毎年1万羽を越えるツルが越冬のために訪れる、鹿児島県の出水(いずみ)。初心者でもツルの観察を行えるのがこちらの観察センター。レクチャーはもちろん、カメラの貸出や観察のための小屋の設置など、誰でも気軽にバードウォッチングが楽しめます。
まずはココへ!ツル観察センター
越冬のためにツルが飛来する地として知られる出水(いずみ)。飛来するツルをぜひ見てみたいけど、どこに行けば良いか分からない・・・。そんなときにおすすめなのが出水市ツル観察センター。
飛来時期だけの期間限定でオープンする施設であり、2階建てのコンクリート製の建物がガイダンス施設となっています。
時間:9:00~17:00
料金:220円
二階が展示室と展望フロア。タイミングが良いと、あたり一面に広がる多数のツルの姿を見ることができるそうです。
東干拓地へ行く前に
今回訪問したのは11月6日は、その数も1,000羽とまだまだ渡りはじめ。そのためツル観察センターからは姿を見ることができませんでした。
そんなときに向かうのが保護エリアである東干拓地。ツル観察センターのすぐ近くですが、感染症を防ぐためや周辺の農作業に支障が出ないようにするため、マイカー規制がなされています。
こちらを見学するには車一台につき1,000円の入域料(越冬地環境保全協力金)を支払い、さらにツル観察センターにてビデオを見てレクチャーを受ける必要があります。
1,000円は少し高く感じますが、貴重な環境を見ることができるのでまったく惜しくないです!このお金は、環境保全や防疫体制の強化に使用されるそう。
また、入域料には以下が含まれています。特にズームに強い一眼を借りることができるので、スマホしかない方は利用してみても良さそうです。
・一眼カメラ、双眼鏡がレンタル無料
・電気自動車のレンタル無料
入域証をダッシュボードに掲示したら、いざ東干拓地へ!!
快適なツル観察ハイド
東干拓地には、何ヶ所か車を停めることができる場所があります。そのうちポピュラーなのが「ツル観察ハイド」。衛生センターという施設の裏側に設けられた観察小屋です。
目の前のスペースに車を停めて外へ出ると、聴こえてくるのは大きなツルの鳴き声。さっきクレインパークいずみで聴いた声にテンションが上がります。
公園の東屋のような、もっと簡素な小屋をイメージしていましたが、内部はしっかりとした造り。大きな窓と、ラグジュアリーなソファまで置かれています。
さあ、窓の向こうに見えるこちらがツルです!
遠すぎてよくわかりません!
望遠レンズはほぼ必須
青いネットの向こうの黒い点がそうなのですが、スマホだとちょっと撮影は厳しい距離。肉眼ではなんとなくわかるんですがね。
ということで、持参したデジカメで撮影にトライ!
たくさん集まるツルの姿をばっちり捉えることができました。
望遠レンズのついた一眼カメラも借りたのですが、残念なことに操作がわからずそのポテンシャルを引き出せませんでした・・・。カメラって難しいですね。
ツル観察ハイドから移動したツル監視所。こちらからは、農道の先にたむろするツルたちを見ることができました。
見ることができたツル
今回見ることができたのは、おそらくほぼ全てが「ナベヅル」という種類のツル。このツルが最も多く集まるそうです。
その名の由来は首から下が鍋底についたススのように黒いということ。他のツルに比べると少し小ぶりであり、よく田んぼで見かけるアオサギと同じくらい。
世界には15,000羽が生息しているそうですが、その8割以上が出水で越冬するとのこと。このナベヅルがどこから来るのかといいますと、それは繁殖地であるロシアの極東や中国の東北部など。2,000km以上もの距離を飛び、ここまで渡ってくるというのだから、そのグローバルな生態には驚かされます。
実はこの出水のツル、江戸時代には保護されていましたが明治時代になるとそれが解けて乱獲、一羽も飛来しないということがあったそう。狩猟法の制定とともに、ふたたび保護されるようになりその数は徐々に回復。今では10,000羽を越えるほどのツルが渡来するようになりました。
世界的に見ても貴重なツルの越冬地、保護のための苦労もたくさんあるかと思いますが、今後も維持していただけたら嬉しいです。
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