プレートの活動によって生まれた地溝帯フォッサマグナに焦点を当てた博物館。ヒスイをはじめとした鉱石や化石なども扱う、地学にどっぷり浸かるスポットです。デジタルコンテンツや体験コーナーも多く、知識が無くても楽しめるタイプの博物館です。
休館日:12~2月の月・翌祝、年末年始
料金:500円
見学所要時間:30分
アクセス情報
フォッサマグナミュージアムは、新潟県の一番西側である糸魚川市にあります。
車の場合は糸魚川ICから5分ほど。電車+バスの場合は、糸魚川駅アルプス口からバスで10分ほど。バスは平日4本、土日祝日8本とそれほど多くないので、事前に時刻表の確認をお忘れなく。
野球場やテニスコートを備えた美山公園内にあります。デザインされたコンクリートの外観は、現代美術館のようです。
フォッサマグナって何?
学校でも習う「フォッサマグナ」。何となく必殺技のようで覚えやすい単語なので頭に残っている方も多いと思いますが、それが何かまで覚えている方は少ないのではないでしょうか。
現在の地図でみると、糸魚川静岡構造線と柏崎千葉構造線&柏崎千葉構造線に挟まれた、新潟・長野・栃木・群馬・山梨・東京・埼玉・神奈川と関東甲信越にまたがるエリアを指します。
かつて日本列島がアジア大陸から離れた際、2つに分裂してしまいます。そのときにできた溝が、このフォッサマグナと呼ばれるエリア。一言で表すとプレートの間に広がる「大地の裂け目」のことです。
現在は内陸なはずの秩父や下仁田で海洋生物の化石が発掘されるのも、かつて海の底であったのが理由なのです。
その後、地すべりなどにより砂や泥が堆積。加えてプレートの活動で伊豆半島が日本にドッキングした頃、東西に割れていた日本列島が圧縮されて海底が隆起、徐々に現代のような陸地へと変化していきます。このときに誕生したのが妙高山、浅間山、八ヶ岳、富士山、箱根山など名だたる火山群。
館内では、大型スクリーンと足元に広がる映像パネルで、そんな大地のストーリーをわかりやすく体感することができます。
人々を惹きつけるヒスイ
糸魚川は国内有数のヒスイの産地として有名。フォッサマグナミュージアムの館内にも、大小様々なヒスイがびっしりと展示されています。
ヒスイ=緑のイメージが強いですが、実際には様々な色の物が採掘されています。こちらはラベンダージェイドこと紫色のヒスイ。淡い色合いが美しい。
ブルージェイドこと青いヒスイもあります。青翡翠って青味がかったくらいかと思っていたのですが、かなりくっきりとした鮮やかなコバルトブルー。
鎮座する巨大な石は、なんとヒスイの原石!ヒスイ産地として有名な糸魚川市を流れる小滝川にて見つかったもので、重さは4.6トンもあります。
縄文時代に勾玉や装飾具として使用されていたヒスイですが、奈良時代の中期、東大寺の不空羂索観音の宝冠を最後に歴史から姿を消します。大正時代に入っても国内のヒスイ産地は見つかっておらず、全て大陸から伝わってきたものと考えられていました。
その後、昭和に入ってからこの糸魚川の地に伝わる奴奈川姫の伝説を基に糸魚川にて調査が行われます。その結果、ついに日本国内でヒスイの原石が発見されます。さらに日本各地で見つかった縄文時代のヒスイも全てこの地域より産出したものということが明らかになりました。
様々な鉱物がラインナップ
ヒスイ以外にも様々な鉱石が展示されています。きらびやかな石や光る石など、日本各地や世界で採掘された様々な石がずらり。アメジストやターコイズなど、宝石的な価値が高そうな石も多く、総額いくらなのかついつい考えてしまいます。
一番気になったのは霰石。新潟県新発田市で採掘されたものです。涼し気な見た目で、部屋に置いたら体感温度が下がりそう。
ユニークなのは、こちらの白く煌めくコンニャク石。石でありながらも曲がる鉱物で、レバーを動かすとぐにゃっと曲がる様子を観察することができます。
ロマンが詰まった化石
糸魚川には「手取層群」と「来馬層群」の2つの恐竜時代の地層があり、そこで発掘された古代サメの歯や二枚貝などの化石の展示も。
こちらはセミオノートゥスの鱗の化石。新潟県最古の硬骨魚類の化石とのことですが、ウロコだけなのでかなり小さく見分けるのが難しい!こういった小さな化石を見つけることができる人は、凄い集中力の持ち主なのではないでしょうか。
他にも、日本各地や世界で発掘された化石も多く並びます。古代魚や、ぐにゃぐにゃとしたわけわからない形の巻き貝「異常巻アンモナイト」など、絶滅してしまった古代生物を感じることができる展示です。
このあとは、歩いてすぐ近くの長者ヶ原考古館へ行ってきます!
コメント
[…] 長者ヶ原考古館は、フォッサマグナミュージアムと同じく美山公園内にあります。駐車場も共有で、歩いてすぐ。 […]