人を引き合わせる不思議な五連橋『錦帯橋』(岩国市)

山口県

江戸時代に造られた5連の木造橋。複雑に設計されており、世界的にも珍しい構造形式をしています。外観も非常に個性的なこの橋は、24時間通行可能。周辺には観光スポットやお店も多く集まり、とてもにぎやかな場所です。

2020/9/23(水)

岩国を代表する観光地

国指定名勝である錦帯橋は長さ直線距離で193.3m、幅は5mの木造橋です。特徴的なのはその外観で、5つの橋が連なり独特なルックスを作り上げています。

岩国を代表する観光スポットで、「岩国錦帯橋空港」と空港名にまで冠しているところからも、その人気さを物語ります。

この橋は、岩国城と城下町を隔てる錦川に架かっています。この川は大雨が降ると洪水を起こす暴れ川であり、橋を架けても架けても洪水のたびに流されてしまっていました。
吉川家の3代領主である吉川広嘉のアイディアで現在のような形状に。その後も数度のアップデートを重ね、洪水に耐え得る強固な橋ができあがりました。

錦帯橋を歩く

310円の通行料を払えば、歩行者に限り実際に渡ることができます。歩いてみると、吊り橋ほどでは無いのですがわずかに揺れを感じます。

アーチ部分には、なかなか険しい部分もあります。このポイントは急傾斜ですが、板が積み上がり階段のようになっているため思ったよりもスムーズに渡ることができます。

なお、錦帯橋は24時間通行可能。17時すぎると受付は閉まり、コイン投函式になります。また、夜間は22:00までライトアップも行っています。

不思議な構造

5つの橋は全部同じに見えて少し異なっています。よく見ると、中央の3つはアーチ橋なのに対し、両端の2つは橋桁のあるタイプの構造。

アーチ橋の裏側は、木材が複雑に絡み合っています。アーチ状に組んだ木を、直角の木材で止めているように見えますが、どんな設計になっているのか全く検討もつきません。

案内板に書かれた構造図を見つけました。きいろ、赤、緑がヒノキ、マツ、ケヤキを表していることはわかるのですが、他の部分は複雑過ぎて全然わかりません。

橋桁は木製ですが、土台の部分だけ石造り。木と石ともにぴったりの方にカットされており、上手に噛み合っています。細かい部分を見ていると様々な発見があり、とても見ごたえがあります。

日本を代表する橋

名勝としても指定されており、日本を代表する橋である錦帯橋。もちろん、日本三大○○に数えられています。

1つ目は日本三名橋。長崎県の眼鏡橋・東京都の日本橋と合わせて数えられています。

もう1つは、日本三大奇橋。山梨県の猿橋、富山県の愛本橋、徳島県のかずら橋、栃木県の神橋、長野県の木曽の桟と合わせて数えられています。明らかに3つ以上ありますが、日本三大○○ではよくあることなので、気にしてはいけません。

見逃せないソフトクリーム

錦帯橋を渡った先には岩国城ロープウェイ岩国美術館岩国シロヘビ館など観光スポットがたくさん。

飲食店やお土産屋も多くありますが、中でもユニークなのは日本一ソフトクリームむさし。なんと、170種類ものラインナップがそろう、バリエーション豊富すぎるソフトクリーム屋さんなのです。

かぼちゃ、ソルティライチ、ラムショコラなど、味のイメージが持てるものから、すっぽん、しそわかめ、らーめん、ビフィズス菌など、よくわからないものまで、とにかくたくさんそろっています。170種類というのも2020年9月時点での数字で、その味は今も増え続けています。

さらにむさしの近くには佐々木小次郎商店という名の、これまたメニュー豊富なソフトクリーム屋さんがあります。こんなところでも武蔵vs小次郎の戦いが起こっていました。

人を引き合わせる橋

私自身が錦帯橋に来ると感じることがあります。それは、錦帯橋には人を引き合わせる力があるのではないかということ。そう感じる裏付けとして、ここからは私の個人的なエピソードになります。

それは数年前に錦帯橋に来た際の出来事。
宮島で時間を使い過ぎてしまったため、日は落ちて真っ暗。橋のライトアップも終了していたため、辺りはほとんど見えません。
せっかく来たので橋を渡っていると、遊びに来ていた地元民らしき男女4人組と遭遇。なぜか成り行きで仲良くなってしばらく話し込んでしまいました。話していると、「最初、おばけかと思いました!」と言われて気が付いたのですが、真っ暗な橋に一人でいる髪の長い人間はたしかに霊の類と考えるのが自然かもしれません・・・笑

そして久しぶりの訪問となった今回。
橋を渡っていたところ、一人旅の方に「写真撮ってもらえませんか?」と声をかけられます。快く引き受けて数枚シャッターを押していたところ、「あれ?一昨日鞆の浦にいませんでしたか?」と質問されます。
一昨日鞆の浦を歩いていた際も写真を頼まれたのですが、なんとそのとき撮った人と同じ人に声をかけられたのです!同じ人と旅先で2回会うということは、たまにあるのですが、2回写真を頼まれたのは初めて。もう私はあなたの専属カメラマンです!そんな偶然の再開に驚きつつ、少し旅の話をして別れを告げました。

私にとって、この橋は何か変わった出会いがあるスポットなのです。

コメント

  1. […] この橋は、まるで岩国の錦帯橋のような造りをしています。木の組み方もそっくりで、他人の空似にしては似過ぎているような気が・・・。 […]

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