SNSでもよく話題となる、木々に包まれた静謐な池。美しい緑に包まれた水面は、外の世界を余すことなく映し出し、幻想的な光景を作り上げます。神秘的な姿ですが、実は人工の池とのウワサが・・・
アクセス良好な神秘の池
御射鹿池(みしゃかいけ)は、長野県茅野市の蓼科高原にあります。池周辺には広い駐車場が完備されており、アクセスは良好。バス専用の駐車場もあるので、バスツアーにも多く組み込まれているのでしょう。
御射鹿池は駐車場からすぐ目の前。もっと森の奥にあるイメージでしたが、以外にも道路に面しています。そのため、サンダルなどの軽装でも全く問題ありません。
池の周囲は柵で囲まれており、近くに降りることはできません。道路に面した一方向からの観覧となります。
深いグリーンの水面
グリーンの水を湛える御射鹿池。すらっと伸びたカラマツに包まれる静謐な姿は、眺めていると穏やかな気持ちにさせてくれます。
面積は1.3ha、最大水深は8mという小さな池ですが、古くは日本画家・東山魁夷(ひがしやまかいい)の「緑響く」のモデルとなり、近年ではAQUOSのテレビCM撮影などの舞台に。SNSでもよく話題となる場所です。
美しさの理由
美しさの秘密の一つが「リフレクション」。湖面には周囲の木々が映り込み、まるで水中に別世界が広がるような錯覚を感じます。
このリフレクションを作り上げる要因として挙げられるのが、酸性の水であること。サカナなどの生物がほとんど棲息していないため、水の透明度が上がっているそう。
また、底には酸性の水に強いチャツボミゴケというコケが生えていることも、映り込みを美しくしていると考えられています。水の中の様子はなかなか見えませんが、池から流れる水路でこのコケを観察することができます。
キレイに撮るには
リフレクションを狙うならば、太陽が登る前の早朝がベスト。雨や風があると湖面が波立ってしまうので、天候も大事です。グリーンを狙うならば新緑の4〜6月頃、紅葉を狙うならば10月頃がおすすめです。
(私は今回7月下旬の6:30頃に訪問したところ、このような光景を見ることができました。)
また全体を撮ろうとせずに、一部をクローズアップした方が、より絵画らしい幻想的な世界が写せます。
以前、岐阜県にあるモネの池について書いたときは、「加工も大事」と書いたのですが、この御射鹿池はタイミングさえ合えばあまり派手な加工をしなくてもそれっぽい写真が撮れます・・・!
実は人工の池?
「御射鹿池」という諏訪の信仰にも関わりが深そうな名前や、柵で囲まれて立入禁止となっている姿から非常に神秘性を感じます。
何か古来より神事が行われる場所であったりするのかな、そう思ったのですが、この池の歴史はそれほど深くありません。
この御射鹿池は、農業用の温水溜池として1933年に作られたもの。八ヶ岳から流れ込む水は冷たすぎて農業に適さないため、この池で日に当てて温めて農業用水へと転換していました。
つまり、御射鹿池は「人工の池」ということになります。
このように書くと「なんだ、人工か・・・」と萎えてしまう方がいるかもしれませんが、別に観光目的で造ったものではなく、あくまで生活のために作ったものがたまたま美しかったというだけの話。
このパターンは北海道の「白金 青い池」や千葉県の「濃溝の滝・亀岩の洞窟」と似ていますね・・・!
アクセスと営業情報
JR中央本線の茅野駅からバスで約45分のバス停《明治温泉入⼝》下車、そこから徒歩10分ほど。(※2021年7月現在、土日祝日のみの運行)
車の場合は中央自動車道の諏訪ICから約30分。無料の駐車場が多数あります。
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