千光寺山(大宝山)の山頂に新しく設置された展望台。その独特なデザインとそこから見渡せる絶景から、早くも尾道の人気スポットとなっています。多くの人に愛される尾道、今回は旅の途中にちょっとだけ体験していきました。
素通りできない尾道の魅力
今回のGWの旅行は瀬戸内海をめぐる旅。特に広島県と愛媛県を島伝いに橋が架かる「しまなみ海道」は、通り抜けるだけでなく、よりも深くめぐる予定です。
しまなみ海道の本州側の入口となるのが広島県の尾道は、風光明媚な景色や落ち着く街並みで根強い人気を誇る観光スポット。これまでにも訪問したことがあるので、今回はパス・・・と思ったのですが、素通りするのはもったいない欲が急にふつふつと湧いてきました。
といっても、尾道に到着するのは早朝。まだお店や観光施設などはオープンする前の時間帯です。そうだ!千光寺頂上展望台 PEAKに行ってみよう!
2022年3月に千光寺山頂にオープンした展望台。ここからならば、これぞ尾道!といった風景を堪能することができるはず。そして営業時間が無いので、朝イチでもばっちりです。
朝イチで向かう千光寺山頂
ということで、細い道を車で登り、千光寺山頂の千光寺公園駐車場へとやってきました。
駐車料金は1日600円。スタッフらしきおじさんが掃除していたので尋ねてみたところ、「8:30から営業開始だから、それまではお金はいらんよ~」とのこと。やさしさにしびれます。
この千光寺公園駐車場は、尾道の駐車場の中ではとってもリーズナブル。そのため、非常に人気があります。桜の季節やGWかなりの混雑が予想されますので、利用予定の方はお早めに。
千光寺公園駐車場から山頂まではスロープを上って行きます。道中はツツジがたっぷり咲いており、訪れる人を出迎えてくれます。
直線とループの展望台
千光寺公園駐車場より5分ほどで、山頂の広場に到着。すぐに目に入るのは、カーブを描く印象的な構造物。これこそが千光寺頂上展望台 PEAKです。
まるでアート作品のようの佇まいの建築を担当したのは、建築設計事務所「AS」。青森県立美術館や京セラ美術館を手掛けた建築家・青木 淳の事務所です。
ぐるりとカーブを描く階段を上っていくと、そこに続くのは長さ63メートルの展望デッキ。景色はもちろんですが、もうこの展望台そのものが歩いてみたくなるタイプです。
GW期間といえど、7:30頃の訪問ではほとんど来訪者はいませんでした。
見えるのは尾道ならではの景色
展望台から見渡すことができるのは、これぞ尾道といった美しい風景。頭に浮かぶのは、林芙美子の『放浪記』の一節「海が見えた 海が見える 5年振りに見る尾道の海は なつかしい」。このフレーズになぞって、自分は何年振りに来ただろうか、と振り返ってしまいます。
自動車が走る道路、緩いカーブを描く線路、そして尾道水道を途切れることなく行き交う船。踏切の音や汽笛の音、朝の澄んだ空気の中に響き渡る様々な音に耳を傾けると、少しずつ目覚めていく街の姿を感じます。今日もまたどこかでドラマが起こる、そんなことを考えてしまいます。
たまたま同じタイミングで居合わせたおじさんは、尾道に里帰りしてきたそうで、いろいろと解説してくれました。久しぶりに見る尾道の風景に感極まっており、そのとき見せたきらきらとした表情が忘れられません。
これまで何度か尾道には訪れていますが、その度に感じるのが地元の人の尾道への愛。今回はほんのわずかな滞在であるにも関わらず、しっかりとそれを感じさせられました。
他にも見どころたくさん
手前の瓦屋根は「千光寺山ロープウェイ」の山頂駅。まだ営業前なのでとっても静か。
このロープウェイを利用すれば、車が無くても、山麓駅から一気に山頂までアクセスできます。ただし、連休中はかなり混雑するので、時間にはご注意を。9:00始発ですが、8:30にはチケット売り場に行列ができていたりします。
ロープウェイで山頂についたら、こちらの展望台に上ったり、展望台のすぐ近くにある「尾道市立美術館」などをまわるのも良さそう。
山頂からの下りは、尾道ゆかりの作家・詩人の石碑が25基並ぶ「文学のこみち」を通り、「千光寺」を経由して降りていくのが一般的なコース。
山を下りたら、商店街を歩いてみたり、尾道ラーメンを食べたりするのも良いですね。
今回は旅の途中にふらっと立ち寄っただけですが、いずれまた訪問してのんびりと過ごしたいところです。
コメント