知られざる掃海と機雷 巨大潜水艦がそのまま展示された『てつのくじら館』(呉市)

広島県

潜水艦の模型や実物の機雷が展示された海上自衛隊によるミュージアム。とにかく目立つ大きな潜水艦は、実際に内部へ入って見学することができます。戦後の日本復興に不可欠であった、知られざる作業「掃海」や機雷についての展示も豊富です。

開館時間:9:00〜17:00
休館日:火曜
料金:無料
2020/9/25(金)

存在感抜群な外観

まず目に入るのは赤とグレーの潜水艦。全長76mの巨体が横たわる様子はインパクト抜群です!

こちらはレプリカではなく、実際に運航していた本物の潜水艦「あきしお」。クレーンで海から水揚げされた後、輸送用台車を17台組み合わせてここまで運ばれました。

大き過ぎてなかなかフレームに入りきらないのですが、道路挟んで向かい側にある大和ミュージアムの展望テラスに立つと、あきしおの全景を写真に収めることができます。自動車と比較すると、その大きさが伝わりやすいですね。

日本の潜水艦ヒストリー

館内では、国内潜水艦の歴史が展示されています。日本の潜水艦のはじまりといわれる「くろしお」は、1955年にアメリカより貸与されたもの。多くのサブマリーナーはこの船で訓練を行ってきたため、「母なる艦」とも呼ばれています。

くろしおの運用データをもとにつくられた戦後初の国産潜水艦「おやしお」。性能は格段に向上し、戦後の潜水艦のプロトタイプとなりました。

内部構造を見ることができる模型や、実物大に再現された船内で潜水艦の内部も紹介しています。もっとリアルな潜水艦は次のコーナーで。

潜水艦内部へ潜入

外から見てインパクト抜群だった潜水艦あきしお。館内を進んでいくと、その内部に入ることができます。

狭い通路を歩くと、目に入るのはびっしりと並ぶ計器やレバー。サブマリーナーは高度の知識と技術が必要であることが伝わります。

トイレやシャワー、寝室など生活の場も見学できます。ベッドは上下の間隔が50cmほどとかなり狭い。寝ぼけてそのまま起きあがったら頭を強打してしまいそうです。

海自誕生のきっかけとなった掃海

潜水艦に関する展示以外に、館内の大部分を占めていたのが「掃海(そうかい)」について。

第二次世界大戦の敗戦後、海軍は解体されます。それに代わり、1954年に海上自衛隊が誕生。海上自衛隊誕生のきっかけとなったのが掃海という、海上に設置された機雷を除去する危険な作業。

戦争が終わった直後の日本近海には、おびただしい数の機雷が設置されたままでした。日本軍が防衛のために設置した機雷、そしてアメリカ軍が日本の航路を断つために設置した機雷は、合わせるとその数66,000個。

日本はほとんどの航路が絶たれた状態であったため、機雷を除去し海上交通を復活させることが戦後復興に必要不可欠だったのです。

しかし、もともと掃海用に造られた船で行っていたわけではないため、作業は困難を極めました。

命がけの作業?特攻掃海

掃海作業では危険海域を航行し、命をかけて機雷の有無を確かめる「特攻掃海」まで行われていたそう。

戦後の作業である掃海にも特攻精神が残っていたことに少し違和感があったので、ガイドのおじさんに尋ねてみました。

特攻とつくと必ず命を落とすイメージですが、この特攻掃海は少し異なっていました。
まず、乗組員は船底へは行かずデッキにおり、なおかつもし沈没してもすぐに救えるよう別の船が待機していたそう。また、特攻を行う海域は基本的には探査が終了した場所。最後に確認のために行うのが普通だったため、実際に機雷を受けてしまうことはほぼ無かったらしいです!

そして、特攻掃海には、当時の金額で1万円という手当てがもらえたそう。実際のところ危険度が低かったため、手当てが未払いとなり問題になった、そんな裏話も聞かせてもらいました。

そんな日本近海の掃海作業も、7年の歳月をかけて完了。その結果、海上交通は復旧し、日本の復興は飛躍的に進んでいくことになります。その後も、北朝鮮方面より漂着する浮遊機雷の除去や、湾岸戦争での派遣など、掃海活動は世界中で行われていきました。

日米の機雷の違い

実物の機雷もしっかりと展示されているのが、この施設の凄いところ。自衛隊の資料館であるため、展示物はほぼ全てがホンモノです。

ここで面白いのが、日米の機雷の違い。日本軍が設置したものは比較的簡単な構造でしたが、アメリカ軍が設置したものは複雑で、掃海にも非常に苦労したそう。

こちらは日本軍が使用していた66式機雷。重りからワイヤーでのびた部分が機雷となっており、物に当たると爆発するシンプル設計なので、掃海も比較的容易であったそう。

一方、こちらはアメリカ軍の70式機雷。このまま海底に設置され、センサーで爆発するハイテク機能。「5回感知すると爆発」など、テクニカルな動作のため掃海も困難だったそうです。

性能も大きく異なっていましたが、その最大の違いは設置方法日本の機雷は船でその場所まで赴き海底に落として設置していたのに対し、アメリカの機雷は飛行機から海に落として設置ができました。そのため、敵軍の領海に設置し、航路を断つことができました。

呉海自カレーもお忘れなく!

せっかく呉に来たら海自カレーも食べておきたいメニュー。呉駅周辺には、取り扱う飲食店が多く存在しています。

今回訪問したのは、呉駅から徒歩3分のところにあるりゅう。駐車場は無いため、てつのくじら館の駐車場に停めたまま歩いて向かいました。

ここの海自カレーは、海上自衛隊の潜水艦・けんりゅうにちなんだソードドラゴンカレー。戦艦を模したお皿に盛られており、雰囲気抜群。

アサリやイカなどの海鮮が入ったシーフードカレーで、甘口ながらもスパイシーな味わいです。ご飯はしっかりと詰まっているので、見かけよりボリュームあります。

さらに小うどん付きにすれは、呉名物の細うどんも一緒に楽しめます。港町では限られた時間の中で食事を済ませる人が多かったため、茹で時間が短く済むように細麺のうどんができあがったそうです。


さらっと見るだけなら30分程でまわれるスポットですが、ガイドのおじさんにいろいろ聴き込んでいたところ、あっという間に1時間以上経過していました。ついついじっくりと見てしまい、おじさんにも「このペースだとまわりきれなくなるよ」と笑われてしまいました。

このあとは、すぐ隣にある大和ミュージアムへ。

夢とロマンが詰まった史上最大の戦艦『大和ミュージアム』(呉市)
日本の威信をかけて造営された戦艦大和。1/10の巨大模型をはじめ、映像コンテンツやパネルでその凄さを知ることができる博物館。悲しい特攻兵器も数多く展示されており、様々な切り口で戦争と向き合うことができます。

 

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この記事を書いた人
chihiro

国内旅行が大好き!車中泊やLCCを駆使して、離島と水族館は100以上・神社仏閣は300以上訪問。都道府県はあとちょっとで3周完了。スケジュール詰め込みがち。実はプログレとソウルが好きなベーシスト。

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