荒嶋神社が鎮座する離島『荒島』(南三陸町)

宮城県

南三陸町の志津川湾に浮かぶ小さな島。防波堤を渡った先には、植物が生い茂る神秘的な空間が広がります。木々に包まれた未舗装の道を登っていくと静かにたたずむ荒嶋神社が姿を現します。

訪問日:2022/10/10(月)

志津川湾の離島

志津川湾(しづがわわん)は、宮城県の北東・南三陸町に広がる穏やかな入り江。寒流と暖流が混じりあう海域で、マコンブやアラメをはじめとした、非常に豊富な海藻・海草が育っています。豊かな海藻藻場や生物多様性の高さが評価され、2018年にはラムサール条約湿地にも登録されました。

そんな志津川湾に浮かぶの離島が荒島。面積0.02㎢という小さな島で、島の頂に荒嶋神社が立つ信仰の島として知られています。

防波堤によって繋がっているため、徒歩で気軽にアクセスができます。周辺は荒島楽天パークという公園になっており、遊具やトイレなども設置されています。サンオーレそではま海水浴場という人工海水浴場も整備されており、夏場は海水浴客でにぎわうそうです。

なお、荒島の読み方は「あらしま」ではなく「あれしま」です。疑いもせず「あらしま」と読んでいたので、この記事を書く際に気がついてびっくりしました!

防波堤を歩いて島内へ

荒島楽天パークに車を停めたら、防波堤を歩いて荒島へ。横から見た時は細い道に感じましたが、実際に歩いてみると想像よりも遥かに道幅が広い!とっても歩きやすいです。

この道は、天候が悪い日は危険のため立ち入り禁止。今日は少々風が強かったので、堤防にまで覆いかぶりそうな波が見えました。

鳥居をくぐり島内に入るとずっと上り道。最初は整備された石段が続きます。歩きやすいですが、傾斜があるのでゆっくり進まないと息が上がります。

徐々に草木が生い茂る未舗装の山道へと変わっていきます。傾斜もあるためサンダルでは少し厳しく、歩きやすい靴・服装での参拝が望ましいです。今回は雨の中での訪問だったので、それなりにぬかるんでいました。

森の中にたたずむ社殿

ちょっとした探検気分で進んでいくと、荒嶋神社が見えてきました。森に包まれた赤い社殿、霧雨の効果もあって物凄く神秘的な姿。御祭神は綿津見神、豊玉姫命、市杵島比売命など、多くの神様を祀っている神社です。

もともとこの島には弁財天を祀るお堂があったそうですが、昭和35年のチリ地震による津波で被害を受けたことから、荒嶋神社が遷座。金比羅権現と八大龍王が合祀され、現在の神社のかたちとなりました。

神社の社殿の先にも道は伸びており、進んで行くと外海に面した島の南側へとつながります。噂では巨岩・奇岩が立ち並ぶ光景を見ることができるそうですが、雨が降って少々危険と判断したためここで引き返します。なお、駐車場からここまでは10分程度。思ったよりもさくっと訪問できます。

よみがえった鳥居

来た道を引き返し、防波堤まで戻ってきました。来るときは気が付かなかったのですが、鳥居の両サイドに短い柱のようなものが立っています。

この荒嶋神社の鳥居、2011年の東日本大震災の津波で流失しまいました。その後、寄付金を募って再建。2019年に再びその姿が蘇りました。

鳥居の外側に立っているのは、かつての鳥居の基礎部。津波の脅威を後世に伝えるため、残った根本の部分は撤去せずにあえて残されているそうです。

アクセスと駐車場情報

荒島の入口となる荒島楽天パークまでは、BRT(バス高速輸送システム)の志津川駅から徒歩で15分ほど。車の場合は南三陸道の志津川ICおよび南三陸海岸ICより7分ほど。荒島楽天パークに無料駐車場あります。

多数の飲食店やお土産屋さんが集まる「南三陸さんさん商店街」から車で5分ほどなので、合わせて訪問するのもおすすめです!

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