釧路の炭鉱が歩んできた道のりや、石炭が実際にどのように掘られているのかなどを学ぶことのできる施設。再現された模擬坑道は多数の機械が並んでおり、炭鉱の様子を体感することができます。
無人のミュージアム
炭鉱によって栄えてきた釧路。そんな炭鉱のまちにあるのが太平洋炭礦 炭鉱展示館。釧路の中心部から少し離れたところに位置した小さなミュージアムです。
有料施設ですが、基本的にスタッフは不在で無人の施設。受付は向かい側の体育館隣の三角屋根の建物にて行います。おそるおそる入ると、優しそうなおばちゃんが対応してくれました。
炭鉱を学べる展示
入館者を出迎えるのは日本一の大塊炭。太平洋の海底350mから採掘されたもので、その重さ6.048トン。つやつやとした姿は、宝石のようです。
1階が展示室。1部屋だけの小規模ですが、他では見られないものがたくさん。
最も大きな展示が坑内模型。街が広がる地下に、入り組んだ坑道が張り巡らされています。各所では機械が設置されており、採炭する様子がイメージしやすいです。
ガスマスク、ヘッドランプなどは救護隊装備一式。有事に備えて、常に訓練を行っていたそうです。
様々な機械の模型も。こちらはコンテニアスマイナーという、炭鉱の坑内で石炭を採掘するために炭層を掘削する機械。この名前、ぜひ覚えておいてくださいね!
釧路炭鉱の歴史
1856年、北海道で初めて、オソツナイ(岩見ヶ浜)の海岸線に露出している石炭が掘られ、翌年からは白糠町の石炭岬で採掘されました。そんな炭鉱の歴史年表も展示されています。
大正9年(1920年)4月には太平洋炭礦株式会社が創業開始。最盛期には年間261万トン、約5,000人もの人が働いていたそうです。
道内の大手炭鉱が次々と閉山する中でも生産を続け、平成14年(2002年)の閉山以降は「釧路コールマイン株式会社」に引き継がれます。現在は国内唯一の坑内掘石炭生産会社とのことです。
地下に広がる模擬坑道
展示室から階段を降りていくと、目玉展示である模擬坑道へと繋がります。
全長80m、広さ410㎡、高さ3.4m。現在坑内で使用しているアーチ枠を使い実規格にて再現したもの。かなりの再現度で、本当に坑道を歩いているような気持ちになれます。
坑道内には実際に使用した機械、展示がたくさん並んでいます。入口にはランプ付きのヘルメットも。短い坑道ですが、被ると気分が高まりそうです。
無骨な採炭機械
こちらの機械、先ほど模型で見たもの。名前、覚えていますか?
そう、コンテニアスマイナーです!炭層をすかし、穴を開け、発破をかけ、積み込むという4つの手順を同時に行う能力があります。この機械の登場により、作業効率が3倍になったそうです。
コンテニアスマイナーの後ろに備えているのがシャトルカー。切削した石炭や岩石をベルトホッパーへ運ぶためのものです。
こちらは坑内電気機関車。材料鉱車を後ろに繋げて、人員や資材の運搬が行われていました。
模擬坑道もそれほど長くはないため、トータルの見学所要時間はさらっと見るだけなら20分くらい、じっくり見ても1時間はかからないです。
建物の外に出ると、雪に包まれた機械が。
もう覚えてくれたでしょうか?これもまたコンテニアスマイナーです。ここに来ると嫌でもその名を覚えてしまうのでした。
アクセスと営業情報
JR釧路駅からバスで約20分のバス停「桜ケ岡入口」下車後、徒歩約5分。
開館時間 | 10:00~16:00 |
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休館日 | 水曜 |
料金 | 300円 |
公式サイト | ※見当たらなかったので北海道公式観光サイトを貼っておきますね![]() 炭鉱展示館|観光スポット|【公式】北海道の観光・旅行情報サイト HOKKAIDO LOVE! 釧路の炭鉱が歩んできた道のりや、石炭がどのように掘られているのかなどを学ぶことができます。海底下で石炭を採掘していた太平洋炭礦の歴史やその作業の流れを紹介しているのは、北海道でも唯一ここだけ。地下につくられた広さ410平方m、長さ80m、高さ3.4m… |
※掲載の情報は2025年1月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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