進化を続ける超古参な水族館『須磨海浜水族園』(神戸市)

兵庫県

「スマスイ」の愛称で知られる須磨海浜水族園は、多種多様な生き物を飼育・展示する見所たっぷりな水族館。日本最古とも称される水族館であり、現在まで何度も姿を変えてその歴史を刻んできました。その進化は令和となった現代においても未だ留まるところを知りません。

2024年に予定しているリニューアルオープンに向けた園内再整備工事のため、一部エリアは見学できなくなっているそうです。
訪問日:2018/1/14 (日) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

見どころ詰まった水族館

神戸の中心部から少し離れた須磨区の海辺に立つ須磨海浜水族園。1957年オープンという超老舗な水族館であり、大型水族館の元祖でもあるという、日本の水族館の歴史で非常に重要な施設です。

本館にて入館者を出迎えるのは、波の大水槽。1,200トンという巨大な水槽には、コワモテで有名なサメ「シロワニ」や、ひらひら泳ぐ「マダラトビエイ」などのサカナたちが悠々と泳いでいます。優雅な大型軟骨魚類たちの姿は、ずっと眺めていられそうです。

アマゾン館にはトンネル水槽も。優雅に泳ぐ「ピラルク」や「レッドテールキャット」などの大型淡水魚は見ごたえ抜群です。辺りにはタビビトノキなどの熱帯植物が植えられており、南国な雰囲気に仕上げられています。

いろんな生き物がたっぷり

多様な生き物を飼育していますが、私が個人的に気になった水槽を勝手に紹介します!

これでもかと詰まったてんこもりなアナゴ。狭くてかわいそうに見えますが、アナゴの他人との快適な距離感は人間のそれとは違うはず。きっとすごく落ち着くのでしょうね。

マイワシはもっとてんこもり。ここまで大量だと、水槽の中身がまったく見えません。狭くてかわいそうに見えますが、イワシの他人との快適な距離感もまた人間とは違うはずです。

巨大なタカアシガニもいます。ラスボスの風格が漂う姿ですが、なぜか「てへっ」のポージング。

他にも、マゼランペンギンやゴマフアザラシなど、人気者な生き物がたっぷり!きっとあなただけの”推し”が見つけられるはずです。

知識の増える水族館

エンタメ精神あふれる水族館ですが、マジメに楽しむこともできるのがスマスイの良いところ。

一部の水槽にはそれぞれにテーマがあり、解説がついています。どれもわかりやすく「水族館にちゃんと魚を見に来た人」も満足できる内容です。

さらにこちら、カイメン水槽からはじまり、原生動物、イソギンチャクやクラゲの刺胞動物など生物の進化をたどるように水槽が並んでいます。順番に眺めていけば、生物進化の長い長い歴史を一瞬で経ることができてしまいます。

かなりマニアックな生き物だらけなので、人とは違う推しが良い「同担拒否」な方にぴったりのエリアです!

夜の水族館も開催

さてさて、写真が全て薄暗いのには理由があります。私が訪問したときには、営業時間が延長された「アクアイルミナージュ」開催中。

波の大水槽の上部にはプロジェクションマッピングで華やかな生き物たちが映し出されます。

ピアノとストリングスのロマンチックなBGMも聴こえてきました。水族館に雰囲気を求める私にとって、この空間はヤバい!一瞬でスマスイの虜になってしまいました。

さらに特別公演のイルカナイトライブも。幻想的なマッピングとイルカショーのコラボレーション。音と光に合わせて繰り広げられるイルカたちの華麗な演技に目が釘付けです。

館内だけでなく、屋外エリアにも光の演出が。あざやかなイルミネーションはうっとりしますが、冬なのでちょっと寒いです。

他にもGWや夏休みなど特定期間にも「夜の水族館」は開催されているようです。普段とは違う幻想的な姿は魅力がたっぷりでおすすめです。

日本最古の水族館?

スマスイのルーツは1897年に開設された「和楽園水族館」。神戸市で開催された第2回水産博覧会の目玉として開かれた施設です。といってもこのときは会期中のみの設営で、博覧会終了後は湊川神社に移されるも閉館します。

スマスイの本館では、和楽園水族館の建築模型もさりげなく展示されていました。

その後、1930年の神戸海港博覧会に合わせて湊川水族館がオープン。しかし、太平洋戦争の激化により閉鎖、空襲により焼失してしまいます。戦後となった1957年須磨水族館がオープン。「東洋一」とうたわれるほど、大規模なものであったそうです。さらに1987年に現在の形へ姿を変え、名称も須磨海浜水族園となりました。

長い歴史を持つスマスイは日本最古の水族館と言われているそうです。かつて日本最古の水族館は東京上野の「うおのぞき」だと聞いたことがありますが、どちらが最古なのでしょうか。

調べてみると、うおのぞきが解説されたのは1882年と和楽園水族館よりも古いです。しかし、こちらは淡水魚の水槽を並べただけの展示施設。濾過設備を備えた本格的な水族館は和楽園水族館からはじまったようです!

また、今でこそ当然のように使っている「水族館」という名称はこの時に初めて使われたといわれています。もしスマスイに訪問される際は、そんな長い歴史を噛み締めながら見学してみるのも面白いかもしれません。

■現存最古の水族館は別の場所
スマスイは何度か代替わりしておりますが、富山県の魚津水族館は1913年のオープン以降現在まで歴史が続いています。そのため、「現存最古」というコトバを使う場合はこちらが該当となります。

2024年リニューアル予定

さて、スマスイの進化はまだ止まりません。スマスイは2024年のリニューアルに向けて着々と準備を続けています。

2023年1月時点では本館は営業中ですが、こちらも5月には一時閉館となり大規模な工事が行われるそうです。

リニューアル後は「神戸須磨シーワールド(仮称)」という名前に変わり、なんとシャチがやって来るそうです!現在は「神戸市立須磨海浜水族園」と市営の施設ですが、リニューアルに併せて民営化が決定。7社で構成する企業グループが運営するそうですが、その中に「鴨川シーワールド」を運営するグランビスタホテル&リゾートが。海獣たちの迫力のパフォーマンスが楽しめる鴨シーのノウハウを受け継ぎ、さらにパワーアップするスマスイに期待が高まります!

あれ、須磨海浜水族園から神戸須磨シーワールドになるということは、愛称も「スマスイ」ではなく「須磨シー」になるのでしょうかね・・・?その辺りもちょっぴり気になるところです。

アクセスと営業情報

JR線の須磨海浜公園駅から徒歩5分、山陽電鉄の月見山駅から徒歩10分。

開館時間 9:00~17:00
休館日 水曜
料金 700円
公式サイト https://kobe-sumasui.jp/

※掲載の情報は2023年1月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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