覚えやすそうでなかなか覚えられない不思議な名前の広場。そこには、これまた不思議なパブリックアートが並んでいます。それぞれの作品を紹介させていただきながら、その名前の由来についても調べてみました。
駅前にある神話の世界
東京メトロ丸の内線の茗荷谷駅の1番出口を出て横断歩道を渡ると、細長い三角形の広場があります。
ここは個性的な彫刻が並ぶカイザースラウテルン広場。子どもたちをおとぎ話の世界へ案内したいという思いのもと、「神話空間への招待」というテーマで造り上げられました。
それほど広くなく、作品数も5点とコンパクトですが、せっかく来たのでそのユニークな彫刻をじっくりと鑑賞していくことにしました。
作品① 魚
「幸運のシンボル」であるサカナ。そこに日本らしい鯉のイメージを重ねてデザインされたそう。大きなヒレと人面魚のような顔が独特のルックスです。
側面には多数の突起があり、登って遊べるようにもなっています。ここに置かれている作品は、おさわりOK!夕方の訪問でしたが、多数の子どもが遊びに来ていました。
作品② アンモナイト
赤い上向きの矢印が付いたシンプルな姿のアンモナイト。「地球が発展してきた歴史の起源」、さらには「太古と日本文化の源」を象徴しているそう。想像以上に壮大なテーマです。
反対側から見ると、歯車が刻まれておりちょっとだけスチームパンク感も。この歯車は、「日本のテクノロジーとその急速な発展」を意味しているそうです。
そばには小さなアンモナイト・・・かと思いきや、こちらはカタツムリ。渦巻きは「進化」、さらに「静寂と瞑想」も表現しているそうです。
作品③ ユニコーン
この広場で最も大きな彫刻がこちらのユニコーン。立派な角を生やした勇ましい姿は「偉大な力」を象徴しているそう。
よく見ると、体と尾はそれぞれ独立しています。鹿の頭、象の足、猪の尾、馬の胴体から成り立っているとのことですので、それぞれのパーツ毎に見てみるのも面白いです。
中心部が空洞であるため、通り抜けることも可能。なんだか遊びたくなる構造ですが、頭の上には登らないようにとの注意書きもありました。
カイザースラウテルンとは
さて、そろそろこの広場の名前の「カイザースラウテルン」が何か気になってきたのではないでしょうか。
彫刻家の名前かなと思ったのですが、実はドイツにある市の名前。南西部のラインラント=プファルツ州に位置しています。
昭和63年に文京区は、世界平和と相互理解、日本とドイツの友好関係の促進などを目的に、カイザースラウテルン市と姉妹都市提携協定を締結。それを記念して平成5年に造られたのがこのカイザースラウテルン広場なのです。
立ち並ぶ彫刻は、同市出身の彫刻家 ゲルノト・ルンプフ氏に依頼して造り上げたそうです。
謎の頭部
先ほどの「魚」の頭部をよく見ると、人間の頭もくっついています。神話の世界とはいえ、かなり攻めたデザインです。
実はこの頭部、フリードリッヒ1世という人物の頭像。ローマ皇帝であり、カイザースラウテルン市の発展に尽力した人物とのことです。都市名に冠したカイザーも、このフリードリッヒ1世にちなんだそうです。
「赤髭王」とも称される立派な人物ですが、突然首だけ現れるので、ちょっとだけコワさもありますね。
アクセスと営業情報
東京メトロ丸の内線の茗荷谷駅から徒歩2分。
開園時間 | 24時間 |
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公式サイト | https://www.city.bunkyo.lg.jp/bosai/midori/kuritukouen/kouen/kubomachihigashi.html |
※掲載の情報は2024年1月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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