國學院大學に併設されたミュージアム。展示内容は考古資料や神道に関する内容が非常に充実しております。個性的な企画展や、土日開館というのもポイントです!
利用しやすい大学博物館
國學院大學の渋谷キャンパスは、その名も國學院大學博物館というミュージアムを併設しています。平日のみ開館が多い大学博物館ですが、ここは土日祝日もオープン。入館料も無料で、非常に立ち寄りやすい大学博物館です。

エントランスにはガイダンス映像やコインロッカーもあります。右下にいるウサギは、大学マスコット「こくぴょん」。大学にキャラクターがあるって、なんか新鮮ですね!

館内は「①校史展示室」「②考古展示室」「③神道展示室」「④企画展示室」の4つのエリアに分かれています。このうち、①と②は写真撮影OKでした。
入ってすぐのホールでは映像展示。こちらの3つの映像が随時上映されていました。

・山梨県笛吹市浅間神社の「おみゆきさん」
・神奈川県横浜市戸塚区の「お札まき」
・東京都江戸川区東葛西「雷の大般若」
神道に関わる映像なので、コンセプトとは一致しておりますが、なぜこの3ヶ所がチョイスされているのでしょうか?期間ごとに全国各地の祭が入れ替わって上映されているのでしょうかね。
多すぎる考古資料
いきなり登場する土偶。遮光器土偶、山形土偶など、様々なタイプがある土偶を比較できます。

アーティスティックな縄文土器は、新潟県長岡市の岩野原遺跡より出土した火焔型土器。縄文土器らしい力強さが詰まっています。

千葉県より出土した人物埴輪。帽子を被り、ヒゲをたくわえた姿は、どこか異人のような雰囲気も漂います。

顔がついたユニークな器は、長野県長野市の片山遺跡より出土した挙手人面土器。ツノのように見える部分は、よくみると手のひら!手を上げているような姿をしています。

再現された山ノ神遺跡。大神神社の敷地内に位置しており、川原石が敷き詰められ、勾玉や土器が出土したそう。当初は古墳と考えられていましたが、磐座祭祀跡と考えられるようになったそうです。

足のついた不思議な埴輪、こちらは山梨県笛吹市の井之上古墳より出土した陶棺。文字通り陶製の棺で、横幅40cm・縦幅150cmほど。人が入るには小さく感じますが、小柄な人物を納めていたのか、もしくは屈葬のように手足を折り曲げていたのかもしれません。

ユニークなのが引き出しを引くと出てくる縄文原体標本。縄文土器は縄で模様をつける、というのはよく知られていますが、実物の縄とそれでできる模様、そしてそれが使用された土器片が合わせて展示されています。地域毎に分かれた展示は、なんと100種類以上!こんなにパターンがあるなんてびっくりです。

というか、情報量が多すぎます!!!
一つ一つじっくり見ていくと、時間がいくらあっても足りません!
貴重な神道展示室
考古展示室とシームレスにつながる神道展示室。このエリアは写真撮影が禁止となっています。
古代の祭祀や大嘗祭の「祭具」や「神饌(しんせん)」のレプリカが展示されていたり、古来の信仰が続く伊勢神宮や賀茂御祖神社の例祭が紹介されていたりと、他ではあまりみかけない神道に関する展示が多数。
神明造、大社造、住吉造といった神社建築の紹介もあるので、神社めぐりがお好きな方は楽しめる内容です。
中世から近世の神道を語る上で外せないのが、15世紀に吉田兼倶が大成した吉田神道。当時主流であった神仏習合における、仏教が主・神が従という従来の本地垂迹説を転換、神を本体(本地)とする反本地垂迹説を確立。仏教から独立した「唯一神道」を提唱しました。
この吉田神道、私はここで初めて知りました!みなさんご存じでしたでしょうかね?
ユニークな企画展
この博物館は、年間を通してユニークな企画展を開催しています。訪問時はこちらの企画展が開催中でした。

会期:令和7年12月6日(土)~令和8年2月23日(月・祝)
「生物学的な性に限定されない性のあり方こそ、動物と人間を分かつもの。特に祭祀や芸能の世界では、人々な性別の垣根を越えることで超越した異能を身につけることさえできると信じてきた。」そんなメッセージから始まる企画展。
先史時代の性の表現からはじまり、軍船に乗る神功皇后がみずらを結い鎧を身につけた男装姿が描かれた「八幡縁起」や、髪をほどいて少女の姿になったヤマトタケルが描かれた月岡芳年の浮世絵「月百姿」も紹介されています。ただし、神功皇后の男装は三韓征伐のため、ヤマトタケルの女装は熊襲征伐のためと、目的を持った一時的なものです。
基本的に撮影不可ですが、一部可能な展示物も。江戸時代に土佐光信が描いた「七十一番歌合」の挿絵は、山伏の前を歩く巫女が描かれています、どうやら女装巫女であるようです。

実は、江戸時代までは異性装・男色行為・同姓婚も認められていました。しかし、明治以降の近代国家への歩みとともに抑圧されることに。キリスト教的な性規版が導入されていき、学校教育の中で男女のジェンダーが固定化されていきます。富国強兵を目指す国家にとって、人口増加に貢献できない同姓婚は認められなくなってしまいます。
こちらは「おみゆきさん」の衣装。神輿の担ぎ手は、おしろい、花笠と赤い長襦袢で女装するのが特徴。江戸時代の絵図には見られず、異性装が禁じられた明治以降に生まれたそう。

あ!この「おみゆきさん」、冒頭の映像作品で見ましたね!
どうやら最初の3つの映像は、今回の企画展に則したものであったようです。あらためて見直してみると、いずれも男性が女装した参加するタイプの祭でした。
近年叫ばれるジェンダーレス化。多様性の時代が始まっていくと思っていたのですが、そもそも明治より前に戻っていっているだけなのかもしれませんね。
そんなわけで、博物館見学はおしまい。情報たっぷりで、読み物もわかりやすく、気がついたときには滞在時間は2時間くらいになっていました。これだけの展示が全て無料というのは凄すぎました!!
アクセスと営業情報
各線の渋谷駅より徒歩約15分。
| 開館時間 | 10:00~18:00 |
|---|---|
| 休館日 | 不定休 |
| 料金 | 無料 |
| 公式サイト | https://museum.kokugakuin.ac.jp/ |
※掲載の情報は2026年1月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。


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