絵画のような『根道神社のモネの池』はなぜこんなに美しい?(関市)

岐阜県

まるで絵画のような美しさで話題を呼ぶ名もなき池。あざやかなニシキゴイと水生植物が幻想的な世界を作り上げます。ただの溜池がなぜこんなにキレイなのか、その美しさの理由についても考えてみました。

2020/11/22(日)

モネの池と呼ばれる溜池

根道神社の鳥居に向かい右側に広がる小さな池。湧水により自然にできた名もなき池ですが、近年SNSで大きな話題を呼びました。

その理由となったのが、この美しさ。

クリアな水にスイレンやコウホネといった水草が浮かび、そこに色鮮やかなニシキゴイがゆったりと泳ぎます。まるで絵画のようなこの光景は、「モネの池」という愛称で親しまれています。

全てはコイの気分次第

この池をキレイに撮るなら、鮮やかなニシキゴイのフレームインが必要不可欠。しかし、気分屋のコイはなかなか良いところに来てくれません。

コイといえば人を見ると集まってくるイメージがありますが、それはエサやりが行われている場合の話。この池は一般人の餌付けは禁止となっているため、人を見ても群がってきたりはしないのです。

やっぱり池のグリーンに映える、紅白やゴールドのコイが人気ですが、多くは黒い真鯉。カラフルなニシキゴイは少なめです。

「こっち来て!!」と念じても、コイには届きません。目当てのコイが来るまでは、辛抱強く待つ必要があります。

美しさのヒミツ

ただの池が、何故こんなにも美しいのか。普通の池とは何が違うのでしょうか?そのキレイさのヒミツとなる4つのポイントを見つけたので、まとめてみました。

①クリアな水
底までくっきりと見える透明感のある水は大事な要素。流紋岩から流れる水は、養分が少なく微生物が育たないためこのようなクリアな水となっています。

②底の白さ
池のグリーンを際立たせているのが、底の白さ。通常の池なら泥や石が底を占めていますが、この池は不思議なほど白くなっています。この周辺では石英質の白っぽい岩が多く、その砂が底に多く堆積しているため、このような色味となっているそうです。

③水生植物の繁殖具合
池の中心部には、常に水が湧き出る「湧水ポイント」があります。底から水が流れ出ているため植物が根を張り辛く、生い茂ることができません。そのため、植物がまばらに生えた独特な雰囲気を作り出しています。

④カラフルなコイ
先述した通り、やっぱり優雅に泳ぐニシキゴイの存在は必要不可欠。このコイたちは、もともとは地域住民が飼育していたもの。飼えなくなってしまい、この池に放流したのがはじまりとのことです。

いつ行くのが良い?

植物が関係する光景を見る場合、訪れるタイミングというのはとても重要。特に写真を撮りたい方は、いくつか注意点があります。

季節

モネの池の場合、5〜10月はスイレン、6〜7月はアジサイの花を見ることができます。11月中旬から12月上旬にかけては紅葉もキレイ。散った紅葉が池に彩りを加えます。

なお、冬になっても湧き水のおかげで凍ることはないそうです。

時間帯

池の東側には山があるため、午前中は陰に入っています。自然光の明るい写真を撮るなら午後が良さそうに思えますが、水面が反射してしまい水中の美しさが撮りにくくなります。ということで、午前中の早い時間が人も少なく狙い目です。

ただし、スイレンの時期に訪問する場合、花が咲きはじめるのが11:00頃なので要注意。あと、これは個体差がありますが、朝早いと寝ていて全く動かないコイも・・・。

天気

もちろん晴れの日が一番良いというのは言うまでもありません。ただし、ここで気を付けなくては行けないのが当日だけでなく前日の天気大雨が降ると、山が雨を蓄えてしまうため、それから2日間は水が濁ってしまうことがあるそうです。

キレイに見せるには加工も必要

ここまで掲載してきた写真ですが、実はかなり加工しています!!
「モネの池」の持つイメージに近づけるため、色味を調節して美しく見せていました。

リアルな旅の体験ブログとして、加工し過ぎた写真だけを載せるのもちょっとずるい気がしたので、無加工の写真を載せておきます。11月ということで植物の色味は薄く、また晴天ではなかったため、少々くすんだ緑色でした。

加工する際のポイントですが、私が良いなと思ったのは以下の4点。

<おすすめの加工ポイント>
・明るさを上げる
・彩度を上げる
・色温度を下げて青味を強調する
・コントラストを下げて少しぼんやりさせる

Googleフォトの編集機能を使用したのですが、カメラアプリを使って華やかな映え仕様にしてみるのも良さそうです。また、デジカメの方は、ホワイトバランスを電球モードにすると、青さが際立つのではないでしょうか。

目の前には根道神社

このモネの池があるのは根道神社の境内。ここまで来て池だけ見て帰るのは不敬な気がするので、お参りもしていきましょう。

根道神社の創建時期は明らかになっていませんが、9世紀頃に建立された白山信仰の神社がルーツと考えられています。

御祭神は根道大神。初めて聞く名前の神様なので調べてみたのですが、あまり情報がでてきません。この辺りには、高賀山を崇める「高賀信仰」がありますが、それとの関連も見つからず。どうやら、この地域の氏神様であるようです。

アクセスと情報

モネの池があるのは、岐阜県南部の関市。関市といっても、市内中心部からはかなり外れた山の中にあります。

近くには無料の駐車場がありますが、人気なスポットなので満車になることも多いです。時間をずらしての訪問がおすすめです。

また、カーナビには表示されない可能性があります。そんなときは、モネの池目の前にある花屋さん「フラワーパーク板取」を目的地に設定するのがおすすめです。

このフラワーパーク板取ではホームページにて池の写真を頻繁にアップしています。池の状態が気になる方は、チェックしてから行くのが良さそうです。

コメント

  1. […] また、底の白さもポイント。岐阜県にあるモネの池では石英質の白っぽい砂が堆積しており、美しさを引き立たせていましたが、ここも似たような性質の砂が底に溜まっているように見えます。 […]

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