代官山に残る大正時代の邸宅『旧朝倉家住宅』(渋谷区・代官山)

東京都(23区)

代官山の街に残る、大正時代の貴重な建築。建物内部は細やかなところまでこだわりの詰まった品格のある空間となっています。まるで深い森のような庭園も見どころポイントです。

訪問日:2026/3/20(金) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

貴重な大正時代の建築

「郷さくら美術館」を訪ねたあとに向かったのは旧朝倉家住宅。おしゃれなショップが並ぶ代官山の通りから1本入ったところにゲートがあります。

ここは東京府議会長や渋谷区議会議長を務めた朝倉虎次郎が大正8年(1919年)に建設した邸宅。都内でこの時代の建築はけっこうレア!大正12年(1923年)の関東大震災や、昭和20年(1945年)の東京大空襲からを免れた貴重な建築です。

都心とは思えない広々とした園内。立派な主屋(しゅおく)が見えてきました。

主屋の内部は靴を脱いで入ります。靴下の着用が必須となりますのでご注意ください。

木造2階建てで、ほぼ全室が畳敷き。1階には応接間、寝間、居間、仏間といった部屋が多数連なり、2階には広間と和室があります。

格式の高さを感じる室内

畳敷きの床の間と違棚を備えた書院造の応接間は、賓客をもてなすための間。透し彫りの欄間、屋久杉の天井板など、随所に格式の高さが伺えます。

2階の広間も公的な接客に使用された部屋で、同じく書院造。床の間の脇、違棚の上下にある戸棚「天袋・地袋」は鮮やかな扇が描かれています。

立ち入り禁止であるため遠くからしか見えませんが、土蔵もあります。「火災の際に、濡らしたムシロを吊るすためのクギが施されている」と記載されていましたが、どういうことでしょうかね・・・?

寝間、居間、仏間だった3部屋をつなげた第1会議室は、展示ルームとなっており、朝倉家の歴史や建築の解説パネルが展示されています。ここは大きな窓があり、庭園を鑑賞するポイント。屋内で椅子に腰掛けてゆったりと過ごすこともできます。

随所に施された意匠

杉の間と名付けられた部屋もあります。ここは、杉の木目を「板目」で見せるという手法が取られています。いわれてみれば、木材にこんなに木目が出ているのは珍しいです!

床の間の段差である「床框(とこがまち)」がなく、床と同じ高さの床の間を、「踏み込み床」というそう。ここでは、松の一枚板が使用されています。

角の杉の間の欄間には、柏の葉とヒレンジャクの油彩が描かれています。色調は抑えめであるため、部屋に入ってもすぐには気が付きませんでした。

違棚に紋様が隠れているのを見つけました!これは朝倉家の家紋である木瓜(もっこう)紋ですね。

こちらの重厚な扉は金庫!部屋と一体型のタイプは初めて見ました。

木々が生い茂る庭園

主屋を出た後、まだ閉門時間まで少し余裕があったので、庭園も見ていくことにしました。石畳が敷かれた回遊式庭園、立派な石灯籠や苔が趣深い。

庭園から見る主屋が良い感じです。暖色な照明と木造建築の組み合わせがノスタルジックな情景。これは夕暮れのタイミングにしか見られないですね!

さきほど内部でちらっとしか見えなかった土蔵も見えました!あ!壁にびっしりと並んだカギ状のもの、もしかして先ほど記載があった「火災時に濡らしたムシロを掛けるクギ」でしょうかね!?

そんな庭園ですが、渋谷の崖線を利用しているため、けっこう高低差があります。木々も生い茂っており、ちょっとした山道を歩いているような気分。

案内図を見る限り入り口とは別に奥に「出口専用のゲート」があるようですが、庭園のルートは通行止めばかりでなかなかたどり着けず。あやうく遭難しかけたところで、なんとか出口を見つけました。

ここは猿楽塚に通じるルート。せっかくなので、久しぶりに立ち寄ってみることにしました。つづく。

アクセスと営業情報

開館時間 10:00~18:00 ※11~2月は16時30分まで
休館日 月曜
料金 500円
公式サイト https://www.city.shibuya.tokyo.jp/shisetsu/bunka-shisetsu/asakura/asakura_00004.html

※掲載の情報は2026年3月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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