レンタルした長靴を装備して暗く湿った洞窟を抜けると、そこはシダの葉が茂る幻想的な空間。崖に囲まれた秘密の庭が広がり、まるで深い山の中に迷い込んだような気持ちになれます。さらに奥へ進むと小さな滝も姿を現します。
駐車場と最重要アイテム「長靴」
伊尾木洞は意外にも鉄道駅が近くにあります。土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線の伊尾木駅が最寄り駅で、そこから徒歩10分ほど。
車で行く場合、洞窟入り口に駐車場は無いためナビにまかせる場合は注意が必要です。 国道55号線沿い、伊尾木駅の近くにあるスーパーKマートが伊尾木洞のオフィシャル駐車場。
敷地内には無人の伊尾木洞観光案内所もあります。 この観光案内所では、長靴のレンタルが可能!
伊尾木洞は水が流れる洞窟。また、マムシが出ることもあるそう。 何か強いこだわりがある場合を除き、とりあえず長靴を借りた方が良いです。
借りられる長靴はとっともピカピカです!
真っ暗な洞窟へ突入
駐車場から信号を渡るとすぐに見えてくる洞窟。ここが伊尾木洞の入口です。
コウモリが生息しているため電灯は無く、ライトなど照明器具の使用も禁止されています。真っ暗な洞窟を進むのは勇気が要りますが、50メートルほどの短い洞窟なのですぐに向こうからの光が差し込みます。
洞内は奥に進むにつれてどんどん広くなるため、圧迫感もありません。ただし、足元に水が流れており、天井からもけっこうな勢いの水が滴っています。多少濡れても良い服装が好ましいです。
広がるシダ植物の楽園
抜けた先は大きな崖に囲まれた神秘的な空間。
先ほどまでは、国道沿いの住宅街の風景だったのですが、一瞬で深い山奥に来たような空気。洞窟をくぐることで、違う世界に来てしまったような錯覚すら覚えます。
ここはシダ植物が生い茂る、シダの楽園。ツヤツヤした葉っぱのホウビシダや、葉から芽が生えるコモチシダなどを中心に、40種類ものシダが集まっているそう。それぞれはそこまで珍しくないのですが、一箇所に集まっているのはとてもレアで、国の天然記念物に指定されています。
滝をめざすぞ!
シダの広場の先は沢沿いに道が続いており、そこを進むと滝まで行くことができます。
以前は案内など無い中、どこまで行けるかもわからずに進んで行った結果、たまたま滝を見つけることができました。今はきちんと滝まで「300メートル」といった案内が出ています。
ここまで来たし、せっかくなので行ってみよう!
足場の悪い沢沿いの道を進んでいきます。長靴を借りていれば、水の中も気にせず歩いて行けるので、しつこいですが長靴レンタルが本当におすすめです。
途中、沢に掛かる橋を渡ります。少々不安になるタイプの橋ですが、手すりのロープがあるのは心強い。
洞窟入り口から歩くこと約15分、ついに滝に到着!! 記憶に残っているよりも小さく感じるのは、私が大きくなったのでしょうか。 見応えがある滝ではありませんが、険しい道を越えた先にあるため、達成感があります。
滝の先に続く道
以前ここまで来たとき「この滝の先にある斜面を登ると素敵な景色が広がっているのでは?」と、根拠の無い希望のもと、さらに先に進もうとがんばって登りました。 しかし、登った先は強力な藪が茂っており進むことも休むこともできない状態。そのときの私に「苦労して乗り越えた先が必ずしも理想の世界ではない」という、空っぽの宝箱のようなことを学ばせてくれました。
しかし、今回は整備された道を発見!ついにこの先へ進めるぞ! 階段を登ると沢から離れた林の中へと道が続いています。獣道のようにも見えますが、意外と歩きやすい。
あっという間に橋が見えてきました。この橋を渡ると普通の世界に戻ります。
滝の先には、結局のところ特に見どころなどはありませんでした。私のように、そこに道があったら進んでしまうタイプで無い方は、滝で引き返した方が良いかと思います。
舗装された道路を駐車場まで戻ります。畑の中にぽつぽつと民家が並ぶ静かな道。水の貼った田んぼは空を映していてとても美しい。田んぼの奥にうっすらと太平洋が見えるのも素敵です。
おまけで2012年の伊尾木洞
少し前の伊尾木洞は、壊れそうな橋を渡ったり、倒木を乗り越えて進んだり、沢に落ちないように木の根につかまりながら斜面を登ったりと、ちょっとしたアドベンチャー気分を感じ取れる場所でした。
現在の伊尾木洞は観光案内所、長靴レンタル、案内板やガイドロープなど、観光客を意識し整備されているため、とても快適に進むことができます。
でも、私が一番気になっているのはそこではありません。 かつての伊尾木洞は、入り口の洞窟を抜けた先の広場にシダ植物に囲まれた3体の彫像が置かれていました。
この像たちはいったいどこへいったのでしょうか・・・? 撤去されてしまったのか、植物に包まれて消えてしまったのか・・・何か知ってる方、教えてください!
7年ぶりの訪問となると、懐かしい気持ちがいっぱいです。あの頃の自分と今の自分、変わったことも変わらないこともたくさん。時の流れを感じて感傷にひたりたい気分になってきました。そんな中で一番やばいのは、私の服装がほとんど変わっていないこと・・・。何年同じ服を着るのだろうか・・・。
さて、日も暮れたのでそろそろ高知市内へ・・・待って、あと一か所だけ寄り道させて!!
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