かつて天険と呼ばれ交通の難所だった親不知を体感できる遊歩道。海辺の険しい道から始まり、鉄道トンネルや国道、そして高速道路と道が発達していく様子を実感出来ます。暗いレンガトンネルはちょっとしたスリル体験。
駐車場とアクセス
親不知コミュニティロードを車で目指す場合、天険コミュニティ広場駐車場に駐車するのがおすすめです。
※Google mapでは「親不知 無料駐車場」というネーミングで登録されています。
親不知観光ホテルの目の前にあるため、カーナビは親不知観光ホテルを目的地にセットするとアクセスしやすいのではないでしょうか。駐車場にはレストランと公衆トイレ、自販機もあります。なお、遊歩道は見学自由ですが、冬季は一部閉鎖となりますのでご注意ください。
天険・親不知を歩く
富山県と新潟県のほぼ県境にある断崖の名が親不知(おやしらず)・子不知(こしらず)。青海駅と市振駅の間を約15kmに渡って続いています。
今でこそ高速道路や国道が整備されていますが、かつては北陸最大の交通の難所として知られていました。親不知・子不知という名も、親も子もお互いを顧みることもできないほど険しい道だったためといった説があります。
そんな旧国道を整備し、遊歩道として公開しているのが親不知コミュニティロード。約2kmの遊歩道です。
入口には案内板があります。コミュニティロードは地上の遊歩道「天険親不知線」と廃線跡の「親不知レンガトンネル」が接続する形となっておりますが、案内板のおすすめ通りに、行きは地上遊歩道、帰りはレンガトンネルにしました。これが大当たりでした・・・!
地上の遊歩道「天険親不知線」
天険親不知線を進むと、最初に目に入るのは4世代道路を見渡す展望台。ここからは4つの年代が異なる道路を一度に見ることができます。
①波打ち際、海岸の道、②旧国道(コミュニティロード)、③現在の国道、④北陸自動車道と4つの道が勢ぞろい。最初は狭い崖沿いの海岸線を歩くしかなかったルートが、トンネルや海上道路など様々な技術が発達していき険しい地形が徐々に開発されていく様子を感じ取ることができます。
こちらのカッコいい銅像は、ウエストンの像。イギリスの宣教師ウォルター・ウエストンのブロンズ像。日本に滞在している期間、日本アルプスを中心に多くの山岳へ挑み、今では「日本近代登山の父」として知られている人物です。糸魚川市では、毎年5月に「海のウェストン祭」が開催されています。
岩に刻まれている文字は如砥如矢(とのごとく やのごとし)。砥石のように平面になっているため、矢のように勢いよくまっすぐ通れるという意味だそう。開通の喜びを込めて彫られたそうです。
しばらく進むと、遊歩道から下るかなり急な階段につながります。ここを降りた先には展望台があり、その横にレンガトンネルがあります。
廃線跡の「親不知レンガトンネル」
旧北陸本線が通っていた全長700mの鉄道トンネルが「親不知レンガトンネル」。なんと手掘りのトンネルで、一日平均約58cmと長い時間をかけて少しずつ掘り進められていたそう。目の前に立つと、吸い込まれそうです。
トンネル内はフットライトの控えめな明かりが灯っています。真っ暗ではありませんが、かなり暗いためスマホのライトを照らしながら歩きます。入り口に自由に使える懐中電灯があるのですが、雨の影響か濡れていたため使用を断念。
途中、キュッキュッという鳴き声と獣の臭い。何かがいる気配・・・!
天井を見渡すとコウモリがたくさん集まっていました。およそ30匹くらいがトンネルの天井に集まりモゾモゾ動いています。コウモリ自体はそんなに珍しくありませんが、こんなにたくさん一度に見たのは初めてです。
しばらく歩くとトンネルの出口が見えてきます。ゆっくり目に歩いて、およそ15分ほどでした。
抜けた先にもまだ鉄道跡は続きますが、遊歩道とされているのはここまで。この先へ挑むのは、きっとその道のマニアの方々でしょう。
さらに海へと下る階段も見えます。この先は、その昔天険と呼ばれていた頃の波打ち際の道。かつて奥の細道で有名な松尾芭蕉も歩いた道だそうです。
歩いてみた感想
ここに来る前は、親不知って展望台から眺めるだけのスポットと勝手なイメージを持っていました。しかし、この親不知コミュニティロードという遊歩道が整備されたおかげで、人々が苦労して開発した険しい地形を実際に歩いて体感することができました!
なお、トンネル出口から駐車場まではひたすら上り。でもトンネルに入る前に降りた階段よりはずっとマシな気がするので、こっちまわりの方が楽だと思います。
また、階段登ったところがゴールというのも、こっち周りの良いところ。すぐに駐車場なので、自販機で飲み物買ったりできます。
案内板には60〜90分と書かれていましたが、2km弱の道のりなので実際の所要時間は30分ほどでした。もし海辺まで降りるともう少し時間が掛かりそうです。
このあとは1時間ほど走り富山県の魚津へ。今日のお風呂はカルナの館23:00までと営業時間か長く、設備もしっかりしておりサウナもあります!
そして、道の駅滑川ウェーブパークで車中泊。海沿いの道の駅で、いつ来ても夜になると地元の若者が集まっている場所です。
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