一面のチューリップと天地人のフォリー『国営越後丘陵公園』(長岡市)

新潟県

季節の花やイルミネーションなどのイベントで常ににぎわいを見せる広大な国営公園。なだらかな丘が広がる園内は、ただ歩いているだけでも心地よい気分になります。今回は丘の上に立つフォリー、さらにその先にある展望台まで行ってきました。

訪問日:2018/5/5(土) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

広大な敷地を持つ国立公園

新潟県長岡市にある国営越後丘陵公園は、その名の通り国が管理する国営公園。日本に17ヶ所存在する国営公園の中で、唯一日本海側に位置しています。

もともとは長岡ニュータウン建設のために開かれた土地でしたが、交通の悪さや経済社会情勢の変化の影響を受けてその規模は縮小。その救済策の一環として建設されたのが、この国営公園。1998年に開園した後も順次面積が拡大されており、現在の面積は400haであるそう。国営公園の中でも、「国営木曽三川公園」に次ぐ広さを誇ります。

そんな莫大な広さの園内には、見どころがたっぷり。広大な芝生広場の「緑の千畳敷」や遊具エリア、レストランなどを備えた『健康ゾーン』と、「里山交流館えちごにあん」やパークゴルフコースなどを備えた『里山フィールドミュージアム』と2つのエリアに分かれています。駐車場は3ヶ所ありますので、事前に行先を合わせて確認しておくのがおすすめ。

園内では無料のシャトルバスも走っており、8ヶ所のバス停をめぐります。ちなみに、フルで乗車した場合の所要時間は30分。これだけでかなりの広さということがわかりますね!

季節の花が見どころ

越後丘陵公園の魅力の一つといえば季節の花。5月下旬~6月中旬頃の「バラ」、9月中旬~10月中旬頃の「コスモス」など、季節に合わせたお花畑をたっぷりと楽しむことができます。

5月のGW期間に訪問したところ「チューリップまつり」を開催中。ウェルカムゲートをくぐり、少し左へ進んだ先にある「花の丘」は一面に広がるチューリップ畑になっていました。

規模は18万球とそこまで大きくはないのですが、フレームいっぱいの花畑写真を撮るには充分な広さ。

チューリップにも他の花同様に、たくさんの園芸品種があります。この「エレガントレディ」は、まるで高級なホワイトチョコみたいなエレガントさ。

まるでユリのような「マリリン」。ホワイトとピンクのカラーリングは鯛のお刺身のようです。

こちらは「コロンブス」という品種。八重咲であるため、一般的なチューリップとは異なる大きな花が特徴です。まるで霜降り牛肉みたいな高級さを感じます。

ええ、お腹すいてます。

広がる壮大な景色

丘陵公園の名前の通り、広大な丘が広がる園内。丘の上に立つポプラの木を眺めていると、まるで北海道の美瑛に来たような気持ちになります。

435段にもおよぶ階段を登った先には、パノラマが広がるベンチ。これは爽快ですね!

実はこの丘、かつて片刈城(別名・牛ヶ首城)というお城があったそう。上杉謙信がこの世を去った後におこった家督相続の争い「御館の乱」にて落城したお城であるそう。

なお、園内を歩いていると、不思議な車のようなものを見かけます。こちらは、園内でレンタルしている「変形自転車」。2人乗りの「チロリアン」、4人乗りの「カルテット」、さらには1人乗りで連結可能な「かるがもサイクル」と人数に合わせて選択できます。これめっちゃ楽しそうですね!

天・地・人のフォリーとは

丘の上にそびえ立つ謎の構造物。こちらは建築家・八束はじめ氏による「天・地・人のフォリー」。「天地人」といえば上杉謙信の言葉である「天の時 地の利 人の和」のことかと思いきや、「天は垂直なツインタワー、地はブーメランの大地、そして人は木のかご」を指すそうです。ううむ、ちょっと難解です。

ところで「フォリー」とは何でしょうか?ちょっと調べてみたところ、「庭園の装飾のために配置された用途を持たない建築物」を指すそうです。英国風景式庭園では廃墟風の神殿を置いたり、長閑な雰囲気にするために集落や水車小屋を置いたりしていたそうですが、それがフォリーにあたるそう。

彫刻はあてはまらず、あくまで建築物であるのが特徴。かといって日本庭園に設置される東屋などは休憩という用途があるため、フォリーには当てはまらないそうです。なんとなくわかってきました。

なお、このフォリーの傍には休憩所があり、自販機・トイレを備えています。

さらに奥には展望台

天地人のフォリーからさらに歩くと展望台へ行けるとのこと。せっかくなので進んでみたところ、森の中にそびえる巨大な構造物が見えてきました。

内部はまるで現代美術館のようなコンクリート建築。階段が左へ右へとリズム良く設置されており、斜めに進む珍しいエレベーターもあります。名のある建築家の方の作品でしょうかね。

展望台の屋上からは視界一杯に広がるパノラマ。長岡市内はもちろん、小千谷まで見渡せます!

ちなみに駐車場から見ると、今ここにいます。標高は230mほどと数字だけ見るとそれほどに思えますが、遮るもののない景色は開放感抜群です。

フォリーから展望台までは20分ほどとの案内でしたが、ゆっくり歩いても10分弱でした。ただし、ルートは未舗装の山道なのでちょっとだけ歩きにくい箇所も。展望台は自販機とトイレを備えていますので、ひと休みもできます。

というわけで、ちょっと立ち寄っただけのつもりだった越後丘陵公園、思ったよりもたっぷりと歩いてしまいました!ついついいろいろ行ってみたくなる可能性がありますので、できる限り歩きやすい靴での訪問がおすすめです。

アクセスと営業情報

長岡駅からバスで約40分の「越後丘陵公園」下車。12~3月は越後丘陵公園までバスが行かないので、終点の「陽光台4丁目」下車後、徒歩10分。

車の場合は関越自動車道の長岡ICより約10分。駐車場は3ヶ所ありますので、目的に応じて事前に確認してから訪問するのがおすすめ。今回紹介した場所は、北側にあるウェルカムゲートから入りました。

開館時間 4、9~10月:9:30~17:00
5~8月:9:30~18:00
11~3月:9:30~16:30
休館日 年末年始、1~3月の月曜
料金 450円
公式サイト https://echigo-park.jp/

※掲載の情報は2023年8月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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