浦戸諸島 Part 3 田園風景が広がる寒風沢島(塩釜市)

宮城県

3つ目の島は浦戸諸島最大の面積を誇る寒風沢島。島の南部には見晴らしの良い田園風景が広がっています。美しいビーチや高台の神社など、景色を眺めてのんびり過ごすのにぴったりの島です。

2018/9/15(土)

浦戸最大の島

3つ目の島は寒風沢島(さぶさわしま)。浦戸諸島最大の島ですが、面積は1.45km²なので徒歩で気軽に散策ができます。

寒風沢島へは、塩釜からの定期船、もしくは野々島・朴島から無料渡船を利用して渡ることができます。

特に野々島からはすぐ近く!この2島間は寒風沢水道で隔てられているのですが、その幅は約100メートル。港からは本当にすぐ近くに見えるので、泳いでも渡れそうな距離感です。

島内散策スタート

やっぱり何もない港ですが、きれいな公衆トイレがあります。壁面に図形が描かれており、まるでアート作品みたいです。

港付近の集落から少し歩くと、切通しの道へと続きます。晴れていてもひんやりとした空気の涼しい道です。

六地蔵があります。島内には他にも「化粧地蔵」や、かつての遊郭にまつわる「しばり地蔵」など様々なお地蔵さまがそろっています。

なお、この島は津太夫(つだゆう)という人物の生まれ故郷。

漂流してアリューシャン列島にたどりついた後、ロシア初の世界一周に同行。日本人として初めて世界一周に成功しました。

すごい偉業だと思うのですが、全然知名度がないのはなぜでしょうか。一説によれば、「志を持っていたわけではなくなりゆきで世界を一周してしまったこと」や、「読み書きが達者ではなく伝えることができなかった」ためと言われています。

心地よい田園風景

島の南部には広がる田園地帯。ちょうど天気も晴れてとても気持ちの良いストリート。

田んぼには、黄色い稲が風に揺れています。寒風沢島には河川が無いため、雨水のみで米がつくられる天水田。ここでは浦戸米という浦戸諸島の名を冠したお米が手間暇かけて作られています。

ギンヤンマやシオカラトンボも飛び交い、絵に描いたような田舎の風景・・・。麦わら帽子と虫取り網の少年が頭に浮かびます。

響き渡る謎の銃声

とてものどかな風景なのですが、不釣り合いに聴こえてくるのはパァァンという銃声。しかも、なかなかの頻度です。

こんな見晴らしの良い道、スナイパーに狙撃されたら逃げ場はありません。

もしかしてをしているのでしょうか、それとも何か鳥獣の駆除?以前八重山諸島の黒島に行った際に、クジャクの駆除を行っていたのを思い出しました。

流れ弾が飛んできたらどうしよう。でも、普通に島の人が歩いている状況で水平射撃をすることは無いはず!

そんな音を特に気にすることもなく農作業していたおばぁがいたので、ちょっと尋ねてみました。

『ん?銃声?そりゃ自衛隊だがな~○○(地名)の辺りで演習やってんだ』

自衛隊が来てるのですね!それにしても凄く近くで鳴っています。もし自衛隊だったら隊員の姿や船が見えそうな気もしますが、とりあえず気にしなくて大丈夫ということはわかりました。

絶景の前浜ビーチ

田園地帯を抜けると、前浜というビーチ。白い防波堤がまるで白砂のように見える、とっても絵になるビーチです。青い海とのコントラストが映える!

前浜ビーチの近くにある、貝殻が敷き詰められた坂道を進んでいくと、そこは寒風沢神明社。伊勢神宮の内宮・外宮と同じく、天照皇太神と豊受皇太神が祀られています。

少し高い位置にあるため、先程の前浜を一望できます。大きくカーブを描く姿がとってもキレイ。

神社の近くには砲台跡や展望台などの見所があるのですが、生い茂る草で道が通行難易度高めになっていたので断念しました。

 

寒風澤島から朴島へ

一通り歩いたので、港へと戻ってきました。港の目の前にある民家に、さきほど銃声について教えてくれたおばぁがいました!

『ごめんごめん、さっき自衛隊とか言っちまったけど、ありゃスズメ避けの音だぁ。稲にスズメが来ねぇようにガス銃が鳴るんだ。おら嘘教えちまったと思ってたんだけんど、また会えて良かったぁ』

鳴り響く銃声は、稲を守るスズメ避けのガス銃の音でした。言われてみれば、たしかに音が鳴るのは一定感間隔で機械的な動き。とはいえ、知らないとびっくりします!

お次は最後の島朴島(ほおじま)へと向かいます。寒風澤島から朴島へも、やっぱり無料の渡船があります。またまた港に記された電話番号に連絡して迎えにきてもらいました。

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