焼尻島で唯一の観光施設が、羽幌町焼尻郷土館。ニシン漁で栄えた時代の網元の住宅を活用しており、展示物はもちろん、建物自体も見どころとなっています。明治~昭和にかけての島の人の暮らしを感じられるスポットです。
重厚な木造建築
焼尻島の港から徒歩10~15分のところに立つのが羽幌町焼尻郷土館。風格のある木造建築は、石川県出身のニシンの網元(漁業経営者)・小納氏の住宅として建てられたもの。

明治33年(1900年)に完成したこの建物は、道指定有形文化財にも指定されています。10年近くかけて本州より集められたヒノキ、カツラ、ケヤキなどの木材が使用されており、宮大工によってクギを使わずに仕上げられています。

屋根の両端に突き出した飾りが、ゴシック建築のような雰囲気も。当時としては珍しく和風様式に洋風を複合させた和洋折衷スタイルであったそうです。
郷土資料を展示した資料館
昭和52年(1977年)に遺族により本町に寄付され、翌年より焼尻郷土館として開館。入館料330円で誰でも内部を見学することができます。

受付のおばちゃんは、とってもフレンドリー。向こうから「荷物はここに置いといていいよ」と提案してくれたり、「奥に湧き水あるから先に飲んできたらええ」とのアドバイスも。
ということで、まずは展示をスルーして一番奥にある湧き水へ。冷たくて美味しい…!今日は7月のとっても暑い日だったのでありがたすぎます!

一息ついたところで、展示を見ていきます!各所にはQRコードが置かれており、アクセスするとYouTubeの解説動画につながる仕様。以前は口頭で説明していたけど、今年から導入されて楽になったとおっしゃってました。

ちなみに電波は弱めでYouTube読み込みに少々時間がかかります。スライド1〜2枚の読み上げ動画なので、印刷して貼っちゃっても良い気もしました。
暮らしぶりを感じる館内
漁業だけでなく、呉服、雑貨商でもあったという小納氏。ソロバンが置かれた帳場机は、商人の家を感じさせます。

床の間の床柱は、朝鮮から仕入れた紫檀という木が使われています。「唐木三大銘木」に数えられ、美しさと耐久性に優れる木材ですが、成長が遅いため少量しか流通していません。この柱に刻まれた模様は、「昇り龍」と「下がり龍」を表しているそうです。

大きな仏壇が置かれた仏間。中央に置かれた仏像、当時は金箔が貼られていたそうですが、現在は素の御姿。もし貼り直す場合は、1,000万円もかかるそうです。

このタンク、なんと米びつ!よく見ると下に取り出し口があります。お手伝いさんだけでも5〜6人が暮らしていたという大所帯であったため、これだけの量が必要だったそうです。

トイレも一風変わっております。当時は木製が一般的でしたが、ここでは花柄の九谷焼を使用した陶製。同様のスリッパがちょっとかわいいですが、冬は冷たそうです。

土蔵に残る漁具・民具
館内からつながる土蔵も見学可能。内部は漁具や民具といった民俗資料が多数展示されています。

水が記された鬼瓦。火防として掲げられていたようです。

ニシンの建網漁を再現した模型も展示されています。二艘の船の間に張った網に追い込んで、文字通り一網打尽にしていたようです。

こちらはアイスクリーム製造器。説明は特にないため想像ですが、外側の木の筒に氷を入れて、内側の金属の筒に材料を入れて作ったのではないでしょうか。

明治時代に日本に広まったアイスクリーム、当初は高級品でしたが、明治末~大正にかけて製造機が普及して庶民も楽しめるようになりました。こんな北の離島にもあるということから、全国的に普及していたことを感じられますね。
電信局と郵便局の名残
この建築、宿泊施設や郵便局舎、電信局としても利用されていたという歴史を持ちます。館内には、かつて使用されていた電話交換台も置かれています。ずらりと並ぶジャックは、エレキギターのシールドケーブルと同じサイズ。

黒い壁にうっすらと記されていのは「小包郵便蔵倉」との記載。ここに郵便物を保管していたのでしょうね。

2階は電信室と局員休憩室があります。レコードやゴルフクラブ、足踏みミシンが置かれており、趣味を感じるお部屋。

というわけで、島の歴史を感じるとともに、かつての人々の暮らしぶりも見える民俗資料館でした!
2階の廊下からは港が見渡せます。ということは港へ訪れた人の目に入っていたはず。丘の上に立つ豪華な建築は、きっと島のシンボルだったのでしょうね。

さらっと見るだけなら20分くらい、じっくり見ても30分くらいの規模感ですが、私は60分も滞在してしまいました!なぜなら、島での滞在時間が6時間もあり、島も一周してしまった後だったのでじっくり楽しんだのです。
次回は、焼尻名物のサフォークバーベキューを食べる回でございます!
アクセスと営業情報
| 開館時間 | 9:00~16:00 |
|---|---|
| 開館期間 | 5月1日~9月30日 |
| 料金 | 330円 |
| 公式サイト | https://www.town.haboro.lg.jp/shisetsu/culture/yagishiri-kyoudokan.html |
※掲載の情報は2026年7月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。


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