栗駒山に来たら、ぜひ食べてほしいのが「岩魚重」!ブランド魚”伊達イワナ”の蒲焼きが乗ったお重で、甘口のタレとさっぱりした肉質が相性抜群なメニューです。人里離れた山の中にある数又養魚場に併設した岩魚の館で食べることができます。
イワナ養殖発祥の地
イワナといえば山に遊びに行った際によく塩焼きで見かけるサカナ。水のキレイな渓流に棲息しており、警戒心が強いため養殖は難しいとされていました。
そんな不可能を可能にしたのが、宮城県栗原市にある数又(かずまた)養魚場。1971年に養殖に成功、「イワナ養殖発祥の地」となりました。
数又養魚場では現在も多数のイワナを自然に近い形で養殖しており、渓流のように仕上げられた生け簀ではたくさんのイワナが元気良く泳ぎ回っています。
食事処「岩魚の館」
そんな数又養魚場ですが、敷地内に「岩魚の館」という食事処があり、イワナ料理を楽しむことができます。看板などは無いため、なんだか飲食店ぽくない門構え。ちょっと入りづらい雰囲気ですが、勇気を出して中へ入ると、優しそうなおばちゃんが出迎えてくれました。
建物が新しく、店内はとってもキレイ!基本的にセルフスタイルのお店ですので、自分で座布団を用意したり、お水やお茶をいれたりと用意します。注文も厨房にあるカウンターに行って直接声をかける感じです
多彩な岩魚メニュー
こちらが岩魚の館のメインメニュー。
「岩魚重」を筆頭に、ちょっとだけお手軽な「岩魚丼」、「塩焼き定食」など、いろいろなメニューがあります。超レアな「岩魚の刺身」もありますが、こちらはいつもあるわけではないよう。どうしても気になる方は事前に確認したほうが良いかもです。
岩魚丼と岩魚重は内容は同じ蒲焼きですが、その量が異なるそう。せっかくなので豪華に岩魚重を注文してみました。汁物と小鉢もたくさん付いており、見た目にも満足感が高いです!
岩魚重のお味
お重のフタを開けると、ご飯の上に岩魚の蒲焼きが3枚も乗っております。湯気と共に広がる香ばしい香り・・・!もう堪りません!!!
初めて食べる岩魚の蒲焼き。タレがしっかり絡んで香ばしく焼き上げられた岩魚、これが美味しくないわけがないです!!
かなり甘口のタレですが、岩魚自体がとてもさっぱりしているのでぺろっと食べられます。そして、さっぱりしているにも関わらず、決してパサパサではないところもポイント。蒲焼きといえばウナギのイメージでしたが、誰かが言っていたコトバ、「ウナギが美味しいんじゃなくて、タレが美味しい」が脳裏を過ります。
蒲焼の上には青い粉がのっています。当然のごとく山椒だと思っていたのですが、あの風味がしません。よく見ると青のりのような見た目をしています。
粉だけ食べてみたのですが、青のりの風味もしません。私の舌がおかしくなったのかもしれない・・・。店員のおばちゃんに聞いてみたところ、何とこの粉はパセリでした。山椒だと嫌いな人もいるので、パセリを乗せているそうです。「わからなかったでしょう?」とおばちゃんは笑っていました
蒲焼だけじゃないイワナ料理
さて、岩魚重がメインではありますが、付け合わせの小鉢も見逃せません。なぜなら、きのこを覗いてこれぜんぶ岩魚なのです!
甘く煮込んだ「甘露煮」、さっぱり味で仕上げられた「南蛮漬け」と、イワナそのものにクセが少ないため、様々な料理でも楽しめるのです。
そしてこちらの筋子も、もちろんイワナ!よく見かけるサケのイクラに比べると小ぶりですが、プチっとした食感が楽しめます。イワナの筋子なんて他ではなかなか食べられないですよね?
伊達いわなって何?
ここで食べることができるイワナは、「伊達イワナ」と呼ばれるブランド魚。伊達イワナというのは普通のイワナとは違うのでしょうか・・・?
伊達いわなというのは、宮城県で品種改良された「全雌三倍体イワナ」。育つスピードが早く、2~3年で50cmもの大きさに育つそう。ちょうど撮影が行われていたので便乗して見せてもらったのですが、こんなに立派な姿をしております。
聞きなれない「三倍体」というコトバですが、受精卵に何らかの刺激があり、染色体の数が増えてしまう個体を「倍数体」と呼びます。この倍数体は、通常よりも巨大化する傾向にあります。
伊達イワナも受精卵に温度や圧力による刺激を加えて染色体の数を増やし、大きく成長するようにしているのです。また、倍数体は基本的に生殖機能がありません。そのため、そこに栄養を割く必要がなく、肉質が良く育つそう。さらに、例え自然界に逃げてしまっても野生種と交雑する恐れもありません。
要約すると卵に少しだけ手を加えて、大きく美味しく育つようにしているということですね。
なお、同様に「信州サーモン」「飛騨大天女魚(ひだおおアマゴ)」「絹姫サーモン」など、各地のブランド魚でもこの倍数体を利用した技術は使用されているようです。サケ・マス界隈ではポピュラーな技術のような気がするので、もしかしたら聴き覚えのある方もいるのではないでしょうか。
※余談ですが、「湖のヌシ」「〇ッシー」「謎の巨大生物」など、UMAの正体は巨大化した倍数体ではないかとの説もあります。
アクセスと営業情報
東北自動車道の若柳金成ICより約50分。また、栗駒山の登山口となる「いわかがみ平」より約20分なので登山帰りの訪問もおすすめです。
営業時間 | 11:00~15:00 |
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定休日 | 無休 |
電話番号 | 0228-46-2136 |
※営業時間、定休日などは変更となる場合がございます。最新情報は直接店舗にご確認ください。
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