横浜市の都筑区には「富士塚」と呼ばれる富士山を模した塚がいくつか残されています。今回は都筑三富士と称される3つの富士塚、そして+αで合計4ヶ所をめぐってきました。
都筑区に残る富士塚
突然ですが「富士塚」をご存じでしょうか?
富士塚というのは、富士山を模して造られた人工的な山のこと。江戸時代には富士山を信仰する「富士講」が流行し、江戸を中心に多数の富士塚が造営されました。
横浜の港北ニュータウンが広がる都筑区にも富士塚が残されており、これらは「都筑三富士」とも呼ばれています。
①池辺富士
②川和富士
③山田富士
①池辺富士と②川和富士はグリーンラインの「都筑ふれあいの丘駅」から徒歩15分ほど、③山田富士は、グリーンラインの「北山田駅」から徒歩5分ほど。
電車+徒歩でもめぐることは可能ですが、今回私はセンター北駅で「HELLO CYCLING」というシェアサイクルを利用してまわりました。ちなみに全部めぐって1時間40分ほど、料金は630円でした。
①池辺富士
最初に訪問したのは池辺富士。Google Mapに従い近くまで行くと、畑の真ん中にこんもりとした山を見つけました。この池辺富士、3つの中でも唯一公園になっておらず、案内などは特にありません。
富士塚に近づこうとしたのですが、通行止めばかりで全然近づけません。西側と北側はほとんどの道が閉鎖されており、南側からぐるっと周りこまないと近くまではいけません。徒歩ならフェンスの隙間から入れますが、車だとなかなか遠回りになりそうです。
富士塚の東側になんとか回ってみると、小さな参道を見つけました。
けっこう急で狭い道。ほぼ階段です。もし夏場に訪れたら、かなり草木が茂っていることでしょう。
山頂には石祠。新しいお供え物があるので、現在も信仰されていることを感じ取れます。
山頂からはビニールハウス群と住宅街、ごみ収集センターの高い煙突などが見渡せます。
ちなみに、「池辺」の読み方は「いけべ」ではなく「いこのべ」であるそうです。意外と難しい地名です。
②川和富士
先ほどの池辺富士とは異なり、川和富士は「川和富士公園」の中にあるため訪問しやすさがポイント。
巨大で立派な富士塚。2ヶ所から上ることができます。
山頂には、方位が描かれた石のベンチ。
遊ぶ子どもたち、住宅街、そしてランドマークタワーをはじめとした横浜みなとみらいの景色が見渡せます。天気が良いとホンモノの富士山も見えるそうです。
実はこの富士塚、江戸時代に造られたものではありません。もともとは200mほど離れたところにありましたが、港北ニュータウン開発に伴い撤去。それに伴い、この地に新造されたものなのです。本来の高さは5mほどでしたが、現在の富士塚は15mと約3倍の規模になっております。
ちなみに、「川和」の読み方は「かわわ」であるそうです。ついつい「かわな」と読んでしまうのは私だけでしょうか?
③山田富士
川和富士同様に公園内にある富士塚。北山田駅の北側に広がる、その名も山田富士公園に鎮座しています。
もう辺りが暗くなってきておりますが、中学生くあいのグループがたくさん。ほどほどににぎわっております。
南側に富士塚に繋がりそうな階段を見つけたので登ってみます。
最後だけ未舗装で少々急になります。ちなみにここをスルーして回り込むと、ちゃんと整備された階段もあります。
山頂はくぼみが造られており、お鉢めぐりもできます。火口まで再現されている富士塚はけっこうレアな気がします。
目の前に広がるのは港北ニュータウンの景色。遠くには、センター北駅にそびえ立つモザイクモール大観覧車も見えます。開放的でとっても心地よいです。
ちなみに、「山田」の読み方は「やまだ」ではなく「やまた」であるそうです。最寄り駅の北山田駅も「きたやまた」と濁らない読み方なのです。
おまけ:池辺新富士
「都筑三富士」ということで3ヶ所をめぐる予定でしたが、途中で四大富士というワードを見つけてしまいました。
ということは、もうひとつ富士塚があるのかもしれません。調べて見ると、池辺富士の近くに「池辺新富士」と呼ばれるスポットを発見。せっかくなので向かってみることにしました。
Google Mapを頼りに横浜市立都田中学校の脇の道を上って行きます。近くまで来ているのですが、全く見つかりません。
道中に見かけたベージュの民家の奥に赤い鳥居を発見。どうやらここが入口のようです。
わずか15段ほどで見えてくるお社。登れるのはここまでのようです。獣道を進めばさらに上に進めそうな気もしますが、明らかに藪が茂っているため登ったところで何も見えない可能性が高いです。ということで、今回はここまで。
近くに住んでいる方に、「ここって何かで有名なんですか?」と声をかけられました!思わず「全然有名ではないと思います・・・!」と答えてしまいましたが、たぶん有名かどうかを聞きたかったのではなく、ここが何か知りたかったのではという気が・・・。答え方を間違えてしまいました。
というわけで、富士塚めぐりはここでおしまい。それぞれあまり調べずにめぐったので、「どんな富士塚があるんだろう?」とわくわくしながら楽しむことができました。この感覚は古墳めぐりをしているときと同じ気持ちでした。
いずれの富士塚もGoogle Mapに登録されていますので、気になる方は検索してみてくださいね!
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