「ミフネリュウ」をはじめとした多数の化石が発掘されている御船町。町内にある恐竜博物館には、様々な生物の骨格標本が展示されています。多数の恐竜がぎっしりと詰まった「恐竜大行進」は、今にも動き出しほうな程の迫力です!
御船町の恐竜ミュージアム
熊本県の上益城(かみましき)郡にある御船町(みふねまち)。ふるさと納税にてコスパ抜群なお米や野菜の返礼品を用意していることでも話題の自治体ですが、実は「恐竜の里」としても知られています。
町内には御船町恐竜博物館があり、地域で発見された貴重な化石や世界中から集められた恐竜の全身骨格など、約850点の資料が展示されています。
まるで体育館のような大きな施設。建物の横には迫力ある大きな肉食恐竜の姿も見ることができます。ただし入口からちょっとずれたところに置かれているため、意外と見逃しやすいです。
恐竜専門の博物館は、この「御船町恐竜博物館」以外に、「福井県立恐竜博物館」と2021年にオープンした「長崎市恐竜博物館」があります。意外と数が少ないですが、恐竜を含めた展示のある博物館は東京上野の「国立科学博物館」をはじめ、もっともっとたくさんあります。
化石をたっぷり楽しめる博物館
「太古の世界の探究」・「白亜紀の御船」・「脊椎動物の進化」・「恐竜たちの世界」・「生命と地球」といったテーマで様々な化石が展示されています。
各所には解説「キュラトリアルノート」を見ることができるタッチパネルも置かれています。内容はちょっと難しめで、どちらかというと大人が読むような雰囲気。後で知ったのですが、スマホにてより詳しい内容を読むことができるそうです。
オープンラボという化石の標本制作作業している様子を見ることができるエリアも。令和5年10月1日から無許可撮影が禁止となっていますので、通路部分の写真だけ。
他にも恐竜グッズの販売や、化石発掘体験も行っています。恐竜好きな大きいお友達はもちろん、お子様もたっぷり楽しめるミュージアムです。
恐竜進化大行進
様々な展示の中でもインパクトあるのがずらりと並んだ恐竜の全身骨格標本。
3本の角が生えたトリケラトプスを先頭に、ワニのような大きな口のスコミムス、巨大なブロントサウルスなど、たくさんの恐竜たちがびっしりと展示されています。
全て同じ向きで、なおかつここまでぎっしりとした展示は圧巻。今にも地響きが聴こえてきそうはほどの躍動感があり、通称「恐竜進化大行進」とも呼ばれています。
この恐竜大行進、吹き抜けの2階からも見渡すことができます。もし動き出してもここなら安全な気がするのでちょっと落ち着きますね。
よく見ると、骨格標本のそばには再現模型も。骨だとどんな恐竜かわかりにくい場合が多いですが、イメージしやすいように工夫されています。
ユニークな骨格比較
こちらのショーケースの展示、脚の化石だけが集められていたり、頭骨だけが並んでいたりと様々な種類の恐竜の化石を比較して楽しむことができます。
スクリューのような、もしくはカマのようなこちらの骨も恐竜の化石。鋭く巨大な爪を持つテリジノサウルスの腕なのです。攻撃的なフォルムから獰猛な肉食恐竜かと思いきや、この恐竜は草食性であったと考えられております。この爪は肉食恐竜から身を守るため、エサとなる葉を求めて木を倒すためなどの説がありますが、まだまだ謎が多い恐竜です。
一方、こちらの鍋つかみのようなものも恐竜の手。エドモントサウルスの前脚であり、あえて皮膚の痕跡を残して展示されています。それぞれの生態に合わせて進化した恐竜たちの進化の知恵を実感できる展示です。
進化を続けた古代生物
こちらの模型はトロオドン。羽毛を持った恐竜の一部が鳥類に進化した、というのはもはや定説。そのため、鳥類は恐竜の生き残りと考えることができます。海から陸、そして空へと生活を移していく進化はなんとも壮大です。
ちなみにこの模型、動きます!そして鳴きます!驚かないようにご注意を。
上下に2つ展示された骨格標本。下の黒い骨は、白亜紀に生きたヘスペロルニスという「鵜(ウ)」の仲間。上の白い骨は現代も見ることができるオウギワシ。この2者が生きた時代には6,600万年以上の隔たりがありますが、びっくりするほどそっくりです。
壁を歩いているのはマチカネワニ。現在も見ることができるワニ類は白亜紀よりほとんど姿を変えずに種を繋いでいます。大きな進化をしていないということは、かなり早い段階で地球環境に最適な姿に到達していたともいえるのです。
ほとんどの恐竜は絶滅したのに、一見すると似たような生き物であるワニは絶滅を免れているのはナゼでしょうか。様々な説がありますので、調べてみると面白いです。
日本初!ミフネリュウの発見
1979年、1本の歯の化石が発掘されます。長さ7.3cm、ナイフのようなかたちはカルカロドントサウルスに近い肉食恐竜の歯であることが発覚。日本初となる肉食恐竜の化石であり、ミフネリュウと命名されました。
この化石を発見したのは、なんと小学生!親子で貝の化石を探していたところ、偶然発見されたそうです。館内では、そんな大発見のストーリーを表す映像も流れています。が、音声ボリュームが小さいためあまり聴き取れず・・・!スピーカーに耳を近づければなんとか聞こえました。
すぐ側には白亜紀の御船を再現したジオラマもあります。草食恐竜のハドロサウルスの仲間や、鋭い爪を持つテリジノサウルスの仲間、よく見るとスッポンの仲間の姿も。
太古の昔、このような恐竜がこの地を闊歩していたのかと想像すると、ロマンがありますね!
アクセスと営業情報
熊本駅近くの熊本桜町バスターミナルからバスで1時間弱、「御船町恐竜博物館前」バス停下車後すぐ。車の場合は九州自動車道の御船ICから約10分。
開館時間 | 9:00~17:00 |
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休館日 | 月曜、年末年始 |
料金 | 500円 |
公式サイト | https://mifunemuseum.jp/ |
※掲載の情報は2023年11月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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