新潟県北部の村上市に残る平山城の跡。難攻不落とも呼ばれた堅牢な城郭であり、山中にはいくつかの遺構が残されています。ちょっとした山登り気分で楽しむことができる城跡です。
市街地に残る平山城跡
村上城は、標高135mの臥牛山(がぎゅうさん)に築かれた平山城。「舞鶴城」や「本庄城」とも呼ばれています。
建築は残っておらず、また再現もされておりませんが、石垣や土塁の遺構を見ることができるそう。
ただし、山城であるため麓から徒歩で上る必要があります。道は整備されていますが、山頂までは約20分。動きやすい服装で挑むのがおすすめです。
村上城のヒストリー
登城する前に、ちょっとだけ村上城の歴史をさらってみます!いったい誰が築城した城で、どのような戦いがあったのでしょうか。
村上城は、本庄時長によって造られたお城。築城年は不明ですが1500年代と伝えられています。越後国の内乱である「本庄繁長の乱」では、上杉謙信に離反した本庄繁長が籠城戦を挑み、落城しなかったという難攻不落の城としても知られています。
その後、本庄氏は上杉氏へ帰参。上杉景勝が会津へ転封となると、本庄氏もともに会津へ。その後は、堀秀治の家臣・村上頼勝が領主となります。近世城郭への改築工事が行われ、続く堀直寄が入城すると、天守閣が築かれました。
ときは進み、幕末の戊辰戦争にて村上藩士撤兵の折に全城焼失。その後、残っていた建物も全て解体撤去され、城としての役割を終えます。
1993年に国の史跡に指定、2017年には続日本100名城の131番に選定されました。
七曲道を上り三の丸へ
軽く準備運動を済ませたら、いざ出発!序盤は七曲道と呼ばれるつづら折りの道。ずっと上り坂ですが、道も広く歩きやすいです。途中には休憩できるベンチも置かれています。
7:30頃の早朝であったためか、この坂道でランニングしてる人が多数。地元の人にとっては良い運動場なのでしょうね。
ゆっくり登って駐車場から約10分、立派な石垣が見えてきました。こちらは四ツ門跡。
ここで案内板が登場。左へ進むと三の丸、右へ進むと二の丸・本丸と分かれています。
まずは登って左側、三の丸へ。特に遺構などは見えず、のどかな雰囲気の広場。調練場跡、玉櫓跡、靭(ゆき)櫓跡などを見ることができます。
そびえ立つ石垣
二の丸方面へ進むと、見えてくるのが御鐘門跡。打込接という工法で積まれた立派な石垣、S字クランクのようにうねる道は、防衛機能が高そうです。
そして、その奥に見えて来るのが出櫓跡。ここにきて大迫力の石垣が登場。こんな山の上にこれだけのものを造り上げたのはスゴイです!
出櫓跡の奥にある本丸へと続く、冠木門跡。ここを登れば山頂が見えてきます。
開放的な本丸跡
こちらが村上城の本丸跡。標高135mと数字だけ見るとそれほど高い山ではありませんが、平野の真ん中にあるため眺望は抜群。村上の街並みと日本海を広く見渡すことができます。
本丸の一角にある天守櫓跡。天守は1667年の落雷で焼失、以後再建されることはなかったそうです。
実は1985年に一同だけ天守が建ったというエピソードも。1500人の人々の力で山頂へ資材を運び、パネルを貼り付けて一夜城を作成するというイベントがあったそうです。市民の願望であった天守は5日間限定でライトアップされ、燦々と輝いていました。
(これについては、近くに建つ郷土資料館「おしゃぎり会館」にて展示がありました。)
駐車場→三の丸→二の丸→本丸→駐車場というコースで、ゆっくりめぐって1時間弱。通常のお城よりはハードかもしれませんが、自然の中を歩く楽しさもあり、とっても満足できる城歩きでした。何より、ルートのほとんどが木陰というのが物凄く良かったです!
アクセスと営業情報
登城口の近くに無料駐車場を備えています。
開門時間 | 24時間 |
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料金 | 無料 |
公式サイト | https://www.city.murakami.lg.jp/site/kanko/oshiroyama.html |
※掲載の情報は2024年5月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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