室町時代の五重塔と大内文化を残す古刹『瑠璃光寺』(山口市)

山口県

室町時代に大内氏による大内文化が形成された山口。京都に倣った街づくりで「西の京」と呼ばれ、日本一の繁栄を誇っていました。そのシンボルとも呼べる五重塔を擁するのがこの瑠璃光寺。600年の歴史を伝える禅宗寺院です。

開館時間:拝観自由(資料館は9:00~17:00)
料金:無料
2020/9/22(火)

西の京を代表する寺院

山口市内にある曹洞宗の寺院・瑠璃光寺は、1471年に大内家の重臣である陶弘房(すえひろふさ)の夫人が、亡き夫を弔うために建立した安養寺がルーツ。1492年に瑠璃光寺へと改名され、さらに1690年にこの地に移転され現在の形になりました。

神社仏閣の多く残る山口市のことを指して「西の京」と呼ぶことがありますが、瑠璃光寺はまさにそれを代表する仏閣です。

山口駅から2kmほどと街の中心部近くにあり、山口県政資料館山口県立美術館からも徒歩10分でアクセスできます。車の場合は中国自動車道小郡ICから20分ほど。無料の駐車場が100台ほど完備されています。

 

大内文化とは・・・?

瑠璃光寺を見学するにあたりキーワードとなるのは大内文化というコトバ。

室町時代、周防と長門(現在の山口県)を統一した守護大名・大内弘世(ひろよ)がもたらした、独自の文化。

弘世は山口の地形が京都に似ていることから、京にならった町づくりを行い、京都の東山文化・北山文化を取り入れます。そこに交易により得た大陸の文化をミックスしたオリジナルカルチャーこそが大内文化と呼ばれています。

その後、大内氏は日本一の財力を誇るほどに繁栄。山口の町も、その経済力で京都を凌ぐほどのにぎわいを見せます。応仁の乱以降荒廃を続ける京からも多くの文化人が流れこみ、まさに西の京と呼ぶに相応しい豊かな町へと成長していきました。

水墨画家であり、禅僧でもある雪舟も大内氏の庇護を受けて山口で暮らしていました。

そんな繁栄も長くは続きません。当主・大内義隆の家臣による謀反、大寧寺の変が勃発し義隆は自害に追い込まれます。これにより、大内家は滅亡。大内氏の庇護を受けていた文化人も離散し、その後の戦乱で多くの文化財も消失。大内文化は終焉を迎えます。

山口市のシンボル五重塔

瑠璃光寺といえば、何と言ってもこの五重塔。室町時代に造られたもので、高さ31.2m。木々に囲まれて自然に溶け込むように建つその姿には畏怖すら感じます。

大きくせり出した屋根は、塔身を細く見せます。2層部分にのみ高欄(ベランダの手すり)が設置されていますが、このデザインは五重塔の中では非常に珍しいそう。この塔は国宝に指定されており、京都の醍醐寺・奈良の法隆寺と合わせて三名塔にも数えられています。

日が暮れるとライトアップも行っています。毎日22:00まで行っているので、近くに宿泊される方は、夜の散歩に立ち寄ってみるのも良さそう。また、春にはサクラ、秋には紅葉、冬には雪景色など、季節に合わせて変わる姿も楽しめるそうです。

禅の思想を感じる境内

瑠璃光寺は曹洞宗、すなわち禅宗の寺院。禅の思想が詰まった境内には、禅寺ならではの特徴があります。

吊るされた木製の生き物。こちらは梆(ほう)、または魚板(ぎょばん)などと呼ばれており、食事の準備ができた際にこれを叩いて修行僧たちを集めていました。通常はサカナの形をしていますが、ここのものは龍の頭をした「龍頭魚身」タイプ。

貨幣のような形をした知足の手水鉢。真ん中の四角を口(くち)と読むと、吾唯足知(われただたるをしる)と読むことができます。各地で見ることができ、京都の龍安寺のものが特に有名です。

巨大な擂粉木(すりこぎ)。「身をすり減らしても人を救う」という意味が込められているそう。曹洞宗の大本山・永平寺にも巨大な擂粉木がありましたが、あちらは「地ならしに使用した棒を棄てるのが惜しく、擂粉木棒として加工した」といった由来だった気がします。似通った物でも由来が異なっているのが面白いです。

境内で見つけたもの

心願成就の水かけ地蔵。5つ置かれた柄杓にはそれぞれご利益が記されており、望むものを選んでお地蔵に水をかけ、願いを唱えます。私が見たときは「病気」「ボケ封じ」「ボケ」「健康」「ガン」の5択。ボケとボケ封じの違いが気になります。

五重塔のカタチを模した経塚。2層部分にのみ設置された高欄など、細部まで忠実に作られています。檀家や参詣者の子孫繁栄を願って書写した般若心経が納められているそう。

こちらの木、地面からはサルスベリなのですが、途中からマツの木に切り替わっています。猿もすべると言われるサルスベリから、滑り止めに使用されることもあるマツが生えているという対照的な組み合わせから、この木に対してすべりどめの合格祈願をされる方もいるらしいです。

ここはうぐいす張りの石畳。手を叩くか足踏みすると、音が反響して不思議な音に変わります。うぐいすの鳴き声かどうかは難しい判断ですが、音が返ってくる感じがとっても面白い。こんなに開けた屋外できれいに反響するのが不思議。

五重塔への愛が詰まった資料館

境内にある瑠璃光寺資料館は、五重塔の解説映像や全国各地の五重塔の紹介を見ることができます。入館料は200円。

映像では普段見ることができない五重塔の内部が映し出されます。内部に安置された仏像や、塔の中心に立つ心柱など、貴重な姿を見ることができます。

五重塔の模型コーナーでは、奈良の法隆寺や東京の浅草寺など、日本各地の五重塔を再現した模型がずらりと並び見ごたえ抜群。五重塔に対する強い愛を感じる資料館です。

ランキングサイトに登録はじめました!クリックするとポイントが入るらしいので、いいね感覚で押してもらえると嬉しいです。

にほんブログ村 旅行ブログ その他珍しい旅へ

この記事を書いた人
chihiro

国内旅行が大好き!車中泊やLCCを駆使して、離島と水族館は100以上・神社仏閣は300以上訪問。都道府県はあとちょっとで3周完了。スケジュール詰め込みがち。実はプログレとソウルが好きなベーシスト。

Twitterやってます!(下のアイコン)
旅行&音楽好きな方、気軽にフォローしてください~

chihiroをフォローする
山口県
シェアする
chihiroをフォローする
シマグニノシマタビ

コメント

タイトルとURLをコピーしました