。都道府県はあとちょっとで3周完了。スケジュール詰め込みがち。実はプログレとソウルが好きなベーシスト。

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コメント

  1. […] ③まだ見ぬ南阿蘇へ 阿蘇山は何度も行っているのですが、南阿蘇村周辺はまだ未訪問。日本一名前が長い駅や白河水源、高森殿の杉などぐるっとまわりました。 […]

  2. […] そして、この椅子も発見しました! 前回の高森線めぐりの際に頻繁に登場したラブチェアー。2人で座ると、必然的に体の距離が近づく設計になっています。 […]

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