圧巻の花景色!ファンタスティックな植物園『牧野植物園』(高知市)

高知県

植物博士・牧野富太郎ゆかりの植物を中心に、野生植物や園芸植物を集めた植物園。アーティスティックな建築や、トロピカルな温室も美しく、ただの植物園ではない魅力が詰まっています。1月という冬場ですが、かなり楽しめました。

営業時間:9:00~17:00
料金:730円
訪問日:2020/01/26(日)

牧野植物園へのアクセス

牧野植物園は、五台山(ごだいさん)公園という山の上にあります。
高知駅からは距離がありますが、MY遊バスという周遊バスで30分ほどでアクセスできます。ただし本数は少なく1時間に1本ほどしかありません。利用する場合は、行きと帰りの時刻表チェックをお忘れなく。

車で向かう場合は、高知駅から約20分ほど。

植物園へ向かう山道は一方通行となっています。途中には山頂展望台がありますが、先に植物園に行ってしまうと後戻りできません。もし展望台に立ち寄る予定の方は、植物園に行く前に寄るのがスムーズです。

展望台はそれほど高い場所ではありませんが、とても眺めが良いのでふらっと立ち寄るのにもおすすめです。

高知県は各地に銅像がありますが、ここにはライオン宰相と呼ばれた第27代総理大臣・浜口雄幸の像が。この方も高知県出身だったのですね。

さて展望台を抜けて牧野植物園へ。「正門」と「南門」の2つの入口があります。駐車場は正門の前にあるため、車の方は正門から入るのが普通かと思います。

牧野富太郎記念館本館は正門、温室は南門のそれぞれすぐのところにあります。目的が決まっている方はそれに合わせて入口を選ぶと良いかもしれません。

日本を代表する植物学者・牧野富太郎

高知県出身の植物学者・牧野富太郎という人物をご存知でしょうか。

2,500種以上の植物に命名、新種発見も600種、さらには日本で最初の図鑑である「牧野日本植物図鑑」を発行、50万点に及ぶ標本の作成などその業績は枚挙に暇がありません。その功績から「日本の植物学の父」と称えられ、彼の生まれた5/22は植物学の日に制定されています。

この植物園は、「高知県には植物園、博物館が必要である」という博士の要望により、1958年に設立されました。

広大な山上の植物園

園内はとても広い。山上にあるため空気も美味しく、歩いているだけでも何だか気分が良くなってきます。道に迷いそうですが、あちこちに案内板や見やすいマップがあるため快適な散策が可能です。

ウッドデッキの展望台からは、街並みや山の向こうに広がる太平洋が見渡せます。

さらに植物にはかなり細かく解説付きのネームプレートが付いています。気になる植物を見つけた際、すぐに名前がわかるのは嬉しい。

デザイン性の高いミュージアム

広い園内には、牧野富太郎記念館本館と牧野富太郎記念館展示館という2つのミュージアムが建っています。牧野博士の生涯や植物の世界について様々な展示がされており、これだけでも充分楽しめます。

展示内容だけでなく、建物のデザイン性が高いのもポイント。建築は山代温泉新総湯や、富山県立美術館、天心記念五浦美術館などを手掛けた内藤 廣(ないとうひろし)。カーブを描く回廊は、まるで美術館のようです。

気になる植物

散策している中で、私が気になった植物を数点紹介します!

『フトイ』

髪の毛のように伸びる多年草。全然太くないのになぜフトイなのでしょうか。このフトイという名前、「太い」ではなく「太藺」と書きます。「藺」は藺草(イグサ)のこと。太いイグサなのでフトイと呼ばれているのです。しかし、実際にはイグサの仲間ではなく、しかもイグサに似てもいないとのこと。もう何がなんだかわからなくなってきました。

『ビロードムラサキ』

牧野博士が五台山で採集、新種として発表した植物。白くてディッピンドッツみたいな実を実らせています。名前の由来は、葉の裏がビロードのような質感で、花がムラサキ色のため。

『ツチトリモチ』

巨大なロウソクのようでインパクトのある植物・・・よく見ると模型でした。牧野博士が新種として発表した植物のうちの1つ。この模型は50cm以上ありますが、実物はもっと小さく10cmほど。

冬に咲く花

今回訪れたのは1月の後半。ウメやサクラにはまだ早い真冬の時期なので、花はほとんど無いのでは・・・そう考えていたのですが、植えられている品種の多さと、高知の温かい気候が相まってかなり多くの花を見ることができました。

『リュウキュウカンヒザクラ』
梅のような桃のような花ですが、サクラの原種の1つ。この木にはメジロが数羽とまっていました。ズームのきくカメラをお持ちの方は、花鳥画のような写真を撮ることができるのではないでしょうか。

『ユキワリイチゲ』

渓谷沿いや竹林に生える多年草。花びら1cmほどの小さな花はうっすらと紫がかった白色でとてもかわいらしい。

『ミツマタ』

名前の通り、3つに分かれた枝をもつ低木。なんだかモコモコした蜂の巣のようなツボミからは、黄色い花がちらちらと顔を出しています。製紙原料として栽培されており、紙幣にも利用されている植物です。

『キバナアマ』

とにかくたくさん咲いているのをみかけたのがこちら。花期が11~4月と非常に長い期間楽しむことができます。雲南月光花(ウンナンゲッコウカ)やレインワルティアといったかっこ良さげな別名も。

トロピカルな温室

植物園といえば定番の温室!高温多湿に造られた空間では、日常生活では出会うことができない熱帯・亜熱帯のユニークな植物が育つ別世界が広がります。多くの植物園で見ることができる施設ですが、ここ牧野植物園の温室は普通の温室とは一味違います。

入口は無骨なコンクリート仕立てでとても地味な印象。

一歩足を踏み入れると、明かりが降り注ぐ神秘的な空間へ。広がる石の壁と生い茂るシダ植物、壁に延びるアコウの根が、ジャングル奥地の古代遺跡に迷い込んだような気持ちにさせてくれます。

その先に広がるのはカラフルなフラワーウォール。色鮮やかなランの花が一面に咲き乱れる、圧巻の演出。誰もがカメラを構えるフォトジェニックな世界です。

入口からインパクト抜群でしたが、温室内部もトロピカルな雰囲気全開でとっても華やか。カラフルな花が随所に咲く、ポップでかわいらしい空間。

少し気になったのは、どこを見ても花がきれいに咲いているところ。高さや場所を問わずこれだけの花が並ぶのは、まるで造花のインテリアのようで少し不思議な感じがします。いったいどのような植え方をしているのでしょうか。

よく見ると、地面や鉢ではなく苔玉に花を植えているのです。苔玉は柱や樹木などにくくりつけることができるので、様々なポイントにデコレーションすることが可能となっているのです。


※咲いている花はランがメインなので、もしかしたら冬限定かもしれません


普通の植物園かな、くらいに思っていたのですが、想像以上に魅力的な空間でした。1月でこれだけ楽しめたので、もっと花が咲く4月や5月に訪問したら、どれほど素敵なのでしょうか・・・。次はまた違う季節に訪問しよう。

お次は高知県を代表する観光地、桂浜へ。高知に来るのは三度目ですが、実は初桂浜です!わくわくしてきました。

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