どの角度が好き?驚きの白さの現存天守『姫路城』(姫路市)

兵庫県

現存天守の中で最大の大きさを誇り、国宝にも指定されている姫路城の天守閣。内部へ足を踏み入れると、江戸時代の建築を感じることができます。人々に愛された天守は幾度となく修理が行われており、その美しさを未来へとつないでいます。

訪問日:2018/1/14(日) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

日本を代表する城郭

姫路城のルーツは1346年に赤松貞範により築かれ小規模な砦といわれています。その後、黒田重隆や羽柴秀吉など歴代城主によって改修され、関ヶ原の戦い以降に入城した池田輝政によって現代のような巨大な城郭へと姿を変えていきます。

明治、昭和と大修理が行われ、その姿を現在まで保ち続けてきた姫路城は、国宝にも指定。「国宝五城」「三名城」「三大平山城」など様々な称号を持つ日本を代表する城郭です。

どこまでも真っ白な姫路城の天守閣の別名は「白鷺(しらさぎorはくろ)城」。2015年には6年に渡る「平成の大天守保存修理」が無事竣工。その白さがさらに増し、一部では「白すぎ城」とも呼ばれるようになります。

少し斜めから見ると、複数の建物が連なる連立式天守の姿へ。正面からの写真が有名ですが、少し角度を付けてみた方がかっこいいです。姫路城は見る角度によって大きく姿を変える天守閣。人それぞれ好みが分かれそうです。

ちなみに天守閣の入城料は1,000円!他のお城に比べるとかなり高額ですが、姫路城のためならこれくらい安いもんです。

現存天守あるある

現存天守というコトバをご存知でしょうか。江戸時代以前に造られ、天守閣が残っているお城のことをこのように呼びます。戦国時代・江戸時代の一国一城令や明治時代の廃城令、地震や火災などの災害、そして太平洋戦争の戦災・・・。様々な障害を越えて現存している天守はたった12城しかありません。

姫路城はその現存12天守の中でも最も大きく立派な天守を持つお城なのです。そんな天守は、再建された天守とは異なるポイントがいくつもあります。

<現存天守あるある①:靴を脱ぐ>
現存天守は全て木造。床を痛めないためにも、基本的に靴を脱いで入城となります。姫路城に下駄箱はありませんのでビニール袋にマイシューズを入れて持ち歩くことになります。重い靴やロングブーツはちょっとだけ大変。

<現存天守あるある②:空調が無い>
姫路城の天守は薄暗い地階からスタートするのですが・・・寒い!!当然ですが、江戸時代以前の建築なので暖房設備などは完璧ではありません。冬場に訪れると、建物内であるにも関わらず吐く息が白いことも。

<現存天守あるある③:展示が少な目>
姫路城の天守を進んでいると感じるのが展示の少なさ。再建天守の多くはきちんとした歴史博物館として整備されておりますが、当時のままの現存天守は派手な展示はほとんどありません。展示物より建築を見て楽しむ感じです。

<現存天守あるある④:急すぎる階段>
フロアを移動する際に現れる急階段。かろうじて手すりや滑り止めがありますが、もはやハシゴと読んでも差し支えないほどの階段も。武士はハカマでこんな階段を上り下りしていたのでしょうか。

現存天守ならではの魅力

展示は少な目ではありますが、その歴史的に価値の高い建築はそれを補ってあまりあるほどの凄みがあります。建築の知識が無くても、「これは、どのように活用していたのだろうか」と想像してみるだけでも楽しいです。

随所に設けられた「破風の間」。お城の屋根を飾る破風(はふ)がそのままスペースになった、ちょっとした屋根裏空間です。どのような利用がなされていたのでしょうか。

ここは刀や長刀、火縄銃などを置いていた「武具掛け」。随所に見かけることができるので、非常に多くの武器を蓄えていたことが想像できます。

城外の敵を監視したり射撃するための足場として設置された「石打棚」。武具掛けとともに、あくまで戦うことを念頭において造られた城ということがひしひしと伝わってきますね。

このような歴史的な建築物に入ると、現代人がここで暮らしたらどんな生活になるのか考えてしまいます。「破風の間」は仕切りで区切って秘密の部屋を作りたくなります。「武具掛け」には木の板を乗せておしゃれな棚にアレンジできそう。ロフト風な「石打棚」はどうしよう・・・。寝るには少し幅が狭いし、物置にするのにも適さなそう。とりあえず下段を収納にして、日当たり良好な上段には観葉植物を並べてみたいところです。

パノラマ広がる最上階

ついに大天守6階の最上階までやってきました!

天守閣の高さは31.5mであり、石垣が14.85 mもあります。さらに、天守閣が建つ姫山の標高は45.6m。合計すると海抜92mという高さ。見晴らしは抜群で、鉄格子の窓越しに姫路の街を一望できます。

足元に広がる姫路城公園を見ていると天守閣に迫るたくさんの人々。まるで敵軍が攻めてきたかのような気持ちになってきました。

このフロアにはここ姫山の地主神である刑部(おさかべ)明神を祀る、刑部神社があります。この刑部明神は、姫路城に住まう妖怪「刑部姫」であり、祟りを恐れた池田輝政がこの場所に祀るようなったという伝説も残っているそうです。

写真撮影もお忘れなく

さてさて、一通り見学を終えて出口へ向かいます。天守を出た後に振り返ると、目の前にそびえ立つ大天守の姿!こんな間近で見ることができるのは、天守閣に入城した者だけの特権です。

さらに回り込むと、小天守と大天守が連なる姿を間近で見ることができます。見る角度によって姿を変える姫路城天守閣ですが、この角度が一番かっこいいです。天守に入城された際は、最後に写真撮影をお忘れなく!

天守閣を出て歩いていると白くて丸いものが動いてました。こちらは姫路のゆるキャラ「しろまるひめ」。よちよち歩きがかわいすぎす姿。運よく出会えたらこちらも写真撮影お忘れなく!

アクセスと営業情報

姫路駅から徒歩20分。バスを利用する場合は、姫路駅から約3分のバス停《姫路城大手門前》で下車後、徒歩5分ほど。

開城時間 9:00~17:00
休城日 12/29, 30
料金 1,000円
公式サイト https://www.city.himeji.lg.jp/castle/index.html

※掲載の情報は2023年1月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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