友ヶ島に行かなくても味わえる戦争遺跡『深山砲台跡』(和歌山市加太)

和歌山県

加太の沿岸部に眠る戦争遺跡。木々に隠れるように存在するレンガ積みの弾薬庫や砲台跡は、当時の面影を色濃く残しています。気軽に廃虚を味わいたい方におすすめの場所です。

訪問日:2019/5/5(日)

戦争遺跡を思いっきり堪能するには和歌山県にある離島・友ヶ島!友ヶ島行きの船が出る港は加太駅から歩いて行けるため、比較的アクセスしやすい離島です。

でも、友ヶ島に行く場合、船の往復や島内での移動を考えると半日〜1日くらいかかってしまいます。もっと気軽に遺跡に行きたい方におすすめなのが、今回紹介する深山(みやま)砲台跡です。

深山砲台跡へのアクセス

深山砲台跡は休暇村紀州加太から伸びる遊歩道にあります。車で行く方は、カーナビを休暇村にセットすると良いかと思います。車が無い方は、加太駅から出る休暇村の無料送迎バスが1時間に1〜2本出ているそうです。

休暇村の駐車場から砲台跡までは徒歩10分ほど。休暇村への坂道を登る途中、最後のカーブにある駐車スペースに停めるとさらに近いのでおすすめ。

砲台跡への道は、うっそうとした森の中。落ち葉の多い登り坂ですが、きちんと整備されているので歩きやすいです。

石垣が見えてくると、砲台跡はもうすぐそこ。すぐに地下へつながる階段があるので、見逃さないように!

ここまで、坂道の駐車場から5分ほどです。

暗闇の戦争遺跡

階段を降りると、そこに並ぶのは倉庫の入り口。イギリス積みのレンガがノスタルジックな雰囲気です。

内部は真っ暗なのでライトは必須です。写真を撮るにも、フラッシュを焚かないとさっぱりです。

倉庫周辺は立体的な構造で冒険心をくすぐってきます。筒状のトンネルの中を抜ける橋は、下に降りることも可能です。

こちらの深山砲台跡を含む加太要塞は明治時代に大阪湾の警備のために造られた軍事基地。「友ヶ島」「淡路島の由良」と合わせて由良要塞を形成していました。

そこに海の向こう側の徳島県にある鳴門要塞を吸収合併、1903年には4地区となります。しかし、太平洋戦争においても出番はなく、そのまま戦後米軍によって解体されました。

忍び寄る恐怖・・・!

この加太要塞を含む由良要塞の戦争遺跡群は、その雰囲気からゲームや映画の舞台となることも。有名なところでは、和風ホラーゲーム「サイレン2」や映画「彼岸島」などで使用されています。

さすがに吸血鬼や屍人は出てきませんが、遺跡を訪れる人に襲いかかる恐怖が・・・!

それは虫!!


※念のためモザイクかけました。

真っ暗な倉庫内でライトを照らしてみるとカマドウマがたくさん!何かしてくるわけではありませんが、いきなりいるとびっくりします。

5月はケムンパスもたくさん。ここで見かけた種類はかなりアクティブ。そこかしこで地面を走り回っています。踏まないように歩くのも大変ですし、立ち止まっていると靴に登ってくることも・・・!

さらには木の上から落ちてくるシャクトリムシも!頭上からも襲撃があります!

全方向への注意が必要です!!

どこから敵が現れるかわからない……
虫がニガテな方には、まるでアクションゲームのようなスリル満点の遺跡めぐりとなることでしょう。視界ジャックを習得するか、汎用性の高い武器・丸太の持参がおすすめです。

砲台跡と展望台

倉庫の先にある広場。ここは、かつて大砲が設置されていた砲台跡。

砲台跡って、もっと見晴らしのよい場所にあるかと思っていたのですが、レンガの壁に囲まれています。

当時の砲台は放物線を描いて飛ぶため、このように壁に囲まれていても大丈夫だったようです。これで狙いを定めるのは相当な腕前が必要だったのではないでしょうか。

要塞を抜けると、見晴らしのよい展望台へ。海に浮かぶ友ヶ島が見えます。

昔、友ヶ島で知り合った台湾出身のデスメタルVocalist(女性)は今頃何しているんだろう。頭の中で、そんな回想シーンがはじまりました。


加太の海水浴場で見る夕陽。長旅もこれでおわりかと思うとなんだか切なくなります。明日は東京へ帰ります。

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