竹下通りに隣接した境内を持つ東郷神社は、日露戦争の英雄・東郷平八郎を神として祀っています。原宿の喧噪とはかけ離れた静かな境内、自然も多くちょっとしたリフレッシュにもぴったりな神社です。
竹下通りの神社
いつ訪れても多くの人でにぎわう原宿・竹下通り。インバウンドもすっかりと戻り、様々な国の人が集まるカルチャーストリートです。
そんな大混雑の道から一本脇道へ進んだところに神社があるのはご存知でしょうか。
こちらは東郷神社。大日本帝国海軍の軍人・東郷平八郎を祀る神社です。創建は1940年。太平洋戦争の空襲によって建物は全て焼失しており、現在の社殿は1964年に再建されたものです。
境内はとっても静か。竹下通りとは別世界のような雰囲気です。
東郷平八郎のストーリー
東郷平八郎とはいったいどのような人物なのでしょうか。社殿の周りには、東郷平八郎のストーリーを描いた絵図が飾られています。順に見ていくと、どのような人物なのか、何を成し遂げたのかがわかります。
東郷平八郎は1847年に薩摩に生まれます。1863年の薩英戦争に参加、イギリスへ留学を経た後、帰国後はその経験を活かして海軍士官に就任。
日露戦争直前となる1903年、57歳にして聯合艦隊司令長官に任命されます。1905年、旗艦「三笠」に乗り込み日本海海戦へ。世界屈指の戦力であったロシアのバルチック艦隊を相手に大勝利を収めます。アジアの小国の海軍が大国ロシアを破ったことは、各国に大きな影響を与えました。
大正時代には元帥に、その後は東宮御学問所の総裁として後の昭和天皇である皇太子裕仁親王の教育係を務めます。1934年5月30日、病によりこの世を去ります。享年86歳。同年6月5日には国葬が執り行われました。
その指揮能力と活躍は海外でも評価され、アメリカのジョン・ポール・ジョーンズ、イギリスのホレーショ・ネルソンとともに世界三大提督にも数えられています。国葬には、アメリカ、イギリス、フランスといった各国の海軍の儀礼艦が訪日したそうです。
Z旗の示すものとは
赤青黄黒の4色の旗。こちらは海上で船舶同士が意思疎通に使用する国際信号旗のひとつ。アルファベットや数字を意味する様々な旗があり、この旗はZを示すため「Z旗」と呼ばれています。
本来は文字通り「Z」や「引き船が欲しい」といった意味を持つ旗ですが、日本海軍においては特別な意味があります。そのきっかけとなったのが、東郷平八郎が指揮を務めた日本海海戦。
いざ戦闘が始まる際、旗艦「三笠」のマストに掲げられたのがこのZ旗。「皇国の興廃この一戦にあり、各員一層奮励努力せよ」との意味が込められており、全軍の士気を高める役割を担いました。その後は、大規模な海戦の際には勝利の願いを込めて用いられるようになったそう。
境内には、Z旗と神社の社紋である蔦を入れた幟がたくさん。勝利を祈る参拝者によって、多数奉納されています。
境内の見どころ
拝殿のすぐ傍に建つ海の宮。海軍、海事、水産関係者の御霊を祀る境内社です。
潜水艦とともに戦没した乗組員たちを祀る潜水艦碑。「潜水艦勇士に捧ぐ」と英霊に向けたメッセージが刻まれています。手前には魚雷を象った石像の姿も。
潜水艦碑の側にある狛犬。妙にカクカクとした姿、実は狛犬ではなくライオン。かつて築地に建立された有栖川宮威仁親王の銅像の四隅を守っていた像であり、後にこの神社に下賜されたそう。
境内には神池(しんち)という池もあります。色鮮やかなニシキゴイが泳ぐ静かな池。ウッドデッキが伸びており、歩いていると心が落ち着きます。
神池の側に立つのは東郷記念館。名前からミュージアム的な施設かと思ったのですが、どうやら結婚式場のようです。
ユニークなおまもり
東郷神社に来たら要チェックなのが、おまもり。他にはないような個性的なラインナップがそろっています。
Z旗をあしらった「勝守」は、東郷神社ならでは。大勝負に挑む際は、ぜひとも手にしておきたいお守りです。
まるでクレープのようなカタチの「しあわせ守」。原宿に境内を持つ神社ならではのデザインです。セレクトショップ「BEAMS」とのコラボであるそう。
人気なのはキティちゃんの「健康守」。他にも、マイメロディ、バッドばつ丸、タキシードサム、まるもふびよりなどサンリオキャラクターが勢ぞろい!お守り目当てで竹下通りから流れてくる参拝者も多く見かけました。
アクセスと営業情報
JR原宿駅の竹下口より徒歩5分、明治神宮前駅より徒歩10分ほど。
開門時間 | 6:00~17:00 ※11~3月は6:30開門 |
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公式サイト | https://togojinja.or.jp/ |
※掲載の情報は2023年6月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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